デジモンフロンティア各話解説

# サブタイトル 演出 メ  モ
OP FIRE!! 貝澤幸男 メインの人総動員で一日ちょっとで作りました。
この時点では各キャラの透過光の色などはっきり決まっていないので、技とか出られるとなにげにきつかったりしますが、実質ヴォルフモンぐらいしか厳密な合わせが必要なのがいなくて助かりました。
3話から少し差し替え有り。
EC アイキャッチ 地岡公俊 今回は各キャラパターンごとに作るということで、5バージョン作成。
文字の透過光をどう見やすく作るか腐心してみたり。
ED イノセント
〜無邪気なままで〜
地岡公俊 またアップの日にちに食い違いがあって、会社側から出ている編集日が1日ずれていました。
結局進行さん演出さんと話した結果、1日後ろの最初の考え側で進めたり。
シートつけとか手伝って貰っていますが、フィニッシュワークは全てやりました。
カット1のレンズフレアだけが心残りで後はかなり気に入っています。
01 伝説の闘士!
炎のアグニモン
貝澤幸男 テイマーズとフロンティアの間というのは通常スケジュールの時間しか空いていなかったので、本編、OP.ED.ECとすべて普通のスケジュールで作成。
テイマーズが02が割と前倒しのスケジュールで進められていて約3週間の作成期間があったことを考えるとかなり驚異的早さでできあがっています。
1年鍛えられたことを実感…。
ラッシュを最初見た時にこれはすごいことになると思いました。
貝沢さんなのでいつものようにFIXと書かれたカットは少なかったです。
02 光のヴォルフモン
地下迷宮の戦い!
今村隆寛 1話終わった直後ぐらいで体調崩して、結構割食ってます。
内容的には新技とかでるぐらいで後はいつもの今村さんな感じで上がっていたり。
03 いじめは許さない!
氷のチャックモン進化
吉沢孝男 体調悪いのが一番もろかぶりだった回。
やった記憶すら実は曖昧だったり。
キャンドモンの蝋燭がついたり消えたりが切り替わり激しくて、そこは撮影側でもーちょっとなんとかすべきだったかなぁと反省点。
実際そんな余裕はとてもとても無かったりしたのだけど。
04 私のキックは痛いわよ!
女闘士フェアリモン
今沢哲男 ようやく復帰して、自分の中でフロンティアが動き始めた回。
ここの話からクロス透過光をライトファクトリー使うようになりました。テイマーズではまだ使い方よく分からないのと、シリーズ通しての合わせの感じもあったので、使っていなかったのだけど、ようやくやり方が自分の中で整理ついたのでここから。
いろいろ細かいとこに手入れてたりします。
05 大地を揺るがす雷パワー!
ブリッツモン
川田武範 内容的にはかなり簡単でした。
フロンティアはテイマーズで複雑になりすぎた撮影を02レベルに戻すという触れこみを最初していたのですが、1話からそんなのは嘘だと思ってたので、あ、あれはほんとだったのか。なんて思ったり。
実際はむしろこの話が簡単なだけだったのですが。
06 伝説の五闘士VS新たなる闘士! 芝田浩樹 雨をテイマーズと雰囲気変えています。
上から降ってくる感じになりました。以降、フロンティアは毎回降るごとに形が微妙に違っていくことになります。結構実験的。
スライドエボリューションのBANKの背景CGはちょっと、というよりかなり驚きました。
07 空に浮かぶ街!
トイアグモンのおもちゃの国
角銅博之 この話数も特に何もなく簡単な感じでした。
普段やっていることの積み重ねで以上。といったところ。
デジコードのくるくるがBANKとは別にあったので、BANKに合うように試してみたり。
08 みんなを救え!
進化するんだツノモン
梅澤淳稔 今回の雨は土砂降りなので、長く叩きつける感じにしてみたり。えらい長い間降るのでどのくらいの濃さでやればいいかは微妙。
打ち合わせの時に今回は水面出ますが、水面波ガラスはないです。でも次回はお楽しみに。なんて言われちゃいました。
09 敵はチャックモン!?
謎のテレビの森
吉沢孝男 森のTVのシーンのノイズはテイマーズで後半多用していたTVのノイズとほぼ同じものです。
なんかいいのが思いつくのがあればいいんだけど、この時点では思いつかなかった…。
友樹の棒を振り回すとこは観返すと、消えかけの割には温度ちょっと高そうですね。
バクモンの不穏な技は加藤さんでした。ヤバめなやつには使い勝手いいです。
10 ビーストスピリットは制御不能!?
ガルムモン進化
貝澤幸男 冒頭の逆行シーン等は時間的に厳しかったので、まるごと他の人にやってもらいました。
いい感じに仕上げてもらえてナイスでした。
Aパートラスト近くの洞穴の中の光の漏れ具合は結構お気に入り。
貝澤さんの回は相変わらずブラーや貝澤さん作のCGが多いのですぐわかるです。
11 俺を倒せ!
伝説の闘士ヴリトラモン暴走
今沢哲男 グロッドモンの魔法の粉と魔方陣はなにげに時間とられました。
魔方陣から出る噴射のCGは1話で貝澤さんが作ったCGのシートを参考にさせてもらって作りましたです。
12 ほえろヴリトラモン!
倒せ!ギガスモン
川田武範 モーフ多かったです。
それ以外は内容はそれほどなにかある訳ではありませんでした。
13 目覚めよセラフィモン!
十闘士の秘密!
角銅博之 十闘士がルーチェモンを封印して三大天使デジモンがくるくる回るところは、角銅さんが粗シートを作って、地岡さんがそのシートを細かく作って、うちがフィニッシュワークをつとめたりした三位一体なカットとかやったり。AE使いが揃ったからできる荒技ですな。
角銅さんのCGとうちのCGがうまくはまってくれた回だと思う。
14 雷よ!岩をも砕け!
ボルグモン決死のチャレンジ
梅澤淳稔 冒頭のトレインモンの乗っているところの画面動シーンは大きすぎてポケモンチェックにひっかかりそうだ。と厳重注意受けました。
初号のチェック画面がプロジェクターででっかいから余計に気になるんだろうけど、前からこんなもんだったのに文句言われるのがちょいショック。
これ以降は画面動は全体的に小さくなることになりました。
後半のスピリット出るところとかはクロス作るのがだんだんうまくなってきて楽しくて仕方ない感じ。
15 イカしたビースト進化!
カルマーラモン
吉沢孝男 冒頭のプールの波ガラスとかはえらい評判良かったです。もともとはどれみ担当の人がワンピースの海面用に作ったものなのですが、出来が良くて好きなので結構使わせてもらっています。
妄想系のDFはノリノリで作りました。イメージとしてはもやん。って感じで。
16 強いだけじゃだめなのよ!
美しき闘士シューツモン
中村哲治 AR分までやった後は、劇場に入ったので後半とかはやらなかったです。おまかせで他の人に頑張ってもらいました。
ジェラシーレインとかで使ったりしているのですが、ここら辺から拡散フィルターが自分の中でマイブームになってきたので、ちょこちょこしたとこで暫くいろんなのに使うようになりました。
M 古代デジモン(オニスモン)復活!!
(2002夏劇場)
今村隆寛 失敗と成功と、満足と後悔が妙に入り混じった作品。
この劇場では今村さんがやると決まった瞬間から、あの画面動を劇場でやってしまうのか。いいのか?と期待と不安でまずいっぱいです。シリーズと同じダブラシ画面動だと絵がもたないと思ったので、全体に少しブラー足すことにしたり。
ただ、そこまでは良かったのですが、いざ始まってみると画面動指定が全体の3分の1近くあるという大量ぶり。これはヤバいと思って焦りつつ、毎日画面動大丈夫っすか!?と電話したりするのです。その度にバッチリですと言ってくれたのですが、量的にこっちがびびって途中からは全体の揺れ幅を3分の2ぐらい落としました。
後で完成して流れたフィルムは何故か他の作品に比べて全体的にピン甘で縦揺れが少しあったので、効果としてはあまりうまくいかなかったやつとかもありました。
壁画とかに照らされる石の光はちょっと変わった感じ出したいと言われたので、輪郭部分を懐中電灯とかなんかで出てくるもわれ感を出してみました。なかなかうまくいって成功。今村さんもかなり気に入ってくれて、当初止めで流すだけにするようなことを言っていたメインタイトルでも照らし効果を入れることになりました。
9シーンの夕景は当初はロングのカットだけDFかかる予定だったのですが、うちは頑なに全カット入れましょうと提案。実際の空気の濃さとかで言えばアップとロングでは違うので同じだと変だったりするのですが、アニメの場合は書いてる絵の大きさが違うだけで、実際の画面の密度が違うわけではないので、通して入れた方が見た目がいいと思ったからです。色味はシーン通してほぼあっていたので、細かい入れ方しても問題無くできたのが良かったです。
エンシェントデジモンなのですが、劇場が立ちあがった当初からテストでテイク7まで行ったり。テイクを一個重ねるごとに今村さん、門さん、山室さん、うちでどうせならも一個足しましょう。とか、ここはこうしてみてください。とかいろいろやっていたら気付いたらテイクがんがん重ねることになりました。おかげで実際の画面ではかなり凝った造りになることに。ただ、エンシェント処理はうちが他のカットで手一杯で実際にはグレイモンのアップ1カットしかできませんでした。代わりに他のエンシェント処理をやってくれてのは、撮影監督助手(実際にはそんな役職ありはしないんだけど内部的にそう呼ばれていました。うちのチーフに)中山さんが頑張ってくれました。自分で作っといてなんだけど、重ねとか処理順がすげえめんどくさいカットになってしまったのでいろいろ申し訳無かったです。
全体的には本来観る対象である子供に対してダブらし画面動の多用で疲れさせてしまって、負担を強いる結果になったのが一番の反省点でした。作画の味をもちょっと生かしたかったってのもあるし。
逆にここまで好き勝手にできるのってもうあんま無いだろうなぁというぐらい、いろいろ実験的なことができて、実験的な画面そのものは概ね成功したのが収穫点なのでした。

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