桃太郎ペルシャ遠征

イラク問題における、国連の査察継続を審議するための、国連安全保障理事会の公開討論が
2月18・19日の両日、ニューヨークで行われました。
査察を打ち切って、イラク攻撃を開始したい米国と英国に対し、査察を継続し、あくまでも
平和的解決を目指す。とする意見が、討論参加国の多数を占めている中で、我が国とオース
トラリアの2カ国は、米国と英国に同調し、イラク攻撃やむなしとの意志を明確にしました。
オーストラリアは既に、ペルシャ湾に部隊を派遣していますが、我が国は、それでも、国連
安保理の決議がなければ、イラクへの武力行使を行なうべきではない。と国際世論にも配慮
してはいるものの、「米国支持」の姿勢を鮮明にしました。やはり、「のらりくらり」とい
うわけには行きませんでしたね。なにしろ我が国は、米国の「不沈空母」なのですから。
ところで、この米・英・日・豪4カ国の連合とイラクの対立の図式を見ていて、私は気が付
いてしまいました。それは、イラクのフセイン大統領を「鬼」とすれば、米国のブッシュ大
統領は、独り善がりの正義感に燃えた「桃太郎」であり、英国のブレア首相は、彼にあくま
でも忠実であろうとする「犬」であり、日本の小泉首相は、非力で戦力的にはほとんど役に
たたない「キジ」であり、オーストラリアのハワード首相は、ずる賢い「サル」になぞらえ
ることができましょう。実際、ブレア首相は、「ブッシュのプードル」と非難されています
し、ハワード首相は、米国の「猿まね」と揶揄されたポスターが街に貼られています。
桃太郎は、鬼が島へ犬とキジとサルの御供を連れて、鬼退治に行き、鬼をこてんぱんにやっ
つけて、もう二度と悪さはしません。と約束をさせて、鬼の宝物をどっさり持ち帰ったわけ
ですが、イラクの宝とは何でしょう?また英国・日本・オーストラリアにとっての、ご褒美
である、きびだんごとは何を意味するのでしょうか?
いずれにしても、それは目先の利益に過ぎません。これから長い目で見れば、重大な不利益
をもたらすであろうことは、間違いありません。ここは、血で血を洗う闘争を、長年繰り広
げた末に、平和のうちに共存する道を選択した「古い欧州」に学ぶべきでありましょう。

神道大教四大信條要典第三章清浄第十一節
「闘争によって物事を処理するは素手で激流を堰(ふせ)ぐに等しく、自らも生命を落とすこ
ととなる。」03/02/23
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