名前: アジア逃避行 (Asian Escape & Hideaway)

名前の由来:もともとはアジアに旅行するのが好きで、よく行っていたから。旅行のスタイルは、勝手気ままな自由旅行で、時々このまま行方不明になっても良いと思うこともあった。そこから自分の旅行を逃避行と名づけ、ハンドルネームにも採用した。

2009年から本格的に動物園通いを始め、ここから旅行スタイルが変った。動物園だけを目的にタッチ・アンド・ゴーのスタイルで旅行することが多くなった。

最初は音楽ブログだった。インドネシアやマレーシア、タイのポップスは旅行と共に好きになった。旅行先の音楽が好きになるのは昔からで、ガムランやハワイアンは旅行がきっかけだった。元々、美しい音(ソノリティ)が好きで、クラシック、ジャズ、ラテンなどジャンルを問わず良く聴いていた。今でもガムランなどの特徴あるソノリティは、音が鳴っただけで嬉しくなる。

お気に入りの動物は変遷がある。現在は、ホッキョクグマ、キツネザル(クロシロエリマキとワオが特にお気に入り)、アザラシ、ユキヒョウ。子供のころイヌを飼っていたので、犬が好きだが、最近のペットブームには違和感を感じる。動物園に行きだして最初の頃のお気に入りはカンガルーだったが、いつも寝ているのと、国内の動物園のカンガルー展示があまり「いけてない」ので、今はそれほどでもない。

嗜好品:タバコ、紅茶、酒。酒はなんでもOKで、その時の気分と場所に合わせてチョイスする。逃避行の時はワイン系が多い。朝食と共に飲むシャンパン、昼間から飲むシャルドネは最高。これも旅行と言わず逃避行と言う理由の一つ。

きっかけ(どうして40歳を過ぎてから動物園に行くようになったのか?)

2004年5月にシンガポール動物園に行ったのがきっかけ。シンガポールは、大型の動物園で、動物の種類も多く、一つ一つの展示は良くできていて、園内は清潔、レストランやショップも充実しており、アトラクションも大人が見ても楽しめるもので、動物園が子供のものという固定概念を変えてくれた。

それまで、旅行といえば、ビーチリゾートや都市漂流だったのだが、動物園や水族館も楽しいと思った。癒しと寛ぎの得られるディズニーランド的なレジャー施設だと思った。

最初は海外旅行に行った時に最寄の動物園に行っていた。ケアンズ、ゴールドコースト、バンコク、ホノルルなどに行った際に、動物園に立ち寄った。2006年3月のブルータスの動物園特集を読んでからは、国内旅行でも動物園を絡めて行くことが多くなってきた。京都、札幌、南紀白浜などに行った。この頃は観光地の1つという認識だった。

本格的な動物園通い

実は、旭山動物園に初めて行ったのは2009年の7月である。2006年3月のブルータスの動物園特集を読んでから、何回か訪問計画を立てたのだが、直前になってキャンセルすることが続き、なかなか実現しなかった。メディアへの露出も多く、事前情報は豊富にあっての訪問だったのだが、実際にアザラシのチューブや、ホッキョクグマのもぐもぐたいむを間近で見て、国内にこれほどの動物園があったのかと、改めて感動した。

ここから動物園通いが本格化した。上野、多摩、横浜、千葉、といった近くにある動物園に毎週通うようになった。

通い始めてすぐ位に、動物園の採点基準を作って、訪問の都度評価するようにした。2004年のシンガポール動物園の印象が強かったため、これを基準に、7つの採点基準を設けた。展示が広い、動物の種類が多い、動物に無理のないアトラクション、などである。

動物の赤ちゃん

アドベンチャーワールドに、2008年に生まれた双子のパンダの赤ちゃんを見に行った。動物の赤ちゃんはむちゃくちゃかわいいことが分かった。

ここから、赤ちゃん誕生のニュースを見ては、遠近を問わず動物園に通うようになった。札幌のシロクマツインズ、ユキヒョウツインズ、多摩のユキヒョウ、アドベンのライオン、シロクマ・・・、と、どんどんエスカレートしていった。

ワオキツネザルとの意表を衝いた出会い

アドベンチャーワールドのサファリを自転車で回った。最後に自転車の返却に行くと、駐輪場の中に、木があって、そこにワオキツネザルが2頭展示されていた。柵も檻もない代わりに、ワオキツネザルにリードをつけている。ちょっとかわいそうな気もしたが、ワオキツネは気にする様子もなく、のんびりと木の上で過ごしている。木の真下にいって手を伸ばすと触れるのだが、もちろんルール違反。そこで、なるべく近くまで行って写真撮影を試みる。と、思ったらいきなり威嚇となわばり主張(おしっこ、うんち攻撃)にあった。カメラも「こっちによこせ」と言わんばかりに掴んで引っ張る。とられては大変とばかりにこちらも引っ張り返す。ワオキツネとちょっとした出会いになった。

ここから、動物と目を合わせることが楽しくなった。

良い動物写真を撮りたい

動物園に行くだけでなく、良い写真も撮りたくなってきた。10年近く初代EOS Kissを使っていたのだが、2009年の秋にNikonのD300sに替えてみた。最初は機材を使いこなせず苦労した。写真のハウツー本も買ってみたが、腕前は上がらない。そこで、カメラマンの多い動物園で、周りの人がどういう機材を持っていて、どういう場所から、どういうタイミングを狙っているのかを観察したりもした。しかし今でも腕前は上がらない。

多摩や円山はカメラマンが多い。持ち込む機材も、一人で2台、内1台はバズーカ(300mm以上の大口径望遠)というのが目に付く。ユキヒョウの赤ちゃんの展示が始まった週など、バズーカが5,6本並んでいて、まるで撮影会のような状態だった。動物写真の人気が高いことが良く分かったのと同時に、自分もそういう写真を撮ってみたいと思うようになった。


転換 : 動物園によりのめりこんだのは?


動物園に行くだけでなく、動物園や動物の本を読んだり、WEBで情報を集めたりするようになった。稀少動物の保護、自然保護や、生物多様性など様々な問題に向けた保全基地として、動物園の戦略的な位置付けの確立をめざしていることが分かってきた。

展示動物の生息地への関心

2009年4月に、上野動物園にアイアイの森、レムールの森がオープンした。ワオキツネザルとクロシロエリマキキツネザルにはまったのと同時に、マダガスカルの生態系に興味を持った。マダガスカルの生息環境が破壊されつつあって、その背景にある社会的混乱、ランドラッシュによるインド、中国、韓国企業による土地の買収と自然破壊が進んでいることを知った。

シンガポール動物園のFragile Forestもパプアニューギニアの熱帯雨林をテーマに、その自然に浸るようにしながら、様々な動植物を見ることができる内容だが、自然保護の重要性を分かりやすく訴える展示となっている。

動物園が、展示を通して自然保護をメッセージ発信していることが分かってきた。

「動物園にできること」

川端裕人さんの「動物園にできること」(1999)を読んだのは、2009年の年末くらいだと思う。ランドスケープ・イマージョン、エンリッチメント、種の保存計画、野生復帰、園外の自然環境保護、教育、など、動物園先進国アメリカの事例が紹介されていて、動物園の果たす社会的役割が従来から大きく変ってきていることが良く分かった。

これをきっかけに、動物園の果たすべき役割と現状とのギャップについて考えるようになった。同時に動物園自体のマネジメント論、展示の方法論などについても考えるようになった。

現在

ホッキョクグマに入れ込んでいる。最初は、円山のイコロとキロルだった。次に、アドベンのミライが続いた。ホッキョクグマの子供がこれほど天真爛漫で好奇心旺盛だとは思わなかった。最近は「自分はバンビ・シンドロームかもしれない」と思うほど、ホッキョクグマが可愛くてしょうがない。おかげで妻から「だんだんホッキョクグマになってきた」とか「ホッキョクグマに浮気してる」と言われるが、褒め言葉だと思っている。いつかホッキョクグマと(死を覚悟で)遊びたいとも思っている。ベルリンで実際にホッキョクグマ展示舎のプールに飛び込んだ女性のようにはなりたくないが。

バンビ・シンドロームは、動物園革命(若生謙二,2010)p.68を参照

そこで、今は、日本だけでなく世界中の動物園で飼育・展示されているホッキョクグマの情報を集めたり、実際に訪問し眺め続けて、ホッキョクグマの良き理解者となれるよう努めている。過激な動物愛護や自然保護を訴えるつもりはないが、時々、劣悪な飼育環境や動物の幸せを軽視した人間のエゴを見ると、ついホッキョクグマに代わってコメントしたくなる。

ホッキョクグマと遊ぶのは、人目をはばかって極寒のシベリアあたりにしよう。



2011年1月11日 アジア逃避行