寄せ鍋選定SFオール・タイム・ベスト

SFオール・タイム・ベスト(順不同)長編の部

グレッグ・イーガン: 順列都市

 '90年代的ポスト・サイバーパンク、と書いちゃうと異常に陳腐だが、僕的に好きなディック、ラッカー、更にはグレッグ・ベア的な要素を全て併せ持っている感じである。見事なまでの大法螺吹き。”塵理論”、すご過ぎ。

 僕的には、どこをどう取っても最高。強いて難を言えば、これは普通の人にはとても薦められないということ。お話の出発点のSF的敷居が高すぎる感じである。第2部なんかソフトウェアになった人間しか出てこないわけだし、ダメな人はその時点でダメかも。

 次はDistressが出る予定。早く読みたいな。

ブルース・スターリング: スキズマトリクス

 最も影響を受けたSFの一つ。サイバーパンク絶好調の頃の、"教祖"スターリングの看板シリーズ、「工作者&機械主義者」の長編。

 自分はサイバーパンク思想の一つ(?)、ポストヒューマン関係が大好きで、かなりかぶれたものであるが、中でもスキズマトリクスは、プリゴジンの散逸構造の理論と対比させて生命進化を説くところが強く印象に残っている。何だか良くわからないながらも、現在の人類の発展段階は、プリゴジン言うところの第4段階、らしい。物語の最後では、人類、またはポストヒューマンが第5段階への進化を遂げることが示唆される。

 この本を読んでしばらくして、勢いでプリゴジンの本を買ってしまった。難しくて全然わからないけど、いつかは読破したい本の一つとなっている。.....'99.10.16


ウィリアム・ギブスン: ニューロマンサー

 やはり一言でまとめると、メチャメチャかっこいいのであった。'99の今、『マトリクス』の影響でこの本を読む人も多いだろう。

 本格的にSFを読み始めたのが、この本の頃から、というのが私の好みを象徴している感じである。単にかっこいいだけでなく、オチのAIが(ネタ伏せ)というところも、何気にサイバーパンクしてて、見逃せないところ。

 ギブソンの場合、ニューロマンサー以降、作を追う毎にSFとしては読めないシロモノになっているのが残念。.....'99.10.16


ギブスン&スターリング: ディファレンス・エンジン

 前述のギブスンとスターリングの合作。19世紀末を舞台にしたスチームパンク。機械式のコンピュータが巾を利かしている設定。どこがどうよろしいのか、というと案外筆が進まなかったりする。後日追加予定。.....'99.10.16

ダン・シモンズ: ハイペリオン

 SFを全然知らない人にどれか一冊薦めるとしたら、ハイペリオンがよろしいのではないかと。SFの醍醐味の全部が含まれているような贅沢な一品。.....'99.10.16


グレッグ・ベア: ブラッド・ミュージック

 バイオ・ナノ・テクノロジー系サイバーパンク。よく『幼年期の終わり』と比較される。細胞の一個一個が知能を持ってしまう、というと最近ではありがちな話にも見えるが、この作品が元祖らしい。オチの情報力学とか、壮大なバカ話が展開され、大好きな一品である。

 ベアって、傑作も駄作もたくさん書いてるけど、結局この作品が一番良いように思える。.....'99.10.16

ルーディ・ラッカー:ソフトウェア

 ラッカーって、根本の思想は、どの作品も共通(全ては一つ!)なので、読後感がどれも同じような気がしてしまう。どれか一つを選ぶとなると悩んでしまうのだが、とりあえず代表作といえばソフトウェア・シリーズかな、ということで選定。

 数学ネタのバカ話を書ける作家って、ラッカー以外に思い浮かばなかったりする。それと、日本でしか人気がないというのも何か不思議な話。大体、まだSFを書いているのだろうか、という疑問も。.....'99.10.16


コードウェイナー・スミス: ノーストリリア

 このページには珍しく、かなり古い作品である。というか、エヴァの影響で人類補完機構シリーズが掘り出されなければ、読む機会はなかったと思われる。(^^;

 補完機構シリーズは、文体、内容など、どれを取っても他の作家とは一線を画する、よくワン・アンド・オンリーと言われるのも納得。

 私のSF嗜好の主流とは異なり、この作品には科学はあまり出てこない。でも、この作品でしか味わえない不思議な感覚が忘れられない。これもまたSF。.....'99.10.16


ダニエル・キース:アルジャーノンに花束を

 いきなりベタなタイトルが出てきて自分でもビックリするが、これは正真正銘のSFであり、なおかつ絶対に泣ける。(^^; キースは、自分でもこんな作品が書けたことはビックリ、と言ってたらしい。ある意味奇跡的な作品かもしれない。'50年代の作品だが、いつまでも色褪せない一品ではないかと。.....'99.10.16

ロバート・L・フォワード: 竜の卵

 濃厚なハードSFである。中性子星上の生命と人類との交流。これぞハードSFの真髄。読むの疲れるけど。.....'99.10.16


谷甲州: 終わりなき索敵

 初めて日本の作家が出てきたけど、決して洋モノびいきというわけでもありません。この作品は航空宇宙軍史の集大成的なものでありながら、ちょっと変わったテイストでもあるような気がする。.....'99.10.16


マイク・レズニック: キリンヤガ

 これはかなり毛色の違う、文化人類学的なSF。科学はほとんど出てこないんだけど、異文化に接するときのセンス・オブ・ワンダーとか、物事の捉え方のニ面的なところとか、これもまたSFかな、と感銘を受けた。.....'99.10.16



オール・タイム・ベスト候補

短編

  1. ジョン・ヴァーリイ: 残像
  2. グレッグ・イーガン: ワンの絨毯

映像

  1. エイリアン
  2. ブレードランナー
  3. 遊星からの物体X