禊と祭政一致

神道大教四大信條要典第一章天徳第十節
「天変地異は偉大な鎮魂の道場で、俗身が霊体と化する唯一の潔場(みそぎじょう)でも
 ある。」

鎮魂の鎮とは、鎮(しず)める。の意で、鎮めるとは、荒れたものを穏やかな状態に戻す
ことを指し、転じて鎮魂とは、魂を澄みて清らかな天来の姿に戻すことを言います。
また、禊(みそぎ)とは、清浄な水で穢れを洗い流すという意味です。

本年は、台風の我が国への上陸回数が史上最多となりました。
被災された方々にとっては、悪魔の仕業としか思えないような出来事であったかも知れま
せんが、台風もまた、天徳の顕われであり、神の摂理(みはかり)に他ならないのです。
神は肉体を持たず、言葉を発することもできません。
神は自らの意志を人間に伝える為に、かなり手荒な手段ではありますが、天変地異を引き
起こすのです。また、同時にそれは、神の荒魂(あらみたま)の発動でもあります。
古より人間は天変地異により神の御心を知り、己の日頃の行動を反省し、清く明るく直く
正しい道へ還ることができたのです。

現在、我が国には、まがこと(禍事または凶悪事)が満ち溢れています。
まがこととは、曲がっている状態、正しくない状態を言いますが、神は自らが生み出した
清浄な水で、国土を洗い流し、私たち日本人に神意を示そうとされたのです。
台風の進路は、九州に上陸して、瀬戸内海を東へ進み近畿に到る。という
「神武東征」
全く同じ道を辿っています。
私には、このことは八百万の神々が、私たち日本人に
「神武創業」の理念に立ち返り、心
を入れ替えて、異民族異教徒に翻弄されることなく、堂々と惟神の大道を歩み、国づくり
に励め。と、叱咤激励をしているとしか思えません。
このことに気付いている政治家は、現在、我が国にどのくらい存在するのでしょうか?
私は断言します。皆無です。一人もいません。

日本列島を含めた、森羅万象大自然の一切は、伊邪那岐神と伊邪那美神が結婚して生み給
まいしものであり、私たち人間もまた、神の子であります。
人間は神の御心を想い、大自然の法則に従って、つまり自然の一部として生きて行かなく
てはならないのです。
そして、
政治も神の御心と大自然の法則に叛くものであっては、決してなりません。
これこそが、本来の「祭政一致」の理念なのです。

祭政一致とは、宗教の教義、信仰に従って政治をするものと誤解している人があまりにも
多いのですが、宗教と政治が渾然一体となっているのは「政教一致」で、学会と公明党が
その最たるものです。

古より我が国では、神を祭り神の神意を慮り、政り事(まつりごと)つまり政治を行って
きました。政治を為す者は、神の如く清らかな魂の持ち主でなくてはなりませんでした。
マックス・ヴェーバーは、その著書「職業としての政治」の中で次の様に述べています。
「政治にタッチする人間は悪魔の力と契約を結ぶものである。」
現在の我が国の為政者は、これを誠実に遵守しているのです。04/10/05
トップへ戻る