「お前の神様ってのは、何をくれるんだ?」
心底不思議に思っているような顔で問い掛けられて、サンジは首を傾げた。
「何って…」
「何かくれるから、信じてるんだろ?」
確かに、信仰するというのは、何らかの影響を受ける事を願う意味もあるのだけれど、だからと言って、本当に何かが手に入るとは、言い切れないような気がした。
「別に、これってことは……」
なんとも答え辛い質問に、言葉を濁せば、不思議そうな顔は、怪訝そうな顔に変わる。
「それなのに、信じてんのか?」
「必死に願えば、お金でもくれるかな。」
一体、何を考えて質問されているのかもわからず、そう答えれば、表情が歪んだ。
「何それ。胡散臭ぇ…」
神様を信じていないと言い切った人間は、こういう時、言い分に容赦がないな、と思う。
でもまぁ、その言い分は同感だ。
願えば何かをくれる神様なんて、胡散臭い以外の何ものでもない。
「ホントに、何にもくれないって思ってんのか?」
不思議そうに問い掛けられ、小さくため息をつく。
「ほっとするくらいかな。」
「なら、最初ッから、そう言えよ。」
そんならわかる。と、彼は言い、頷いた。
「……それでいいの?」
「お前にとっての信仰って何か、聞きたかっただけだからな。」
あっさりそう答えて、彼はその場を去ろうとする。
「お前は、神様信じてないんだろ?」
「……何かくれるものとしては、信じてないな。」
でも、墓参りもするし、神社に出掛けたりもする。
彼はそう言って、少し間を開けて答えをくれた。
「神様に祈ってる形でも、本当は、自分を確認してるだけだ。」
そこには、何もいなくてもいいんだ。
彼はそう言って、笑った。
web拍手に載ってたネタ。その前に、掲示板に書いてたネタ。
ゾロの神様のお話。
私は仏教徒だけど、こんな感じ。という話でもある。
神様にお願いしても、頑張るのは自分さ、ってことですな。