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第21回区政報告  平成20年7月26日


第二回定例会にて自民党を代表して質問

質問1.耐震化対策と総合庁舎の建替えの検討状況について
5月12日に中国で起きた四川大地震は、死者約6万9千人、行方不明者約1万8千人、負傷者約36万人を超えた大惨事となり、今もなお多くの被災者が、救援を待っている状況と報道されています。
学校が倒壊し、建物の下敷きになり、多くの子供たちが犠牲となりました。本区においては小中学校の耐震補強工事が、今年度で完了する運びと聞いており、23区では100%達成した区は7区のみで、区の努力に対し高く評価するものであります。
一方、学校以外の施設の耐震化の状況は、どのようになっているのでしょうか。幼児等が通う保育園や幼稚園の耐震化は進んでいるのでしょうか。
小さな子どもたちを預かる、これらの施設の安全性が確保されていなければ、保護者の方々も安心して預けることはできません。

答弁1.耐震化対策について
葛飾区の小中学校の耐震補強については、本年度残り7校の耐震補強工事を実施して、全校の耐震補強工事を終了する予定となっております。
保育園等についは、耐震化に向けた対策を積極的に進めており、保育園全44園の内、都営住宅併設施設を除く35園につきましては、新耐震基準で建設されている1園を除き、既に11園で耐震診断を実施し、1園で耐震基準を満たしていることを確認いたしました。
耐震補強が必要な10園の内、8園では既に耐震補強工事を実施し、残り2園につきましても、耐震補強工事に向けて準備を進めております。残りの23園につきましては立石駅前保育園を除き、耐震診断を今年度11園、来年度11園実施する予定です。
幼稚園につきましては、昨年度3園の診断を行い、2園で耐震補強工事が必要との診断結果を得ており、今年度実施設計を行い、来年度には耐震補強工事を行う予定でございます。
また、保育園等の耐震補強工事の実施にあたつては、学校施設と異なり、一年を通じて利用する施設であることから、保育等に可能な限り支障が生じないよう各園の実情に配慮しながら進めて参りたいと述べられました。
なお、都営住宅と併設している保育園については、都営住宅の建替え及び耐震診断に合わせて、東京都と連絡・協議を図りながら、実施して参ります。

質問2.総合庁舎の建替えの検討状況について
次に、本区の総合庁舎の大地震への備えについては、わが党は第1回定例会においても質問したところです。災害対策本部となる本庁舎の防災センター機能は、災害時に迅速かつ的確な初動態勢を確立し、整然と運用するためには、あまりにも脆弱といわざるをえません。他区では、専用の災害対策本部室を備え、大型プロジェクターや観測データ表示板など設置し、また、情報統制室を備え、情報の収集・処理・提供を集中管理できる基盤を備えております。改めて、四川大地震を契機に総合庁舎の経年による劣化の進行が心配となりました。
政府の特別機関である地震調査会は、南関東地震(M6.7〜M 7.2、震度6弱〜6強)の発生する可能性は、今後30年以内に70%程度と予測をしております。本庁舎本館は、昭和37年の竣工から46年が経ちました。平成11年度に耐震補強工事を実施し、耐震指標値は基準の2割増にしたと聞いています。予測されている南関東地震では、本庁舎本館が倒壊の恐れがないと聞き及んでいます。
しかしながら、経年による屋上や外壁のひび割れが風雨にさらされ、雨水がしみ込み、コンクリートの劣化が進行し、必要な構造上の耐力が維持されているのか危惧をしております。こうした点を解明するため、今年度の当初予算におきまして、コンクリートや設備の劣化診断を行う経費が計上されていますが、早急に劣化診断を実施し、的確に現状を把握し、総合庁舎建替えに向けた諸課題の検討を急ぐべきと考えます。
そこで、お尋ねします。
1、学校施設の耐震化は、本年度完了する予定と聞くが、保育園や幼稚園の耐震化対策は、どのような状況にあるのか。
2、総合庁舎の劣化診断等はどのような手法で行うのか、また、診断結果が示される時期はいつ頃か。
3、総合庁舎本館は、いずれ耐用年限を迎えるので、その時に備え、本庁舎として必要な機能や整備手法、資金計画などをできるだけ早い時期から検討すべきと思うが、どうか伺いたい。

答弁2.総合庁舎の建替えの検討状況について
総合庁舎の劣化診断及び新館の耐震診断についは、すでに、専門調査機関に業務委託しました。
主な調査内容は、劣化診断については、建物構造を支えるコンクリートの中性化や屋上防水の機能、外壁のはく離などの建築調査や、給排水管や空調ダクトの実情を把握するため、エックス線やファイバースコープによる調査を行います。
また、新館につきましては、昭和56年に改正された新耐震基準を満たし、今後とも安全に利用できるのか診断を行なうものでございます。
これらの調査結果を踏まえ、今後の改修・保全費用を算出し、診断結果を年度内に取りまとめ、ご報告して参りたいと考えております。
次に、本庁舎の必要な機能や整備手法、資金計画等を早い時期から検討すべきとの質問については、本年第一回の定例会において、庁舎整備基金の積み立てについて、議会でご承認をいただきました。これを受けて、今後の総合庁舎の整備のあり方について具体的な検討を進めるため、今般、副区長を委員長とする「総合庁舎整備検討委員会」を庁内に設置することといたしました。
この委員会では、劣化診断及び耐震診断の結果と併せて、区民サービスの向上を図るためのワンストップサービスやユニバーサルデザイン、発災時の本部拠点機能など、新しい庁舎に求められる機能、また、現地建替え・移転建替え・既存建築物の買収などの庁舎整備の手法、更に、事業に要する資金とその調達方法など、様々な面から総合的に庁舎整備のあり方を検討して参りたいと考えております。
その検討状況については、随時、議会に報告し、ご意見をお伺いして参りますので、よろしくお願い致します。

質問3.地震及び水害対策について
ミャンマーでは、5月2日夜から3日にかけて、南部を襲ったサイクロン「ナルギス」が、世界有数のコメ生産国である同国の穀倉地帯を直撃しました。
このサイクロン「ナルギス」によるミャンマーの被害は、時間の経過とともに広がり、国連は被災者が少なくとも150万人に上るとの推計を明らかにしています。
犠牲者10万人を超すとも言われる深刻な被害の原因として専門家は「最悪の進路」や防災体制の不備を挙げています。
ナルギスの中心部(目)は海岸に沿って西から東に移動し、その一帯はイラワジ川下流の海抜の低いデルタ地帯で、人口も密集していたそうです。
サイクロンで生じた高潮が内陸深くにまで達し、被害を増大させたと伝えられています。被害については、現地に入っているメディアや非政府組織(NGO)などを通じ、状況は少しずつ伝わってきていますが、いまなおその全容が明確にされていない状況にあるのではないかと思われています。
また、5月12日、中国四川省成都北西約90キロで、マグニチュード7.8の大地震が発生し、間もなく1カ月を迎えようとしています。死亡者は既に7万人に達しようとし、緊急避難生活を送っている人も1500万人を超えていると言われており、日本では想像もつかないような被害規模となっているようです。
本区におきましても、このような未曾有の水害や地震が起きた場合を考えると、とても「対岸の火事」とは思えません。
このような災害がおこらないことを望みますが、区としては44万区民の生命と財産を守る使命を果たすために、当然のことながら、最悪のシナリオを想定し、常に準備を整えておかなければならないと考えています。
本区は、江戸川、荒川、中川、新中川などの一級河川に囲まれています。しかも、ミャンマーの被害地域と同様、海抜ゼロメートル地帯という低地で、人口密集地域でもあります。区は、これまでも、常に台風などの水害、出水と排水という水との戦いを行ってきた歴史があります。
また、葛飾区には、狭く細い道路に木造家屋が多く、密集している地域が多いため、非難場所としての公園を確保することは極めて厳しい状態です。さらには地震が起こった際には液状化等により堤防が決壊する可能性も指摘されるなど、都市としての基盤整備が急がれています。
関東大震災、阪神淡路大震災、新潟県の中越及び中越沖地震規模の大地震が発生した場合には、当然のことながら人的・物的に大きな被害が想定されており、そのための対策を常に考えておかなければならないと思います。
区は、これまでも、計画的に、四つ木、東四つ木、立石や東立石地区などの密集住宅市街地についての防災街づくり事業や区民の方々の住宅の耐震改修助成の実施、防災活動拠点の整備や防災市民組織の育成等の防災活動の充実、細街路の拡幅整備、学校の耐震化等々着実に「その時」に備えて準備をしてきたことは承知しております。
そのうえで、今回の、ミャンマーや中国四川省の災害の報道に接し、改めて感じたことがありますので、その点について何点かお伺いしたします。
1.先ず、現在、国、東京都では、本区での台風や局地的豪雨など、「水」による災害規模をどのように想定しているのか、また堤防における水防上、注意を要する箇所の対策、洪水の程度や深度、避難人口の推計、避難場所等々についてどのように想定しているのかお伺いします。
2.次に阪神淡路大震災、新潟県の中越及び中越沖地震規模の大地震が首都圏で発生した場合、どの程度の家屋が被害を受けるのか、火災発生の状況についてはどのように分析しているのか、又これらの地震による人的被害状況や避難想定人員、避難場所等々についてどのように想定されているのかお伺いします。
3.国では、平成18年4月21日の中央防災会議において、「首都直下地震の地震防災戦略」がだされ、
(1)人的被害軽減の減災目標として「今後10年間の死者数を半減」
(2)経済被害軽減の減災目標として「今後10年間の経済被害額を4割減」
(3)生活支障軽減として「今後10年間で指定避難所での延べ生活者数を半減」
(4)帰宅困難者軽減として「今後10年間で混乱を生じるおそれのある帰宅困難者数の半減」
を打ち出しているが、先の質問の被害想定に基づいて葛飾区は、「首都直下地震の地震防災戦略」を踏まえて、数値目標、達成時期、対策の内容等を明示する「地域目標」の策定に、どのように取り組んでいるのか、お知らせください。
4.自治体の対応として、住民にとって必要な、医療、電気、水道、電話、道路、安否等の総合的情報の収集、伝達を担う組織が必要と思うが、区としてどのように考えているのか。
5.災害時の医療について、避難所では高齢者が多く、常に薬を使用している方の対応をどのように考えているのか、今後、カルテカード等の普及を考える必要があると思うがどうか
6.災害時において、実際に救助に当たる地域住民へ、要援護者の個人情報の提供について、葛飾区はどのように考えていくのか、お伺います。

答弁3.地震及び水害対策について
ミャンマーを襲った大型サイクロン及び中国四川大地震により、大変多くの尊い人命が失われたことに対しまして、冒頭まず心より哀悼の意を表する次第です。
本区では、これまでもハード・ソフト両面にわたり、災害に強いまちづくりを進めてまいりましたが、今後とも区政の最重要施策のひとつとして災害対策を推進してまいりたいと考えております。
はじめに、水害による被害想定に関するご質問にお答えいたします。
河川管理者である国、東京都は、200年に1度の大雨による洪水などにより堤防が決壊した場合に、浸水が想定される区域と水の深さを示した浸水想定区域図を公表しております。
本区におきましては、この浸水想定区域図に基づき、咋年度、荒川洪水ハザードマップを作成しました。
荒川の堤防が決壊した場合、区内では最も深いところで4mから5m浸水することが想定されており、荒川沿川地域を中心に最大で約28万人の避難人口を推計しております。
避難する区民の避難場所につきましては、区東部地域の水元公園、浸水しない学校避難所等のほか、松戸市、市川市の避難所等を想定しております。
障害者などの避難場所につきましては、イトーヨーカ堂四っ木店駐車場や総合スポーツセンター体育館など、浸水しない区内の大型施設を指定しております。
また、本区における水防上注意を要する箇所については、現在4箇所を指定しており、これらの要注意箇所の解消を図るべく、水戸橋の架替工事などの対策を進めるとともに、こうした対策が完了するまでの間については、水戸橋の陸こう閉鎖や積土のうなど、指定箇所に応じた対策を実施してまいります。
次に、首都圏で大地震が発生した場合の被害想定については、平成18年5月に東京都が公表した被害想定によりますと、冬の夕方、東京湾北部を震源とするマグニチュード7.3、震度6強の地震が起こった場合、本区の被害は死者726人、
家屋の全壊が約1万3千棟、火災の発生80箇所、避難者数28万5千人と想定されております。
避難所生活を余儀なくされる被災者を収容する避難所としては、区立の小中学校のほか、高齢者施設等58施設を指定するとともに、広域の避難場所として、江戸川河川敷など8箇所を指定しており、これらにより避難者の安全確保を図ってまいりたいと考えております。
次に減災目標に関する区の取り組みについては、平成18年5月に公表された「首都直下地震による東京の被害想定」を反映するとともに、阪神・淡路大震災の教訓等を可能な限り反映させた葛飾区地域防災計画の見直しを昨年度行い、区議会にご報告したところでございます。
今回の見直しの中では、今後10年間で住宅の倒壊や火災による死者を半減させるという減災目標を新たに掲げました。
これらの目標を達成するため、葛飾区耐震改修促進計画の策定及び耐震診断・耐震改修等の助成事業などによる建築物等の耐震化率の向上、また、幹線道路沿道の不燃化促進、密集住宅市街地整備の推進などにより不燃化を図るとともに、道路、公園などの整備などにより延焼防止を図ってまいります。
さらに、防災リーダーの育成、家具類の転倒防止の普及、防災訓練や救命講習等による区民の救出・救護能力の向上など、自助・共助による地域の防災力を高めてまいりたいと考えております。
次に、災害時におけるこれらの情報収集にあたる組織につきましては、発災時に設置される災害対策本部の情報通信課において、医師会やライフライン事業者などの防災関係機関に設置しております、防災行政無線網を通じて情報収集することといたしております。また、地域の被災情報等につきましては、職員の参集途上における情報収集や区民の皆さんから寄せられた情報を集約することとしております。
また、情報の伝達にっきましては、防災行政無線、コミュニティFM放送、ケーブルテレビ放送及び広報車等による直接周知のほか、防災市民組織を通じて情報伝達する組織として、地区センター災害対策拠点を設置いたします。
さらに、臨時広報紙を発行し、避難所及び防災活動拠点等の掲示板を活用する際には、ボランティアとして活動される方々も活用するなど、多様な手段、組織体制を講じて情報伝達に努めてまいりたいと考えております。
なお、住民の安否情報につきましては、学校避難所運営の中で、避難者名簿を作成することになります。これらの名簿を避難所に掲示するとともに災害対策本部に集約し、安否確認等の問い合わせに活用いたします。
災害時における医薬品の確保については、外科的傷病に対応すべく医療救護所に備蓄しているところですが、慢性疾患は人により多種多様であり、それらすべてについて区において備蓄することは難しいと考えており、慢性疾患に対する医薬品については現在備蓄しておりません。このため、日頃からの当座の医薬品の備えを呼びかけてまいりたいと考えております。
また、カルテカード等につきましては、医師等が処方したお薬の名前や服薬方法などを記録するお薬手帳のさらなる普及、啓発を図ってまいりたいと存じます。
災害時における要援護者の個人情報の提供についての質問については、
区において、災害時における要援護者への支援として、防災ネットワーク事業を進めております。現在、二つの自治町会をモデル地域として選定し、要援護者の把握、避難援助希望の有無、協力員の登録など、体制づくりに取り組んでいるところでございます。このネットワークにおいては、要援護者である利用者の方の同意を得た上で、その方の個人情報を地域住民である協力員に提供し、地域の防災体制づくりに努めております。なお、消防署には、「葛飾区個人情報の保護に関する条例」に基づき、個人情報保護委員会の意見を聴き、要援護者に関する情報を提供している状況です。

質問4.地球環境問題について
地球環境問題は、大気汚染やごみ問題など、我々一人一人が被害者であり加害者でもある都市生活型社会に対する施策の充実が重要な課題となっております。
国、地方公共団体、企業、そして国民一人一人が、相当の痛みを伴いながらも取り組んでいかねばならないことを自覚し、地球環境と共生できる新しい社会理念、経済システム、ライフスタイルを構築していかなければなりません。
今日、我々の化石燃料の大量消費と、物質的な豊かさへの追求の結果、地球的規模でフロンによるオゾン層破壊や二酸化炭素の排出による地球温暖化に伴う異常気象、生態系の破壊が目に見える形で進行してきました。
我々は、人類史上初めて、地球温暖化という地球の危機に向き合っていることを認識すべきなのです。エネルギー政策と経済成長に重大な影響力を持つ地球温暖化対策は、21世紀最大の問題であるとも言えます。
ご承知のように、7月7日から9日まで、北海道洞爺湖町において、8力国首脳と欧州連合(EU)委員長が参加して洞爺湖サミットが開催されます。
洞爺湖サミットでは、G8のメンバーのほかに、主要二酸化炭素排出国である国々
(中・インド・韓・メキシコ・オーストラリア・インドネシア・スペイン・ポーランド・南アフリカ・イラン・ブラジル・ナイジェリア)も招待され、気候変動について、特に「ポスト京都議定書」について話し合われます。
既に全国各地で、閣僚級対話や外相、財務省など担当大臣ごとの会合が開かれております。
日本はこれに向けて「クールアース推進構想」を提案しており、G8サミットの議長国として、すべての主要排出国が参加する枠組みづくりや公平な目標設定に責任を持って取り組む決意を表明しています。
1997年の気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3温暖化防止京都会議)において、京都議定書が合意されてから10年がたち、今年はいよいよ第1約束期間が始まり、国では「京都議定書目標達成計画」、「地球温暖化対策推進法」を改正し、温室効果ガス算定・報告・公表制度を見直すとともに、事業者・国民に向けて、より温室効果ガス排出の抑制に努めるための排出抑制等指針を策定しました。
また、東京都においては、大幅な二酸化炭素の排出削減を実現するため、「環境確保条例」の改正を第2回定例会に提案するとしています。この中で、温室効果ガスの排出量が相当程度大きい事業所を対象に温室効果ガス排出総量削減の義務と排出量取引制度を導入するとするなど、様々な施策を行おうとしています。
本区においては、このような中、「葛飾区地球温暖化対策地域推進計画』を策定したところであります。この計画は、基礎的な自治体が温暖化対策を実行していくうえで大変重要なものであると認識しており、確実に施策を進めていく必要があります。
地球温暖化による様々な現象がありますが、都市部におけるヒートアイランド現象対策の一つとして有効なのは、緑化の推進と言われております。
公園や市街地の樹木などの緑は、都市住民の癒しと憩いの空間であり、防災などの多面的な機能を有しているだけではなく、都市のヒートアイランド現象の緩和や大気の浄化など、地球温暖化対策として、以前にも増して重要になってきているのではないでしょうか。
土地の利用が高度に進み、緑化の可能地が限られている都市部において、さらに緑を増やしていくためには、建物の屋上や壁面などの他、公園や都市計画区域、河川、道路を活用しなければ、スペースは残されておりません。都市のスペースをいかに有効に活用し緑化を進めるか、方策を明らかにすべきと考えます。
先日、仙台市の青葉通りを視察してまいりました。青葉通りは、幅員36m〜50m、延長0.8kmの道路で、中央部と歩道に植えられたけやきは、並木のトンネルを形成するまでに成長し、春の新緑、夏の濃い樹影、そして秋の紅葉から落葉へと四季の移り変わりを都会の中で鮮やかに表現しているとのことです。このような取組の成果として、「杜の都・仙台」=「けやき並木」という図式が市民だけでなく全国の人々にも定着しているものと考えます。
街路樹の整備は、CO2の削減など、環境面の取組として重要な施策であるとともに、仙台市の取組のように、自治体のシンボルともなる取組であり、葛飾区としても積極的に取り組む必要があると考えます。
区内には他の自治体にも誇れるような並木道は、ほとんど無いのが実情であり、全ての道路において、実施できるものではないことも理解しています。
しかし、葛飾区の限られた観光資源をより効果的に演出するとともに、地域の活性化につながる手段として考えてはいかがでしょうか
また、温暖化対策に有効な手段として、自然エネルギーの活用があります。
区は、従来から太陽光発電設備の設置者に対し補助金を交付し、自然エネルギーを促進してきていますが、この活用をもっと打ち出す必要があると考えます。
そこで、何点か質問いたします。
(1)特性を踏まえた緑の保全、創出に関する基本的な考え方をまとめ、広域的な緑の確保目標や緑づくりの政策を具体化すべきと考えるがどうか。
(2)緑化の方策の一つとして道路の活用がありますが、葛飾区には都内唯一の水郷景観を誇る水元公園があり、この公園と区が大学・公園用地として取得した新宿6丁目を結ぶ補助276号線をシンボル的な並木道、「緑の回廊」として創出してはいかがでしょうか。
(3)区内の街路樹整備については、緑が実感できる樹木を選定すべきと思うが、今後、どのように取り組んでいくのか、見解をお示しいただきたい。
(4)太陽光発電普及について、区として公共施設への導入などを始め、積極的な事業展開を打ち出すべきと思うがどうか
以上について、質問致しました。

答弁4.地球環境問題について
緑の保全と創出に関する基本的な考え方につきましては、平成8年に策定した「環境基本計画」において「身近に水と緑にふれられるまちとくらしづくり」を方針として施策を進めてまいりました。また、平成11年策定の「緑とオープンスペース基本計画」の中では、緑被率14.5%の維持を目指すこととしています。
しかしながら、環境基本計画策定後12年を経過し、この問、地球温暖化、自然環境の変化を始めとして、環境問題をめぐる状況は、大きく変化してきており、国の環境基本計画もこの間、2回改定されているところです。
このため、本区においても新たな課題に対応し、区の現状に応じた環境施策を展開するために、環境基本計画の見直しの検討に入ることとなっております。
お話しのように、地域特性を考えた緑の保全や創出について、現状に見合った基本的な考え方を策定することは重要なことでございますので、この見直しの中で、区内の広域的な緑の確保目標や緑づくりの政策の具体化について検討していきたいと考えております。
次に、緑化の方策として道路の活用がありますが、葛飾区には都内唯一の水郷景観を誇る水元公園があり、この公園と区が大学・公園用地として取得した新宿6丁目を結ぶ補助276号線をシンボル的な並木道、「緑の回廊」として創出すること、街路樹整備については、緑が実感できる樹木を選定すべきとの質問に対して、
道路の緑化は、CO2の削減や自動車騒音の緩和をもたらすとともに、都市の景観向上等に寄与することから、本区としても、積極的に取り組み、今日までに、延長約96キロメートルの道路に、約12,000本(平成19年4月現在)の街路樹を植樹してまいりました。
特に、区役所東側の立石さくら通りや、かわばた・東四つ木コミュニティー通り、水元さくら堤などは、他区に誇れるシンボル的な並木道を形成しているのではないかと考えております。
街路樹を植栽するには、それなりの道路幅員が必要ですが、ノーマライゼーションの考え方が社会に浸透し、平成7年に東京都福祉のまちづくり条例、平成12年には交通バリアフリー法が制定されるなど、歩道の有効幅員の考え方が変化してきております。
更に、歩道上での自転車による事故の増加などに伴い、昨年度から、自転車通行環境整備のモデル地区による整備が進められるなど、現状の道路に求められる機能が増加してきております。
また、都市計画道路補助276号線については、従前、区を代表する「柳並木」を形成しておりましたが工事の際に住民の方々との意見交換を行い、樹種を「ハナミズキ」に変えたという経緯もございます。このように街路樹整備を進めていくには、沿道の住民の理解を始め歩道通行の安全性の確保など、様々な課題を解決することが必要となります。
しかしながら、区としても、「葛飾区北部地域水と緑のネットワーク構想」の中で、補助276号線を水元回廊として位置づけ、区の「シンボルとなるような並木道」となるよう検討を進めているところでございます.
区としても、このプロジェクトを始め、質の高い緑の空間を形成するためにも、今後、地域の特性を捕らえながら、緑が実感できる樹木を選定するなど、努力してまいりたいと考えております。
太陽光発電普及について、
葛飾区では平成18年より太陽光発電設備設置者に対し補助金を交付し自然エネルギーを促進しておりますが、近年の地球温暖化に関する関心の高まりから、18年度39件、19年度48件と交付件数が伸びてきております。
また公共施設への設置については、現在実施計画に基づき、小中学校・本庁舎への設置を進めているところでありますので、更なる設置、促進へつなげてまいります。

   

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