そして彼女はゆっくりとスカートをおろしてゆく。
上半身を包んでいた雨に濡れた服は、すでに足元にころがっている。清潔感あふれる純白のブラジャーのみが上半身を覆っていた。
その胸の膨らみは、どれだけのカロリーをつぎ込めばここまでたわわに実るのかと思えるほど大きい。尻の二つの膨らみよりも胸の片方の膨らみのほうが大きいのは明らかだ。
所在なげに左腕が前に出されているが、手のひらと乳房の大きさの比率がテニスボールとサッカーボール並みに見える。
……自己申告より、20センチは確実に大きい。
普段は衣服の下に隠れてあまり見えない部分。わきの下のかすかなくぼみが照明を受け、密度の低い影を落としているのが見える。
――ひざの少し上のあたりまで、スカートの上端がおろされた。下着の色は、ブラジャーと同じく純白。光沢をたたえた目が上目遣いに見上げてくる。
たたきつけるように降る雨の音が外から轟々と響いてくる。
彼女はやや前かがみになった体勢。呼吸のたびに、胸に対するブラジャーの食い込みがキツくなるのが見れる。視線が胸につっかえて、腰のくびれがなかなか視認できない。
スカートがぱさりと床に落ちる。ぴったり身体に合った感じのソックス越しに、ひざへと足首へとのびてゆく脚のラインが分かった。
その足首でこの上半身を支えられるのかというほどに細い足首。下着はブラジャーと同じく純白。
下着姿でもじもじと身体を動かし、所在なげに胸の前で手をいじりあわせながら、上目遣いにこちらを見て、口を開いた。
「 」
が、雨音で聞き取れない
それを察したのか、彼女は普段の半分の歩幅で3歩こちらへ歩み寄り、まっすぐに見上げて、いった。頬は赤。
「痛いのは……我慢できます。寂しいのは…………、駄目です。……えっと、その……抱きしめて、くだ……さい」
不安そうな表情の彼女を、正面から抱きしめる。強く、強く。
こちらの背に力いっぱい回された彼女の手から、楕円に変形してこちらの胸板に押しつけられる乳房から、彼女の体温と暖かさが伝わってくる。
「暖かい……です」
薄桃色のくちびるが言の葉をつむぐ。彼女の表情は、額をこちらの胸に押し付けているためよくわからない。
実際は、目の端に涙を溜め、安心しきった笑みを浮かべているのだが。よく見えない。
長い耳の先端を、つまはじく。振幅数センチの幅で揺れ動いた。
「!」
ハッとした顔で彼女が顔を上げた。彼女の顎をつまみ、顔を固定してからゆっくりした動きで彼女の耳の上側を甘く噛んだ。歯形が残るかどうかという強さ。
ハーモニカを吹くかのごとく、彼女の長い耳に沿って口を左右に動かしながら、甘噛じりを不規則に続けてゆく。独特の硬さが歯に伝わってくる。
猫ならばのどを鳴らすだろう至福の表情で、彼女はその行為を受け入れた。
耳を噛む行為を続けながら、手を伸ばした。彼女の胸へ。手が胸に触れた瞬間、彼女の背筋が細かく震えたが、震えただけだ。抵抗はない。
ゆっくりと、ブラジャーの生地と胸の脂肪の間に手のひらを差しいれる。
胸の肉圧に、手のひらが押し返されてくる。しかし、ブラジャーが手のひらの後退を許さない。彼女の呼吸のたびに、深く強く手が胸に埋め込まれる。
ブラジャーに差し入れた手の体積のぶんだけ、ブラジャーのへりを乗り越えている胸の容量がいびつに増えている。
五指を拡げ、揉み解す。手の動きにあわせていくらでも変形した。指と指の間から丸みが溢れでる。
手のひらに伝わってくるのは無制限の柔らかさ。次第に弾力が増してきた。耳を噛む動作もそれに平行して続けてゆく。
口には独特の歯ごたえ、手には無制限の柔らかさ。胸板に押し付けられた彼女の胸の、感触が違う部分、二箇所が隆起してきたのがわかった。
「ハァ……ファ…………ハァ……ン……ゥン」
雨音とは別に、湿った声が響き始める。彼女の吐く息が、こちらの首の裏筋に当たっては散ってゆく。肌が汗ばんできた。お互いに。
空気が、わずかに湿りけを増してきたように感じられる。
小さく開閉するくちびるを横目で見る。薄桃色――くちびるの色と乳首の色が同じと言ったのは誰だったか?
「……」
利き腕で彼女の手首を握り締め(余裕を持って指が一周した)、自分の胸に押し当てさせた。
めり込むほどに深く。押し付けられた部分を中心に凹む脂肪の固まり。ビクリと震える彼女の身体。
手首を握った手を動かし、彼女自身の手で彼女自身の胸を愛撫させる。巨大な胸に比して、あまりにも細い彼女の手首が自分の膨らみをこねる。
彼女の意思にかかわらず、こちらの誘導にあわせて胸をこねまわす彼女の腕。しかし、いつしかその手のひらは、自分の意思で敏感な部分をいじり回すようになっていた。
敏感な部分に爪をあてがい、爪先を研ぐように擦りつけている。呼吸の感覚が次第に狭くなってきた。呼吸が次第に熱くなってきた。
汗を肌に擦りこむように、丹念に指を動かし続ける。
背中に手を回し、ホックを外した。
「ア……」
指への小気味いい感触と一緒にホックが外れ、背中に回っていたブラジャーのヒモがだらりと垂れ下がる。
張っていたブラジャーにゆとりが生じ、身体をすこし動かすと密着している乳房と胸板の間でブラジャーの布地が擦れてゆく。布地の感触が肌に心地いい。
彼女の身体を肩ヒモがずれてゆく。
抱擁を解き、彼女と一歩距離をおいた。くずれていたブラジャーが床へ落ちる。
反射的にあらわになった部分を手で隠すが、彼女の意思とは反対に、小さい手は乳房の大きさを強調してしまう。
雨音。
しばらくの間をはさみ、ゆっくりと、胸に当てられていた手が、ひらかれる。
……くちびるの色だった。
距離がひらき、正面からこちらの顔を見ることのできない彼女へ普段の半分の歩幅でゆっくりと近づき、壊れ物を扱う優しさで窓のほうに押し倒した。
ベッドは、そこにあった。