天徳・地恩・清浄・光明

この間、このホームページを閲覧していただいた方から、ご質問がありました。
神道大教の四大信條の天徳・地恩・清浄・光明の意味を教えて下さい。という内容でした。
このサイトを開設してから2年になりますが、そういえば肝心かなめの四大信條について
の説明はまだでした。大変失礼いたしました。
というわけで、この段では四大信條についての概略をご説明いたします。
なぜ概略なのかと申しますと、これは非常に奥の深い世界でありまして、私自身いまだ
全てを知り得ない領域であるからです。

天徳(てんとく)
天徳とは、宇宙観をあらわします。
宇宙の根本生命である
天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)の御神徳を天徳といい、
これは光であり、空気であり、また大自然の営みの一切の現象でもあります。あるいは
人類生活においては、善因善果、悪因悪果をもたらすところの道徳律となり、道義心と
なり、慈悲となり、愛となり、誠となるものであります。
※神徳 神のすぐれた力。
※天之御中主神 神の初め。宇宙霊として大自然の働きを司る。

地恩(ちおん)
地恩とは、世界観をあらわします。
高皇産霊神(たかみむすびのかみ)ならびに神皇産霊神(かむみむすびのかみ)という二神の
お働きの総称をいいます。これら二神の活動によって現象界が生じます。現象界とは、
動物と植物が密接不離の関係を結んで共存共栄の生活を営んでいるこの地上界を指します。
そこには陰陽の別があり、生物には雌雄を作り、また強には弱、有情には無情、建設には
破壊のお働きがあり、このように矛盾背反するものが調和し、均等に存在しているのです。
※高皇産霊神、神皇産霊神 睦の神、結びの神。天之御中神の思いはかりによって宇宙に
 出でまし、万象を産み、育て、修め造る業を受け持ち給う。
 これらの神を
造化三神という。

清浄(しょうじょう)
清浄とは、人生観をあらわします。
それは神の世界であり、人類の理想であります。私たち人類はおのおの自己の生命を保持
しなければならないが為に、利己的な個人主義に陥りやすいものです。
個人主義が過ぎると貪欲、欺瞞、闘争、殺戮等いわゆる罪悪を発生させることとなり、
滅亡のもととなります。しかし人間の魂は、本質的に真善美と聖なるものを求めて止まな
いものであります。従って、禊、祓い、鎮魂等の修行に精進して我執妄執を除去すれば
完全無欠なる曇りなき神の御心に還ることができるのです。

光明(こうみょう)
光明とは、処生観をあらわします。
光明は神で、人類の歩む道であります。我執妄執を除去した魂は神に還り、神我一体と
なった時、宇宙即我、我即宇宙の世界が転回し始めます。この世界は無我の世界であり
自他の差別を離れ、矛盾相克を超越した神の世界であるが故に、憎しみもなく、怒りも
なく、たとえその身は不遇逆境にあっても、心は常に満悦し、自分を謗る者に対しても
之を愛し、自分を疎んずる者に対しても之に感謝するものであります。
人類は、清く明るく直く正しい道を歩み光明世界の建設に精進すべきものなのです。

以上ですが、これを生活の中で実践することは大変難しいことです。しかし、私たちは今
我が国が置かれている状況を少しでも良くするために、信心しなければなりません。

※神道大教四大信條要義より抜粋。02/08/01
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