皇位継承

皇統ハ霊統ニシテ血統ニアラズ
これが、神道に於ける皇位継承の基本的な考え方です。
霊統とは、皇祖神天照大御神の御霊(みたま)を天皇(すめらみこと)が代々引き継いで
いくという意味です。本来、
万世一系とは、このことを指します。
天皇の位を
天津日嗣(あまつひつぎ)と言い、日嗣(ひつぎ)とは霊(ひ)を継ぐと言う
ことに他なりません。
また、即位することを「あまつひつぎしろしめす」と表現し、皇太子は日嗣の御子と呼ば
れます。
古(いにしへ)に於ける皇位継承は、現在のように男系の男子のみに資格が与えられると
いうものではありませんでした。継承の順位は、天皇の勅命や朝廷に於ける合議によって
決定されることのほうが、遥かに多かったのです。
ですから、天皇の庶子や直系の女子、さらには皇后が皇位に就く場合もありました。
このように、かつては血統にかかわらず「すめらみこと」たるに、最もふさわしいものが
つまり、より高い霊性をもつものが即位していたのです。
しかし、これを以って女帝が無条件で認められる。という訳ではありません。

近頃、女帝を容認すべし。という意見も多くなってきていますが、私は反対です。
女帝容認論者たちは、大切なことを見落としています。
古代の推古天皇から江戸中期の後桜町天皇まで8名の女帝が存在しますが、女帝の生んだ
御子が皇位に就いた例は、ひとつもありません。
女帝は、あくまでも次にふさわしい男子が現れるまでの中継ぎに過ぎないのです。
このことに関連して、
先代旧事本紀大成経(せんだいくじほんぎたいせいきょう)という
古史古伝の中に興味深い記述があります。
これは、聖徳太子が秦河勝に編纂させた全72巻の膨大な書物ですが、ここには
「男は、
男の相と女の相を合わせ持つ。しかし、女は女の相しか持たない。」
と記されています。
解りやすく言いますと、生命の土台は、男の相と女の相から成り、男は両方の相を持ち、
男の相を失うと女に成る。と言う事です。
御存知の通り、Y染色体とX染色体が結合すると男が生まれ、X染色体とX染色体が結合
すると女になる訳ですが、
男の相をY染色体、女の相をX染色体とすると、現代の遺伝学
のXY=男、XX=女の関係と、先代旧事本紀大成経の記述がピタリと一致するのです。
また、Y染色体は
「Y染色体の一部は全く変化することなく子孫に受け継がれていく」
いう特性を持っているそうです。
つまり、X染色体の伝える形質は、Y染色体によって支配され、変質させられてしまう。
と言うことなのです。
古の日本人は、この原理を良く理解していたが故に、緊急避難的措置として女帝を立てて
も、その子を天皇には即位させなかったのではないでしょうか?

天孫降臨によって、我が国体の形は定まりました。
現実的対応として、いずれ女帝を立てざるを得なくなるかもしれませんが、その子供を次
の天皇に即位させることは、皇祖神より引継ぎし霊性を失わせ、我が国体を滅ぼすもので
あります。
我が皇室は、欧州のような王様ごっこの世俗的君主ではありません。05/01/03
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