シトロン・ジ・ハーヴェスト

 

――山手線封鎖の最終日、オレは従兄(ナオヤ)の真意を知りながらも、幼馴染み・谷川 柚子(ユズ)の事を思って魔王になる事を放棄し、外への逃亡を決めた。
封鎖内で出会った数々の人物の死を目にしつつも、ユズの笑顔を見る事だけを考えた。しかし、現実はそんな甘いものではなった……――

 山手線封鎖から脱出して数日後、オレとユズは乗り捨てられてワゴンを家代わりにして生活していた。
免許を持っていたのも幸いし、逃げるにも身を隠すにも適していた物を拾い、オレは内心喜んでいたが、肝心のユズはそうでもなかった。
ユズにとって見れば「外に出る=悪魔から襲われない」の図式で動いていた為、脱出した事で恐怖から解放されると誰よりも信じていた。
しかし、実際は全く別で、山手線の中も外も結局同じ、無数の悪魔が跳梁(ちょうりょう)跋扈(ばっこ)していたのた。

――「お前が魔王になれば、封鎖は解かれ、人間達は救われる…」――

 ナオヤの言葉が、今でも胸に突き刺さった。
けど、それよりもっと胸に深いモノを作ったのは、現実に落胆したユズの顔だった……。  
現在、とにかく東京を出る事だけを考えていた。
どこに居ようが悪魔に襲われる事は分かっているが、それでも忌まわしい過去が存在する場所には1分1秒も居たくないと言う、幼い衝動に駆られての事だった。
 
 それはユズも同じらしく、オレの行動に関し何も言わなかった。
 これだけ言っておく、オレは自分の選択に後悔していない。  
 例え平和になったとしても、ユズの居ない生活だけは避けたかった。  

だから、こんな状況下であっても、オレは別段落胆はしていない。  
だけど、ユズは別だった……。

「……ちょっと停まって」  
「うん」  
車の運転中ユズがそう言ったので、オレはすぐに車を停めた。  
その途端、ユズは窓から顔だけを出して周囲を確認後、  
「ちょっと待ってて」 急いで車から出て行った。  
その後ろ姿を見て、オレは常にこう思った。  
(不安のせいなのか?……)  
山手線封鎖から合わせて10日以上が経った今日、ユズの体に1つの変化が起こった。  
それは少しずつなのだが、体全体に脂肪が付き始めた事だ。  
旧からユズはカロリーの高いお菓子を好む傾向だったが、あの封鎖以来不安を忘れたい為か、確実に食べる量が増えていた。  
そして、現在の状況下で不安は限界に達し、食べる事で恐怖をごまかそうとするようになった。  
結果、ユズはコンビニ等を発見すると、車に積める限りお菓子を積め込み、眠る時以外はひたすら食べるようになってしまった。  
オレはどう言葉を掛けたら良いか分からず、今はユズが落ち着くまで彼女の好きなようにさせた。  
投げっぱなしにも思えるが、こればかりは本人がどうにかするしかないモノだと知っていたからだった。  
「お待たせ」  
数分後、ユズはややぎこちない笑顔で戻ると、大量のお菓子を後ろのトランクにどんどんと積めた。  
積み始めて更に数分後、ユズはトランクの容量限界までお菓子を積むと、急いで後部座席に座った。  
バックミラーにユズの顔が映ったのを確認すると、オレはすぐにワゴンを発車させた。  
そして、オレが発車させたと同時に、ユズは先程入手したお菓子にパク付くのだった。  
(本当……よく食べるようになったな)  
バックミラーでオレは後ろのユズを見ていると、  
「……そ、そんな見ないでよ。……食べにくいんだけど……」  
自分でもはしたない事を理解しているからか、ユズは羞恥心から顔を赤らめた。  
「あ、ごめん。後ろに悪魔が居ないかの確認でもと……」  
「そう、なら良いけど……」  
オレは適当な言葉でごまかすと、ユズはこれ以上言う気がない為か、再びお菓子にパク付いたので、オレは急いで車を走らせた。

山手線封鎖から20日以上が経った日、オレとユズは東京から出る事が出来た。  
しかし何度も言おう、東京に出たとしても現状に変化はなかった、悪魔はどこにでも居ると言う現状には。  
あえて変化があった事を言うのならば……。  

「ユズ。千葉に着いたから、少し車から出よう」  
オレはそう言うと、運転席から離れ、体を伸ばした。  
その十数秒後、  
「……本当だ、東京タワーが小さく見える……」
ワゴンの後部座席のドアが開き、ユズが姿を現した……のだが、オレはその姿を見て、ポーカーフェイスを装(よそお)うのに苦労した。
ユズの今の姿は、封鎖以前比べ物にならない程肥えていたからだ。
豊満だった胸は2〜3倍近く大きくなり、キャミや下着のチューブトップを何時決壊させるか分からない程に育っていた。
お尻の方も随分と育ち、紺色のミニスカートからお尻所かパンティまで裾から見える事が普通になっていた。
だが、何よりオレを驚かせたのは、腰回り……いや、お腹だった。
以前のユズの6倍近くまで太くなり、突き出たお腹はキャミに収まる事なくせり上げ、胸がお腹に乗っていた。
どうにかポーカーフェイスを装ったままユズを見ていたのだが、
「……やっぱり、太っちゃったよね……」
「えっ……!?」
ユズはそう言うや否や、顔をオレの方から背けたので、オレは驚きながらも、急いでユズの方に体を向けた。
すると、 「嫌っ!?。こんな私を見ないでっ!?」 ユズは大声を上げ、車の方に逃げるように走ったので、オレはすぐにユズの後を追った。
数秒も経たない内、オレはユズの腕を掴む事に成功した。  
その途端、  
「嫌っ!?。放してよっ!?」  
ユズは体中の肉を揺らし、オレから逃げようともがいた。  
「落ち着くんだユズ!」  
パニックになるユズに、オレは一喝するように言うも、  
「嫌、放してっ!?。お願いよっ!?」  
ユズは尚もパニックのままだった。  
(仕方ないっ!……)  
一向に落ち着かないユズに業を煮やしたオレは、思い切ってユズにある事をした。  
その為、まずオレは出来る限りユズの顔に自分の顔を近付けた。  
「だから……放して……!?」  
次第に泣きじゃくる声になるユズだったが、オレはあえてそれを無視した。  
そして、オレとユズの顔の距離が20センチぐらいになった瞬間、  
「ユズっ……!!」  
オレは彼女の名を呼んだ瞬間、自身のくちびるをユズのくちびるにかさねたのだった。  
「……えっ……!?」  
まさかのオレの行動に、ユズは呆然とし、その動きを止めた。  
「落ち着いたか?」  
「……うん」  
オレの言葉に、ユズは顔を赤らめつつ応えた。  
「一体どうしたんだ?。急にパニックになって?……」  
オレの質問に、ユズは顔をうつむかせながらこう答えた。  
「私のせいで……世界はメチャクチャになった。それなのに私……それを忘れようと食べる事に逃げて……挙句に……こんな太っちゃって……」  
その直後、オレはもう1度ユズにキスをした。  
「ンッ!……ンッン……」  
2回目のキスにユズは驚きつつも、今度は自分から強く求めてきた。  
久遠にして刹那の時間、どちらでもなく、重ねていたくちびるが離れた。  
顔を紅潮させるユズを見て、オレは思い切ってこう言った。  
「ユズ……オレにとって、お前が全てなんだ」  
「えっ!?……ちょ、ちょっと……ンンッ!?……」  
おれの突然の告白にユズが驚き何か言おうとしたので、今度は黙らせる為に3度目のキスをした。  
オレは早めにくちびるを離すと、  
「ユズ、これだけは言っておく、オレは自分の選択に後悔していない。オレにとって、世界よりもユズの方が大事なんだ」  
ユズに対し、恥ずかしいセリフを臆面もなく伝えるのだった。  
「あの時、ユズを救いたいと本気で思った。だからオレはユズの願いを聞いて、あの封鎖から命がけで脱出したんだ。その為に払った代償は確かに多過ぎたかもしれない。けど、だからこそ、オレは自分の選択に後悔はしていない!。だからユズ……泣かないでくれ」  
「――っ!!」  
オレの告白を聞き終えるや、感極まってか、今度はユズの方からオレにキスしてきた。  
再び訪れる、久遠にして刹那の時間。  
「……唐突過ぎるよ」  
ユズはくちびるを離すと同時に、嬉しさからの涙を流しつつそう言った。  
当然のユズの発言に、  
「ああ言う状況になったからこそ、ユズの大切さに気付く事が出来たんだ。不真面目かもしれないけど、ケガの功名ってヤツか?」  
オレは今更ながら顔を赤らめて応えた。  
「バカ……」  
オレの言葉を聞き、ユズは顔も顔を赤らめつつも、今度はオレの頬にキスをしてくれた。  
そして、  
「君の言葉を聞いて、今まで悩んでいたのがバカだったみたい。これからは、忘れる為に食べるのを止めなきゃ」  
ユズは明るい調子で言うや、久々に笑顔を見せた。  
「それじゃぁまず……食事の量を抑えないと……」  
その直後、ユズは豊満に超えた自分の体をまじまじと見つつ、やや困った風に言った時、  
「ユズ、聞いてほしい事があるんだ」  
オレは真剣な調子で声を上げた。  
「えっ?。聞いてほしい事……って!?」  
オレの言葉にユズは疑問符を浮かべながら、オレの方に体を向けたので、オレは思わずユズを抱き締めた。  
そして、オレはとんでもない事を口にした。  
「……ダイエットはしないでくれ」  
「えっ……?」  
オレの言葉に、やはりと言うか再び疑問符を上げるユズ。  
しかし、オレは畳みかけるよう更に言葉を続けた。  
「こんな事を言うオレは多分、変態かもしれない。けどユズ、お前がどんどんと豊満になってゆく様子を見て、オレはさらにユズの事が好きになっていったんだ。だから……ダイエットはしないで、もっと豊満になってほしいんだ」  
「ほんと……変態なんだから……」  
オレの言葉を聞き、ユズは困った顔をしてそう言った……だが、  
「……安心したら、本当お腹が空いちゃった。お菓子……探しに行こう」  
ユズは笑顔を浮かべそう言ったので、  
「分かった。じゃぁ、すぐ車に乗ってくれっ!」  
オレも(多分笑顔で)同じ調子で言うや、車に乗り込むのだった。

山手線封鎖から数ヶ月後、オレとユズは安住の地を見つける事が出来た。  
そこは友好的な悪魔が数多く存在する自然に満ちた農村で、オレとユズは彼等に対し「農村を凶暴な悪魔から守る」のを条件に、彼等と一緒に暮らす事にした。  
大変だと思った護衛の仕事は、思いのほか楽だった。  
凶暴と言ってもオレと仲魔から見れば、大体が弱小に等しかったからだ。  
たまに強い悪魔が来たとしても、オレの正体(=魔王 ア・ベル)に気付き勝手に逃げる方が多く、最近では強い悪魔が来る事を望むようになっていた。  
さて、ユズの方はと言うと……。  
「ふう……ただいま」  
護衛の仕事を終え、オレはユズの待つ自宅に戻った。  
すると、  
「あ、お帰りなさい」  
オレの声を聞いて、ユズは声を掛けてくれたのだが、ユズは出迎えには来てくれなかった。  
しかし、オレはもう慣れてたので、急いで着替えると、ユズの居る部屋に足早に向かった。  
「ユズ、帰ったよ」  
オレは言うと同時に、部屋のドアを開けると、甘い匂いが嗅覚を刺激してきた。  
まず目に入ったのは、山のようにあるお菓子。 そして、封鎖の時と比べ、信じられない程肥えたユズが居た。
胸は片方だけで彼女自身の顔2〜3個分に相当する大きさになっていた。
お尻から太もものラインもとんでもなく肉が付き、その太さは圧巻の一言に尽きた。
そして、何よりオレを興奮させたのは、やはりお腹だ。
パンパンに肉が付いたそのお腹はとにかく大きく、突き出た部分には人2〜3人ぐらい座れるのではないかと思える程だった。
又、どう言う訳か身長自体も大きくなり、立っているオレより、座っているユズの方が一回り以上大きかった(つまり、ユズが立てばオレの2倍以上の身長があると言う事になる)。  
「ちょっと、入るならノックぐらいしてよ!」  
ユズは恥ずかしさからか、急いで近くにあるバスタオルで胸を隠した
(当然だが、肉塊とも言える体となったユズに合う服などなく、今のユズは基本生まれたままの姿で生活している)。  
だが、すでにバランスボールまであろう巨大な胸では、片方の胸ぐらいしか隠す事が出来なかったのは言うまでもない。  
「ノックしても、一人じゃ動けないだろう?」  
オレはわざと意地悪そうに言うと、  
「し、仕方ないじゃないっ!!。君が……太ってって……言ったんだから……」  
ユズは怒りつつも、嬉しさ半分恥ずかしさ半分に顔を赤らめ、オレに原因をなすり付けた。  
「分かってるよ、ユズ」  
ユズのその言葉を聞いたオレは、笑顔でそう言うと、すぐにキスをした。  
「んっ……」  
「ンンッ!……ンッン!……」  
オレのキスに、ユズは強くくちびるを押し付けてきた。  
それと同時にオレは服を脱ぎ、ユズの柔らかい体に自分の体を押し付けた。  
するとどうだろう、オレの体はまるでスポンジに吸われる水のようにユズの体に吸い込まれた。  
体の半分以上がユズの体に収まり、オレはその感触を文字通り体で味わっていた。  
すると、不意にユズはくちびるを離し、恍惚とした目をしながらこう言った。  
「お願い……私のミルク……吸ってぇ……」  
その言葉を聞いた瞬間、オレはためらう事なくユズの胸にしゃぶり付いた。  
ユズの乳首を口にくわえた瞬間、オレの口に途轍もない甘味が一杯に広がった。  
そして、  
「……ゴホッゴホッ!?」  
母乳はオレの口の許容量を簡単に超えた為、オレはむせてしまった。  
(日に日に分泌量が増えている……!)  
毎日のように吸っているからこそ分かる、ユズの母乳の分泌量は日を追うごとに増している事を。  
驚くオレだったが、  
「――、もっと……もっと吸ってぇ……」  
ユズは容赦なく、胸をオレに押し付けてきたので、オレは吸う代わりにひたすら揉みまくった。  

プピュゥゥゥゥゥッ!……プピュゥゥゥゥゥッ!……  

「ひゃうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅんっ!!」  
数秒もしない内、母乳は音を立てあふれ出し、それに合わせユズの歓喜の声を上げた。  
次にオレは、揉んでいない方の胸をユズの口にあてがい、その状態で勢い良く揉んだ。  
すると、  
「んぐっ……んぐっ……」 母乳はユズの口に進入、ユズも自分の母乳を漏らす事なく飲み始めたのだ。  
そのスキを狙い、オレは自身のモノをユズのおへそに押し付けた。  
「んぐふっ!?。ちょ、ちょっと……!?」  
突然の不意打ちに、ユズは思わず母乳を飲むのを止めた。  
だが、オレは攻めるの止めなかった。  
柔らかいユズのお腹にあるおへそに、オレは容赦なくそれを突きさした。  
「ま……又、おへそでイッちゃう……!!」  
オレの攻めに、ユズは心地よい脱力感に満ちた声を漏らした。  
そして、十数秒後  
「ユズ!……オレっ!!……」  
「分かってる……だから……私も……!!」  
「ユズ!!……」  
「くひゃぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!!……」  
オレはユズのおへそに本能のままぶちまけ、ユズも又本能のままに声を上げた。  
それからオレとユズは、どちらともなく静かに眠りに就くのだった。  

ユズの体に包まれて寝る事数時間、オレはふと眼を覚ましたら、  
「……あ、起きた?」  
牛乳パックを右手、チョコケーキを左手にするユズが目に映った。  
「夜食?」  
「そんな所。ちょっと食べる?」  
「平気だよ」  
ユズの問い掛けにオレはそう答えると、ユズを注視してみた。  
健康を通り越した、圧倒的な脂肪に包まれた体。  
顔にはちゃんとユズだと分かる面影が残っているものの、顔自体もパンパンに肉が付き、首にはマフラーのように脂肪がたわんでいた。  
「ユズ……ごめんな」  
オレは不意に、ユズにそう言っていた。  
「ちょっと、どうしたの急に?」  
オレの突然の謝罪に驚き、食べるのを中断するユズ。  
「オレにほれなきゃ……以前のスタイルのままだったんだろうなと思ったら……つい……」  
オレが謝罪した理由を簡素に告げると、  
「バカ……」  
ユズは少し困った顔で言い、腕を自身のお腹にそえ、オレをより深くお腹の中に包みこんだ。  
そして、オレの顔を見ながら、笑顔でこう言った。  
「君は言ったでしょう、『自分の選択に後悔していない』って。それは私も同じ、君を好きになった事に後悔していない。だから、私はずっと君に好きでいてほしいから、もっと太ろうと思う。だから、気にしないで」  
「……ありがとう」  
ユズの嘘偽りのない言葉を聞き、オレは安堵し、思わず顔をユズのお腹に押し付けた。  
きめ細かい肌に、これ以上ともない極上の柔らかさを備えたそれに、オレは穏やかな気持ちになっていった。  
「……ユズ」  
「どうしたの?」  
「オレ、ユズの事好きになって良かったと思う」  
「……私も同じよ」  
オレとユズは互いの想いを再確認し合うと、オレは再びユズのお腹の中に眠り、ユズは眠気に襲われるまでの間、ひたすら夜食を食べ続けるのだった。