贈る言葉

私は、耳に心地よい言葉で、きれいごとばかりを言って人の気を引くような、どこかの国の
総理大臣とは異なります。今まで皆さんに、厳しいことも言ってきましたが、今年もそれは
変わりません。
先日、小泉首相は、民主党の菅代表に、首相就任時に掲げた三つの公約は守られてはいない。
との追求を受け、こともあろうに「この程度の約束を守らないことは、大したことではない」
とのたまい、すっかり男を下げてしまいました。まあ、もっとも、小泉首相は「純ちゃーん」
などと、彼をアイドル扱いする頭の弱い庶民によって創造されたものであり、彼が総理大臣
になったこと自体大したことではなかったし、我が国にとっては不幸の始まりだったと言え
ましょう。
神道においては、人の言葉には霊力が宿るとされています。この霊力を言霊(ことだま)と
言います。他人の穢れた言葉を耳にしたならば、ただちに、清い言葉を以ってこれを清めな
ければなりません。皆さんも、発言をする時には、言葉を選びましょうね。
前置きが長くなってしまいましたが、この段では、今年も、ふんだりけったりの一年になり
そうな我が国に、示唆に富んだ、次の二つの言葉を贈りたいと思います。

「あらゆる中途半端さというものは内部的崩壊の明白な前兆であり、その前兆に続いて
遅かれ早かれ、外面的な崩壊が生じなければならないし、また生じるであろう。」

(アドルフ・ヒトラー著「わが闘争」平野一郎・将積茂訳 角川文庫)
あらかじめお断りしておきますが、私はネオ・ナチでもなければ、ヒトラーの信奉者でも
ありません。現在我が国には、中途半端があふれています。中途半端な構造改革、中途半端
な外交政策、中途半端な経済政策、中途半端な愛国心、中途半端な家族愛、中途半端な友情
中途半端な道徳心。もううんざり、としか言いようがありません。
すでに我が国では、政治・経済・社会のすべての局面において内部的崩壊が始まっているの
ではないでしょうか?

「政治とは、情熱と判断力の二つを駆使しながら、堅い岩に力をこめてじわっじわっと穴を
くり貫いていく作業である。」

(マックス・ヴェーバー著「職業としての政治」脇圭平訳 岩波文庫)
まさにその通りです。我が国が現在置かれている極めて困難で情けない状況から、抜け出す
には、渾身の力をこめて、事に当たらなければなりません。選良の名に恥じぬよう、心して
かかるべし。政治家諸君。03/01/28
トップへ戻る