汝の国を愛せよ

先日、中央教育審議会は「新しい時代にふさわしい教育基本法と教育振興基本計画の在り方
について」の中間報告を発表しました。
私の息子も、来年四月から小学校に入学しますので、その内容は大変気になるところですが
当初、「愛国心」を養うべき、との文言が盛り込まれていたにもかかわらず、批判が相次ぎ
結局発表段階で削除されてしまいました。
また、この中間報告では、これからの教育の目標として「21世紀を切り拓く心豊かでたく
ましい日本人の育成」を目指す、と謳っているのですが、私には「愛国心」の欠如した子供
が心豊かでたくましい日本人に育つとは思えません。自分の生まれ育った国を愛することが
できず、自分の国の伝統や文化に誇りの持てない人間は不幸としか言いようがありません。
今後ますます国際社会は緊密化して行きます。民族と国家の在り方も、自ずから変わらざる
を得ません。グローバル化の進展と反比例するかのごとく日本人の「愛国心」は薄れつつあり
ます。教育において、子供たちに国際社会の一員としての自覚を促すことは、もちろん大切
ですが、
民族のアイデンティティを涵養し、子供たちに「愛国心」を喚起させることなしには
我が国の惨めな状況を打破しなければならない。という気概も生まれることはありません。

ただし忘れてはならないことは、「愛国心」とは偏狭な国粋主義に容易に転化する。という
ことです。戦前の臣民教育は、愛国心と大和民族の優越性を強調し過ぎた感があります。

現在、我が国には利己的で、自己中心的で、自分さえよければいいと言う人間が増えつつ在
ります。彼らには我が国の一員であると言う意識が、完全に欠落しているのではないでしょ
うか?このような人たちは、我が国の行く末について、一度でも真剣に考えたことがあるの
でしょうか?
このような、自分のことしか考えられない幼稚な大人をこれ以上増やさないために、今後は
この急激なグローバル化の中で、民族と国家の尊厳をいかにして守るか?ということを、
理性的に慮ることのできる、真の愛国者を育てる教育を目指して欲しいものです。

選良たる国会議員たちには、もはや何の期待もできない。ということがはっきりした今、
次代を担う子供たちの中から、我が国を復活させる救世主が現れてくれることを、願って
止みません。02/11/28

※涵養(かんよう)   水がしみこむように、自然に養成すること。
※慮る(おもんぱかる) 後への影響、周囲との関係や先例などすべての可能性を考慮する。
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