心の復興


神道大教の四大信條は、天徳・地恩・清浄・光明であるということは
既に述べましたが、この四大信條を要典としてまとめた小冊子があり
まして、ちなみにこれは非売品ですが、その第三章清浄の中にこんな
四つの節があります。
第十七節 心に真を求むる者は神を見ることができる。即ち、
     神は真であるからである。
第十八節 心に善を求むる者は神を見ることができる。即ち、
     神は善であるからである。
第十九節 心に美を求むる者は神を見ることができる。即ち、
     神は美であるからである。
第二十節 心に聖を求むる者は神を見ることができる。即ち、
     神は聖であるからである。
このように人間の心の在り方について繰り返し述べているのには
訳があります。
人間とは本来、聖なるものであります。しかし人類社会には清と穢れ
が同時に存在しています。人の心は、日々社会生活を送っていく中で
次第に妖悪不浄の雲に穢されてしまいます。
穢れは万象の病であり、滅亡のもととなります。
私は今まで、現在の日本が、政治・経済・社会すべての局面において
これまでになく危機的状況を呈していると述べてきましたが、
これは、為政者、国民共に心の穢れた者たちが増えてしまった結果で
あると考えます。
次々と明るみにでる政治家の汚職、不正行為によって今までに何人の
国会議員が辞職し、離党し、逮捕されてきたことか。考えただけで
暗澹たる思いに囚われます。
また、国民生活においても、簡単に人を殺し、物を盗み、火を放ち、
幼子を虐待し、有害かつ危険な食品を何食わぬ顔をして売りつけ、
自らの目的達成の為には手段を選ばない罪深き者たちが、跋扈して
いるという現実があります。
戦後五十七年、私たち日本人は少なくとも物質的には、奇跡とも言え
る復興を成し遂げました。
しかし、いまだ私たち日本人の心の復興は終わってはいません。
私たち日本人に、脈々と受け継がれてきた神道の精神は、二発の原子
爆弾によって破壊されてしまったのかも知れません。
これを元通りに直すことが私たち神職の責務なのですが。
我が国が、現在置かれている極めて困難な状況から脱出するためには
何よりもまず、私たちひとりひとりが心を入れ替え、心を鍛え、
正しい心で、日々精進を重ね、信心するということ。それ以外には
方法はありません。
改革なくして成長なし。これは小泉内閣のスローガンですが
人間とは、信心なくして成長なし。がんばりましょうね。02/06/20
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