古物商への道
最終更新日 平成13年9月01日

肌身離さず持ち歩いている古物商許可証(携帯義務があります)と古物商用名刺です。
本業用の名刺入れと兼用しているので、たまに間違えたりして、、、。笑

標識(プレート)です。本来は見やすいところに張り付けしておきます。
| 期間限定で古物商の新規申請及び変更などのための申請書類を一式まとめて 注意いただきたいのは、各都道府県によって若干の書式の差異がありますので、あくまで参考程度にとどめて下さい。この申請書を使ってなんらかの被害を被っても、私は一切の責任を負いません。とゆーか、さっさと警察署へ行きなさいっつーの。 |
古物商許可を取った動機
私が「古物商」の許可を取った第一の理由は、インターネットでのオークション取引が100件を突破し、転売するようになってしまうことが発生する可能性が高くなってしまったことです。
自分がもともと持っているものを販売するだけなら特に問題はない(純粋なフリーマーケットなどがこの場合にあてはまります)のですが、販売目的でオークションに入札するような場合は「古物営業法」に抵触する恐れがあると言うことは、以前からネット上でもなんどとなく話題に上がっていたからです。
「古物営業法」によれば、「古物とは、一度使用された物、もしくは使用されないで使用のために取り引きされた物」であり、売買するには古物商の許可が必要なわけです。ちなみに無許可で営業した場合の罰則は、懲役3年以下又は罰金100万円以下です。非常に厳しい罰則ですね。以前にブルセラショップが摘発されていたのも、この「古物営業法」の無許可営業が理由でした。
古物にはどんなものがあるのか。
古物商が取り扱う「古物」については、下記の13区分に定められています。
1.美術品類(書画、彫刻、工芸品)
2.衣類(和服類、洋服類、その他衣料品)
3.時計、宝飾品類(時計、眼鏡、宝石類、装身具類、貴金属類など)
4.自動車(部分品を含む)
5.自転車(部分品を含む)
6.写真機類(写真機、光学器など)
7.ミシン(部分品を含む)
8.事務機類(レジスター、タイプライター、計算機、謄写機、ワードプロセッサー、ファクシミリ装置、事務用電子計算機など)
9.機械工具類(電気類、工作機械、土木機械、科学機械、工具など)
10.道具類(家具、什器、運動用具、楽器、磁気記録媒体、蓄音機用レコード、磁気的方法または光学的方法により音、映像またはプログラムを記録したものなど)
11.皮革、ゴム製品類(カバン、靴など)
12.書籍
13.金券類
たとえば、買い取りも行う中古ファミコンショップならば道具類の古物商許可があればいいですし、中古車屋ならば自動車の古物商許可、古本屋なら書籍の許可があれば良い訳です。
金券ショップも、平成7年の古物営業法の改正により古物商の許可が必要になりました。
最初に古物商許可を取得する場合、6区分まで同時に取得できます。1年経てば他の区分も追加できますので、全区分の許可を取ることも可能です。ここだけの話ですが、実際には取得していない区分のものを扱っても少数ならば多めに見てもらえる場合が多いようです。携帯義務のある古物商許可証にも、区分までは書かれていません。(以前は区分が書かれていました)
いずれにしても、「主に取り扱う物」として1区分選択しなければなりません。選択した区分の鑑札(標識と呼んでいます)を備え付けしなければならないのですが、この標識には「主に取り扱う区分名」が入っています。衣類なら「衣類商」、自動車なら「自動車商」というふうになりますので、この標識を手にしたときにはじめて自分が古物商になった実感が湧きます。
古物商許可証自体は、安っぽいビニールカバーで出来ていて単に公安委員会の許可番号と印が押されているだけなので、全然ありがたみがないです、、。(とても大切な物には違いありませんが)
古物商許可をどうやって取るか。
「古物商許可の取り方」という内容の本が高い値段で出回っているようですが、そんなものを買う必要は全然ありません。
たった一言で済みます。
「警察署へ行ってください」
以上おわり。
、、、ということで終わっては身も蓋もないので、詳しく説明しましょう。
まず、警察署の生活安全課へ行きます。古物商の許可が欲しい旨を伝えますと、申請書やパンフレットなどを渡されますので、あとは必要な書類を揃えて申請書を出すだけです。不明な点は聞けば親切に教えてくれると思います。(担当者の個人差はあるようですが)
これから書くことは神奈川県F市の警察署での古物商申請ですので、他の場所とは多少違うかもしれません。
申請する時に必要なものとして
1.申請書(正・副)
2.経歴書(正・副)
3.住民票
4.身分証明書(本籍地の市区村長発行のもの)
5.登記されていないことの証明書(法務局発行の成年被後見人又は被保佐人に該当しない旨のもの)
6.誓約書
申請手数料19,000円
以上ですべてです。
上記の1.2.6については用紙を渡されますので記入押印すればOKですが、3と4は市役所へ取りに行きます。本籍地が遠地の人の場合は4の身分証明書を取るのがちょっと手間かもしれません。
5の「登記されていないことの証明書」ですが、これは早い話が破産者(禁治産者)ではない証明書のことです。最寄りの法務局で証明書申請用紙を入手し、「東京法務局」へ郵送(近い人は直接行ってもOK)して発行して貰います。この申請には500円登記印紙が必要で、80円切手を貼付した返送用封筒も同封しておきます。私の場合発送して3日後には証明書が届きました。
こうして、すべての書類を揃えてから古物商許可の申請をする訳ですが、一番の注意点は「申請書」の書き方です。
まず、「行商する」を選択しておきます。これを選んでおかないと所在地だけでしか営業できません。100%インターネットでしかやらないという場合は構わないでしょうが、フリーマーケットなどに参加したり、将来セリ市に参加したりする可能性もあるかもしれませんので、「行商する」を選んでおくほうがベターだと思います。お店は「無店舗」にしておきましょう。実地調査をされずにすみます。
それからお店の名前を良く考えて書きます。私の失敗談ですが、個人だから店の名前など必要ないだろうと考えて、空欄で申請したのですが、申請時に店名が必要だと言われ、その場ではどうしても名前が思いつかなくてあせりました。
いちおう神奈川県では古物商の許可が降りるのに6週間ということになっていますが、私の場合8週間かかりました。
申請後7週間を過ぎたので、とりあえず確認の連絡を入れたのですが、その時は「今大変混んでいるんですよ」との返事でした。
ところが、催促して数日たったら「許可が下りましたので身分証と印鑑を持って取りに来て下さい」との連絡がありました。
ちょっと怪しいです。あの時催促しなかったらもっと遅れていたかもしれません。「遅くなったら催促してみる」のが良いかもしれません。相手も人間ですから順番を優先的にまわしてくれるのかも。
さて、古物商を営む場合、取引を帳簿に記載する義務があります。(帳簿記載を怠ると一年以下の懲役もしくは罰金50万円以下)
以前は古物営業許可取得時に製本された帳簿を買わされたらしいですが、今ではパソコンの表計算などでの作成でも構わないという事で、担当者(結構美人)から帳簿の雛形を渡されて「エクセルででも作ってくださいね♪」と言われてしまいました。私はロータス123派なんですが、、、、。(笑)
古物商許可証も同時に配布されましたが、標識(約2000円)はその時に発注するので実際に手に入ったのは2週間後です。
以前に聞いていた防犯協会への入会も強制されることなく、無事に許可を得ることが出来たという訳です。
掛かった費用は総計2万2千円ちょっと。費用よりも警察や役所へ出向く暇を作るほうが大変でした。
他の方の古物商許可申請の話ですと、家まで実地調査に来た、とか自動車商の許可には駐車場の証明が必要だ、とかありましたが、私の場合は何もありませんでした。ちなみに申請した区分は時計・宝飾品類、自動車、写真機類、事務機類、道具類、書籍です。
結論ですが、古物商許可はあくまで「許可」であって「資格」ではありません。許可を取ったからといって、権利を保護される訳ではありませんし、すぐに商売を始められる世界でもありません。自動車取得税が免除になるとか、業販価格で買えるとかのおいしい話ばかりではなく、さまざまな義務が発生してきますし、その義務を怠った場合の罰則も大変厳しいものです。
それでも、審査はありますが無試験ですし、許可の取得自体は普通の人(犯罪者や破産者以外)であれば簡単だと思いますので、本業にするしないは別として、サイドビジネスでもやってみようかな、という人は今のうちに取っておいても良いのではないでしょうか。
古物商に関わる各種用語説明
どんな業種でもそうですが、独特の用語があります。まったく聞き慣れない単語や、普段使っている意味とは違う意味で使われる言葉などもあり、私が今まで遭遇して「?」と感じた用語を、私なりに説明したいと思います。当然のように地方によっては異なる場合があることもご了承ください。
なお、同じ古物商でもまったく異なる業界用語が多く存在する分野もありますが、とりあえず骨董関係のものを集めてみました。
市:競り市のこと。各組合や団体組織などで定期的に行われている。参加するには当然古物商の許可が必要。手数料を取られる場合が多い。厳しいプロ同士の戦いの場でもある。
ハタ師(果師):市での売り買いのみで商売する人のこと。ある市で業者から仕入れ、別の市で出品したりして差額を儲けるという大変シビアな商売です。「一割商売」と呼ばれるほど。プロ中のプロという感じでしょうか。
客師:いわゆるブローカーのことです。ハタ師と似ていますが、違う点は市で売るのではなく、直接業者や一般の人に転売して利益を得るという点です。自分で仕入れせずに、売る人に買いたい人を紹介(口利き)して手数料を取るという場合もあります。
刃口(はぐち):物の場合は種類や特性を示し、人の場合は、好みや得意分野などの意味を表します。使用例として「あのOOO屋の刃口は古伊万里だね」
テコ入れ:市などでサクラなどを使って自分が出品した品の値段を吊り上げること。
テコ折れ:テコ入れしたが、誰も買わずに結局サクラが落札してしまった場合のこと。通称「自爆」
買い縛り:市に参加する場合にトータルで最低買わなければならない額が決められていること。最低限の額を買わなかった場合は罰則金を取られる。
いけません:偽物の丁寧な表現。目利きの人に「これはいけませんねえ、、、、。」と言われたら、偽物の骨董だということです。
ニュウ(ニュー):焼き物などに入ったヒビのこと。窯内の温度収縮によって出来た細かいものは「あま手」と呼びます。
ホツ:皿などで縁が欠けている部分のこと。小さいものはコホツと言います。
上手:「じょうず」とは読みません。「じょうて」と読みます。上質なもの、という意味です。
下手:「へた」とは読みません。「げて」と読みます。駄作、量産品、の意味です。下手物(ゲテモノ)とはここから発生した言葉でしょうか。