STORY


 古びたアパートの一室からじっと向かいの部屋を覗く探偵。初老の婦人の監視を依頼されてからすでに数カ月が過ぎようとしていた。しかし何も起こらない…。有り余る時間は徐々に探偵の神経をむしばみ憔悴させていく。そんなとき一人の若い女性がスコープの中に現れる。魅入られたように彼女の姿を追い求める探偵。しかし自ら失敗で自分の存在を相手に知られてしまう事に…。以来、閉められたカーテンは2度と開くことはなかった。それからどれ位経ったのか…探偵の元に依頼主から手紙が届く。「女を殺してほしい」現実と幻想の狭間で翻弄される探偵…気がつくと婦人のマンションに…しかしそこには意外な事実が!?


   



COMMENTS


 スタイリッシュな彼のデビュー作には豊かな才能を感じさせる。矢城は人間の心の中に潜む不安感を説明的ではなく暗示することに成功している。 (バラエティー誌)

 矢城のデビュー作はあらゆる意味でスマートな作品である。彼はこの映画で「存在とは知覚されること」という哲学的命題を新しい方法で定義している。 (トニーレインズ・評論家)

 この映画には的確な描写しかない。だから、すごく気持ち良い。誰もが忘れているものがここにある。 (長崎俊一・映画監督)

 大城英司の魅力である優しさ故に巻き込まれてしまう夢幻の世界。そしてどこまでも優しさを貫き通す姿がすごく素敵だ!! (佐藤B作・俳優)