アッシュさんの乳なPSO小説その2です。

ミルの災難〜デ・ロル・レの膨乳遊戯〜

 惑星ラグオル…全てはここから始まった…。

母なる大地の衰えにより人類の大移民計画「パイオニア計画」が発案され、無人探査機により発見された新たな惑星…ラグオル。

その移民計画の第1移民船パイオニア1がラグオルに到達した。惑星の安全を確認した移民団は生活の拠点となるセントラルドームを建設、そして新たな人類の生活が始まった。

それから7年後…第2の移民船パイオニア2がラグオルに到達した。しかし事件はその時起こった…。

 パイオニア2がラグオルとの交信を試みたその時、突如ドーム近くで大爆発が起きた。いったい何が起きたのだ?

ドームは、人々は大丈夫なのか?様々な憶測が飛び交う中、上層部は優秀な人材の派遣…つまり傭兵を送り込むことで事態の確認を行うことを決定した。

多くのハンターたちがラグオルに行くための転送装置から姿を消した。

そしてハンターの半数近い者達が戻ってくることなく、その報告内容における現状の酷さは上層部の更なる不安を煽るばかりであった。

そしてまた…上層部の命により、1人のハンターが総督室に呼び出された。

 「ミル=ハーニル、よくきてくれた…評議会による有人調査、君の耳にももう聞き及んでいることと思う。

幾人ものハンターたちがすでにラグオルに向けて旅立っていった。

優秀なフォースである君にも、新たな調査隊としてラグオルに向かってほしい…我々には…時間がない、よろしく頼む。私からは以上だ。」

 厳かに移民船団総督タイレルの口からそう告げられたミル。外見は少女のような風体だが、フォースと呼ばれる彼女は、強力なテクニックの使い手として評価の高い人物であった。

ただ、正直なところ非力であることは否めないため、総合的に能力の高いハンターやレンジャーに先に任命が回ったのだ。

だがついに彼女のようなフォースたちにもこういった指令が下るようになった。・・・ということは、それだけ事態が切迫してきている証であった。

 「ふう〜、総督ったら話長いんだもーん、とりあえずミルはラグオルに行けばいいのよね?初めてだなあ、新しい星かあ…おもしろいことがいっぱいなんだろうなあ…。」

 などと探索準備しながらぶつぶつと喋るミル、外見だけでなく精神的にも少々幼い部分が残っている故か、あまり緊張感などなく、むしろ遠足気分で準備をすすめている。

彼女はこれから自分が向かう場所がどれだけ恐ろしいところなのか全く理解していなかった…。

 そう準備をすすめているミルの傍で、ラグオル側から開かれた簡易テレポーターのゲートが開くのが見えた。

 「あ・・・」

 ちょこちょことそれに近付くミル、しばらくするとゲートから一人の傷だらけのレンジャーが上がってきた。

 「おじちゃん、大丈夫?」

 ぼろぼろのレンジャーはミルにそう呼びかけられたが返事がなかった。もはや立っているのがやっとといった感じで、ゲートを出るなりその場に倒れてしまった。

 「きゃ!おじちゃん!大丈夫!?まってね、今お医者さん連れてくるから…。」

 とその場を離れようとしたその時、レンジャーがミルの手をつかんで引き止めた。

 「え…?」

 「まってくれ…おれはまだ大丈夫だ…それより早く仲間を助けてやってくれ!洞窟の中で途中ではぐれちまって…おれじゃ助けられねえ…頼む!そのゲートは3階層まで繋がってる。行ってやってくれないか?」

 ぎゅっ、とミルの手を握り締め、懇願するレンジャー、ミルは事態が飲み込めず反応に困るばかりであった。

 「え?え?ちょっと…ミルは…」

 「頼む!仲間も嬢ちゃんと同じフォースなんだ。今ごろどこぞの通路で助けを待ってるに違いないんだ。」

 「う……う…うん。」

 レンジャーの必死の迫力に気圧されて、ミルは返事をしてしまった。それからすばやく準備を終え、傷ついたレンジャーを別の人にお願いしたミルは、ゲートに潜り込んだ。

 シュウウウンン

 ゲートを出た先は洞窟の最下層、見たことも聞いたこともない謎の世界が広がっていた。洞窟だというのにそこは異様に明るく、それでいて不気味な静かさがあった。

そしてそこかしこに戦闘の痕らしき血痕や体液が付着した道程が見て取れた…。

 「・・・・・・いやあ・・・気色悪いよう…」

 到着早々嫌なもの見た、そんな感じだった。星の美しさに抱いていた幻想が現実とのギャップで一気に砕け散った。一瞬にして遠足気分が吹き飛んだ。

もっとも先ほどのレンジャーからの願い出の時点ですでにそれは砕かれていたが…気持ちを変えて、ミルはあまりの異様な光景にも見切りをつけ、テクテクと歩み始めた。

すでにかなりの戦闘が行われた後らしく、存在が報告、確認されているモンスターはほとんど襲ってこなかった。見た限りでは・・・だが。

 しばらくコンテナを壊しながら進んでいたミルの耳に、戦闘らしき物音が聞こえてきた。もしや件の仲間かと思ったミルは、急いで声の方に向かって走っていた。

そして数部屋を廻ったところで、音の正体がはっきりしてきた。少し先の空洞で女性の声でテクニックを使っている声が聞こえる、そして…人外なる者の声も…。

少し恐怖もあったが、迷うことなく走って現場に向かった。そして細長い通路を出た先で、現場にたどり着いた。

綺麗な女性が1人、自分を囲む化け物2匹を相手に、先ほど同様テクニックと非力ながらもケインを振り回して化け物と対峙している。

だが、ミルの登場に気がついた化け物の1匹が、こちらに向かって歩を向けた。

 「きゃあ!?こっちきた!?」

 言葉とは裏腹にミルはすぐさま臨戦体制を整え、化け物と戦う意志を見せた。そして、ある程度近付いたのを見計らって…

 「いっけええ!!ラフォイエ!!」

 構えを取ってテクニックの射程に入った化け物に対し、体全体で力を外に向けて放つ!巨大な爆発が化け物の周囲で起き、その爆風で女性の方のもう1匹も同時に力尽きて倒れたのが見えた。

ミルの前にいた化け物も、気がつけばその場で生き絶えていた。高熱で焼けた化け物の肉が焦げた腐臭を放っている。

 「あっけな〜い、でもいいや。倒せたんだし。」

 小さい体に似合わず、膨大な精神力を備えている。それがミルの強さでもあった。そして向こうから、先ほどの女性が話のできる距離まで近付いてきていた。

 「ありがとう…たすかりましたわ。仲間とはぐれて困っていたんです。」

 「もしかしてレンジャーさんの仲間?」

 レンジャーのいっていたフォースということを思い出して、ミルは尋ねた。

 「ええ…?ご存知なんですか?」

 「うん、街でお願いされたの、はぐれた仲間を助けてほしいって。でもその人ぼろぼろですぐ運ばれちゃったから・・・」

 女性の表情が曇る。ミルの話に少し不安がこみ上げて、仲間の安否が気になっていたからだ。

 「じゃ今から戻る?」

 ミルはあっさりとその一言をきりだしたが、女性は首を振って応えた。

 「テレパイプがもうないの、あの人が使っていたから…」

 「え!?じゃあ・・・街に…もどれな…い?」

 ミルにも少し焦りの表情が見えた。てっきり探して連れ帰ればいいと思っていたから…。

たしかに彼女がテレパイプを持っているのであればその時点でパイオニア2に帰ってきているのだから・・・、そう考えると自分の準備の悪さにも同時に苦い思いを感じざるを得ないミルだった。

 「・・・・・・ごめんなさい、でも一番奥にまでいければきっとパイオニア2に戻るゲートがあるはずよ。」

 「え・・・?そうなの?」

 「ええ、この間探索した森も最後に現れた大きなドラゴンを倒したら出口が現れたの、だからこの洞窟だって何かしらの出口があるはずだわ。」

 「そうなんだ〜、なあ〜んだ、よかった。じゃ、一緒にいこうよ。あたしミルっていうんだ、よろしくねお姉ちゃん。」

 あっさりと気を持ち直したミル。女性の方もにっこりと笑って言った。

 「じゃ、あらためてはじめましてね、私はエルファ、フォマールよ。お互い頑張りましょうね。」

 そして2人は出口を求め洞窟最下層に向けて歩き始めた・・・。

 暗くじめじめした洞窟を行く2人、だが実際戦闘というものはほとんどなかった。

何故かアルタードビーストたちの多くはその死体が主で、途中僅かに奇妙な生物プフィスライムが、1匹襲ってきた程度だった。あまりにもあっけない、そんな印象をミルは受けていた。

結局ほかのハンターたちとも会うこともなく最深部であるゲートまですんなりと到着した。

 「え〜〜?もうおわりぃ〜?」

 「運が良かったのよ、ミルちゃん。さ、早く原因を突き止めて帰りましょう。この先何が待ち受けているかわからないわ、気を引き締めてね。」

 諭すように優しくいうエルファ。ミルもまともな戦闘がなかった分、ゲートのテレポート先に別の意味で期待があった。

初めて出会う、未曾有の出来事に直面する手前である。まだ精神的にも若く挑戦的なミルには、これ以上の楽しみはない。

逆にエルファは仲間の事もあって慎重だった。ミルの元気には感化されるものがあるが、事の元凶と対峙する…力のないフォースであることを自覚しているだけに、恐怖が募る…。

やや気持ちだけ鼓舞しようとしても、体は恐れが強く言うことを聞かない、気休めだがシフタとデバンドを2人にかけて、ゲートの上に足を進めた。

ミルは待ってました、といわんばかりに威勢良くゲートに立ち、そして2人は事件の真相の元へ己を転送した。

 赤い光の奔流が2人を運ぶ、最も危険な場所に向かって…。ほどなくして2人は自分の降り立った転送先の位置を確認した。巨大な管状の空洞とそこに流れる水の凄まじいの音、最初に知覚できる内容はそれだった。次に自分達がその濁流の上のいかだ、もしくは浮き島のような感じのパイオニア1の探索兼開発用の水上船にいることを認識した。それ以外はただ前も奥もなく、延々と続く水の回廊がより不気味さを演出していた。

 ミルはきょろきょろと前後左右を見比べ、エルファは警戒しながら周囲に気を配っていた。小さな異変も逃さない、そんな心境で見つめている。ただ、2人はあきらかに何かがある、という直感だけはしていた。不気味で巨大な気配が2人の周囲を囲んでいる。それは確実だった。正体のわからない恐怖ほど、精神的に苦痛なものはない。

少しずつ少しずつ、水中奥深くから微量な震動がやってくる、ゆっくりだが確実にこちらにむかってやってきている。

そして…足元にその震えが来たかと思った瞬間、背後で巨大な水柱が巻き起こった。そして…現れた。

 「うっわ〜?なんなの?キモチワル〜イ…」

 「あれが…この洞窟の主?」

 振り向いた先に現れた、ムカデを彷彿とさせる巨大な甲殻の生物。この大型船に巻きつくかと言わんばかりの長い体躯をくねらせて、ボートに体を横付けしてきた。

そう…戦闘開始、今巨大甲殻生物デ・ロル・レと2人の戦いが始まった。

 「ミルちゃん気をつけて、どんな攻撃をしてくるかわからないから…。」

 横付けして泳ぐデ・ロル・レの傍に向かいながらエルファは警戒を訴える。そして、すばやく詠唱を始める。

 「ラバータ!」

 一瞬周囲の空気が引き締まったかと思うと、デ・ロル・レ長い体を強い冷気が襲う、しかしデ・ロル・レにひるむ様子は…ない。

効果はあったようだがダメージは大きくなかったようだ。そこに…

 「これならどうだあ〜!ラフォイエ〜〜!!」

 すぐ後ろで同じように詠唱の終わったミルが割り込む、今度は小爆発を伴った高熱がデ・ロル・レを包み込む、すると、耳に残るような苦痛の叫びがデ・ロル・レから発せられた。

効果があったようである。そのまま横付けしていたデ・ロル・レは、速度を落としてボートより遅れ、離れていく。

 「どうやら…炎が弱点のようね…ミルちゃん、すごいわ!」

 後ろのミルに感嘆を漏らすエルファ、照れくさそうにミルはいう。

 「えへへ…実は…炎系しか使えないんだ…じつは。」

 ちょっと恥ずかしそうに言うミル、怪我の功名というべきか、結果としてデ・ロル・レに被害を与えることに成功したのだ。

だが、気を抜くまもなく、今度は船の背後にぴったりとデ・ロル・レはついていた。つかず離れずの距離を置いて、泳いでいる。

 「!?気をつけて、何かしてくるかも…」

エルファが言った次の瞬間、デ・ロル・レは信じられない跳躍力でボートを飛び越え、先行する間合いになった。

 「本当に…おっきい…」

 一瞬の優勢気分もどこへやら、予想できないデ・ロル・レの動きと、その巨大さにムードを一変されてしまった2人。

自分達と違い、自由自在にこの水上を暴れまわるデ・ロル・レ…。本当に勝てるのだろうか…そんな不安さえエルファには拭い去ることができなかった。

そして先を泳ぐデ・ロル・レが、尾を振り上げたかと思うと、その先から複数の物体を吐き出した。物体はスーッとボートに落ちて来て、そのままボートの上で静止した。

チカチカと点滅しながらくるくると廻っている。それが何かに気づくのに、少しの時間を要してしまった。

 「…?…まさか!」

 エルファが物体の正体に気がついた時、すでにそれは行動を起こしていた。一斉に爆発したのだ。

 『きゃああああ!!』

 それは機雷であった、それも時限性の…。2人はガードも間に合わず、爆発に体力をごっそりと奪われてしまった。しかし脅威は1つで終わらなかった。

すでにその間にボートの横に近付いていたデ・ロル・レから、次なる攻撃が待っていた。

 「げほっげほっ…いやあ、なによういったい…?」

 「…大丈夫?ミルちゃん?…もっと早く気づけば…」

 「ううんそれより……あ!?おねえちゃん、後ろ!」

 「え…?」

 爆風に視界を遮られた間に横に廻っていたデ・ロル・レ、ミルの視界が回復した時、エルファのちょうど真後ろから、大量の紫色の散弾を吐き出していた。

それはふわふわと風に乗ってエルファ達の方に向かってきた。

 「あうっっ!!」

 「おねえちゃ…きゃあああ!!」

先ほどの機雷で回復がおいつかないところに、さらに追い討ちのブレスが2人の戦況を更に悪化させる。

もともと体力のないフォース同士、直撃をもろにくらい、その場倒れ伏してしまった。それを見て届けたのか、デ・ロル・レはその巨体を勢いよく振り上げて、ボートの上に乗り上げた。

その重量にボート全体が揺れる。

「あ・・・あ・・・」

衝撃で意識が復活したエルファ、自分の体より大きいデ・ロル・レの硬い仮面が目の前に現れ、その恐怖で動くこともできない…そして…抵抗する気力を失ったことをデ・ロル・レは確認していた…。

 (やはり…私達じゃ勝てないの…?)

 エルファの意識はより絶望に向かって落ち込んでいく。その時、やっとミルにも意識が戻った。

 「はあ…はあ…」

 苦しそうに肩で息をするミル、だがその目はまだ負けていなかった。そして…右手を伸ばして、倒れた状態で詠唱を続けた。そして至近距離からミルのテクニックが完了する。

 「…ラ…フォイエ…!!」

 巨大な爆発が不意をついてデ・ロル・レのその硬い仮面に直撃する。苦しそうな叫びが2人の傍であがり、突如その時デ・ロル・レの仮面に変化が起きた。

小さな亀裂がピシリとはいったかと思うと、連鎖的に亀裂が走り、あっという間に崩壊した。そしてその素顔が露出した。

 『!!?』

 2人は驚愕した、というより完全に硬直するほどの衝撃を受けた。顔だとおもっていたそれは全く違うものであった。

甲羅のような硬い皮膚だと思っていたそれは、本当に仮面であり、その下になんとも醜悪な、まるで蟲のような顔がそこにはあった。

複数ある目らしきもの、びっしりとならんだ細く鋭い牙、仮面の下の素顔は、見たものをさらに恐怖で萎縮させるだろう。

だが、動けない2人に対し、デ・ロル・レは受けた攻撃に怒ったのか、唸り声を上げながら2人を睨みつけている。

 「あう…あう…こ…こわいよう…」

 目と鼻の先で怯えるミル、もう抵抗する意志はすでに見られなかった。逆にエルファの方はどうにかしなければと必死に考えを巡らせていた。

 (今のうちに回復を…)

 最優先にと決断した答えがそれだった。ふらふらと立ち上がり、デ・ロル・レがなにもしてこないうちに…と小声で詠唱をした。そしていざ唱えようとした瞬間!

 ビュンッッ!!

 「むぐぅ!?」

 エルファの口一杯に何かが突き入れられた。それは、デ・ロル・レの触手であった。触手は太く、エルファの口を一杯にしても苦しいほどの太さで、それを喉の奥まで飲み込まされてしまった。

 「おぅ…うぐぅ…!!」

 非力なエルファでは触手を引き抜こうにも、引き抜けなかった。そしてそのままデ・ロル・レの攻撃は続く。

 …ドプゥ…ドク、ドク…

 「!?」

 次の瞬間、触手から何かの液体が流し込まれた。口ではなく喉のほうから送り込まれるので、吐き出すこともできない、抵抗すらできずに液体はエルファの中に収められていく。

おびただしい量の液がエルファの体に蓄積され、厚手のローブに覆われた腹部が、そのあまりの量に少し盛り上がっているのがくっきりとわかる。

苦しい…でもその液体は注ぎ込まれていく、味もわからない、ホースの先からあふれ出る水の様に間断なく液体はエルファの中から侵食していった。

 「おねえちゃ…」

 ミルの傍で苦しんでいるエルファ、たすけなければ!そう思いながらも体がまだ上手く動かない、歯がゆい思いにもがいているうちに、エルファの口から触手が吐き出された。

 「げほっ!!げほっ!!…が…、はあ…はあ…うぷぅ…」

 口元を抑え、襲い掛かる吐き気に耐えながらエルファは倒れこむことはなかった、そのとき初めて、口に注がれた液が舌を触り、味がわかった。

甘い…それだけ確認ができた。ただ、味などどうでもいい、苦しい…今エルファの心にはその思いが優先されていた。

 「ま…まってねミルちゃん、今回復してあげるから…」

 力ない状態でも笑顔を作る。凄まじい精神力だ、フラフラで口元を抑え、とても余裕などないのに、それでもミルを助けなければとまた詠唱を再開した。そして…

 「……レスタ!!」

 両手を広げ、やわらかい光が二人を包む、そして消耗した体力を回復してゆく…はずだった。

 「きゃああああ!!?」

 叫びはエルファからであった。ちゃんと回復されたミルがエルファの方をむいた時、信じられない光景がそこにあった。

 「胸が…いやあ!!熱い…熱いの…いや!!こんな!」

 ミルの目の前で、エルファの肉体に変化が起きた。胸を両手で抑えているが、肉眼でもわかるほど彼女の胸が大きくなってゆく。

ローブの胸の部分が圧迫する手を跳ね除けつつ、狭い狭いと自己主張するように膨らんでいる。

もともとスタイルは悪くなさそうなエルファだが、その服装ゆえあまりわかることもなかった。

 だが、いま目の前の彼女の体型は異常の一言であった。

胸がグングンと膨らみ、ことの起きた瞬間から今に至るまでにすでに、その大きさをまるで西瓜のように変え、それでもなお止まることなく膨らんでいく。

 「なんで…?なんでおねえちゃんだけ?…まさか!?」

 ミルでもあっさり理解したらしい、原因として明らかにデ・ロル・レが飲ませた液体が絡んでいる…そう判断した。

デ・ロル・レが飲ませた液体が何らかの形で影響を与えたのだろう。どんな成分かわからないが、レスタを唱えたあとにいきなり、エルファに変調が現れたのだ。

原因はどちらかしかないというのは言うまでもなかった。

 「おねえちゃん!大丈夫?」

 駆け寄るミル、しかしくるしいのか、エルファに返答する余裕はなさそうだった。

 「あ・・・あう…とまって…おねがい!」

 今なお胸はとまることなく大きくなっている。気がつけばビーチボールとも張り合えるほど大きくなり、まるで加速するように胸はどんどん大きさを増していく。

全身を覆うローブもそのあまりの胸の巨大さに場所を取られつつある。

 ミルには原因はわからない、でもまずデ・ロル・レをたおさなきゃ!とそして早く医者に連れて行かなきゃ!の思いが、ミルに戦闘を継続させた。…がすでに勝敗は言うまでもなかった。

 「……う〜〜ん!…あれ?あれ?なんで?テクニックがつかえない?」

 精神力が切れた、いや正式に言うとラフォイエを唱えるだけの精神力がなかったのだ。

くやしくもどうしようもないと判断し、ミルは拾った自分の武器を持って、デ・ロル・レの顔面目掛けて攻め入った。

 「え〜い!!」

 あまりむかない白兵戦を挑み、その顔目掛けてロッドを振り下ろした。

 パシィッッ!!

 鋭い殴打の音がしてミルは吹っ飛ばされた。エルファを襲った触手の1本がミルを薙ぎ払ったのだ。軽量なミルはボートの端までふっとんだ。

もちろん弱いから一撃で既に致命傷であった。2撃目などくらったら…そう恐怖して、ミルも回復を行った。

 「レスタぁ!!」

 光が2人を包んだ瞬間、悲劇が再度エルファを襲う。

 「いやああああ!!?」

 さらに爆発的に、エルファの胸が膨張を始めた。いつのまにか手では抱え込めない大きさの胸が、次の瞬間、さらに一段階、大きく膨れ上がった。

厚手のローブはもう胸を覆うのが精一杯で、ミリミリと繊維は悲鳴を上げていた。

 「おねえちゃん!?」

 ミルにもやっと原因がわかった。レスタだ、レスタをかけるとエルファの胸が膨らむのだ。なぜ?なぜだろう?レスタがまずいということしかミルにはわからない。

 そう、デ・ロル・レの飲ませた液体はどういう成分かは不明だが、何らかの成長を促すというシロモノなのだ。

その成分が人間の治癒能力、すなわち細胞の活性化に関り、それが元で胸が大きくなっているのだ。

レスタによってそれを大きく促進したということは、同様にその膨乳まで手助けしてしまうのだった。

一度ならず二度までも行われた、細胞の活性化は、異常なほどの爆発力をもってエルファの胸を膨らませた。

 「あう…あう…胸が…胸が…大きくなるよう…ああん…とまらない…」

 すでに錯乱しているのか?エルファの意識は胸にしかいっていない、戦闘中ということはすでに眼中にないようだ。

その間も胸はムクムクと大きくなっている、もう衣服は抵抗の限界にきていた。ミルの耳にもローブや衣服のピリ、ピリリといった裂傷音がまるで悲鳴のように聞こえてきている。

だが、そんな衣服にかまうことなくその胸は膨張を続けている。

 「あ…あ…どうしよう…おねえちゃん…」

 もはやエルファは戦力外も同然、ミルは1人でデ・ロル・レと戦うしかない。でも1人は心細い、だが目の前の仲間はすでに人の体型を超えた状態で、どうみても戦うことなどできそうにない。

ましてやミルには回復行為を制限された恐怖もある。一方的に状況は相手にとって有利に進んでいる。

時間をかければかけるほど状況が悪くなるのに、短時間でことを解決することも不可能に近い。

ミルの手荷物はもはや回復用のメイト種の薬品がいくつかと、武器防具の一式のみ、フルイド種の薬品は使いきってもはやテクニックによる打つ手はない。

そして…ミルは覚悟を決めた。両手で力一杯ロッドを握り、まだボートにのっているデ・ロル・レに迫り、触手を掻い潜りながらその顔の中心に思いっきり突きを入れた。

 「やああああ!!」

 巨大な咆哮をあげ、苦しそうに水に逃げていくデ・ロル・レ。とどめをさせたわけじゃないが、とりあえず一時的にやつを撃退できた。

非力なフォニュエールだが、それでもガードなしに直撃をくらったのだ。いくら人知を超える怪物だって多少のダメージを受けただろう。

 「よし、いまのうちに…」

 その間にミルはエルファに近付き、様子を見る。膨らむ様子もどうやらおさまっているらしい。衣服の繊維を目一杯引き伸ばして、ローブはまるで特殊なブラジャーのような、そんな風に見える。

もはや吹くとしての機能はなきに等しい…。足は地に付いているが、力が入っているとは思えない、むしろ巨大化した超乳がその体を支えている。

3サイズなどあったものでもないだろうが、身長などでは到底及ばないような数字がはかられるだろう、そんな大きさであった。

そんな状態のエルファの顔の傍により、ミルは様子を見るが、エルファの口からは、すでに言葉を話せる余裕もなさそうで、瞳も戦闘前と比べて何処を見ているのかわからない、そんな感じであった。

 「……」

 ミルは言葉が出なかった。ただただそんな仲間の様子を見つめるばかり…。そしてしばらくすると、また派手な水音を打ち鳴らして、デ・ロル・レが戻ってきた。

それを確認したミルは、次の瞬間、思いもよらぬ行動に出た。

 「おねえちゃん、ごめん!」

 何を思ったのか、ミルは唯一の延命手段であるトリメイトを1つ手にとって、いきなり、半開きであったエルファの口に押し込んだ。

 ゴクン…

 薬が飲み込まれた瞬間、エルファは大きくビクンと震え、そして…

 「ああ…あああ!?…熱い!!あつうぃ…!!ううああああ!?」

 エルファの口から叫びの声が溢れてきた瞬間、又1つ大きくビクンと震え、止まっていた膨乳が、先ほどよりも激しく再開された。

 ドクン、ドクン、ドクン、ドクン……

 脈打つたびに胸が膨らむ、はじけるようにドンドンと…。一時安定していた衣服が、再開した膨乳にまた悲鳴を上げる。

もう限界にきていた衣服が、のびきったかと思った瞬間!!

 ビリ、ビリリリリ!!!

 まるで張り裂けるように衣服がとんだ。破けとんだのだ。人目に晒されたことない、きめこまやかな乙女の肌が露出し、乙女に不釣合いなほど実りに実った乳房の先端には形の良い乳首も見えた。

あまりの変化にミルも少し目を奪われてしまった。だが、そんなミルにかまうことなく成長がエルファを襲う。

押さえつけるものがなくなったエルファの乳房は、これでもかといわんばかりに、先ほどと比べ物にならない速度で成長を始めた。

乳房に人の体が付いている。そんな姿がさらに際立ち、胸のあまりの大きさについに足が地から離れようとし始めている。

その様子は乳に倒れこむ女性…もしくは乳に抱かれる…そんな感じである。

ほどなくして、デ・ロル・レがボートに近付き、また船上に顔を上げて乗り上げたとき、デ・ロル・レは状況の変化に気づいた。

船の上にさっきより胸の大きくなったエルファがいる。だが、ミルがいない船の上にいない、この水路の中で逃げ場などない。不審に思ったようだが、デ・ロル・レはあまり気にしていない様子で、かまわずエルファをまたおもちゃにしようとし始めた。

 先ほどとは違い、今度は細く、しかし長いそれをたくさん生やして、その全てをエルファのその巨大すぎる乳房に突き刺した。

「あう…!」

痛覚だけは僅かに残っているらしい、刺された瞬間エルファの表情が、苦痛に歪んだ。だがすぐまた、愉悦の表情に変化してゆく。

柔肉にささった触手たちは、ずぶずぶと深めに侵入を始め、口の時のようにまた液体を送り込んでいく。