兼元(二代孫六)

  最上作 最上大業物





  古刀 (1530年頃)
財)日本美術刀剣保存協会 
  第三十六回重要刀剣指定品
(附)青貝微塵塗鞘半太刀拵







長さ75.8cm 反り1.3cm 目釘穴3個
元幅3.0cm  先幅2.0cm 元重0.8cm
 

 兼元は俗に関の孫六と称せられているが、その作刀によれば元来は同国赤坂に住したもので、その末葉が関に移住している。 孫六は代々の一家の通称と思われるが、世に称讃される孫六兼元は二代で、永正頃の人であり、称せられるところの三本杉もこの時代のものは余り規則的ではなく変化があり、時として本作のような大様な波紋もみる。 末関としては地鉄がよく冴え、匂口もよく、少し磨り上ってはいるが極めて健全で、銘字にも力強く特色がみられる。 (重要刀剣等図譜より抜粋)

 姿、鎬造、庵棟、身幅やや広く、先反りつき、中切先延びごころとなる。 鍛え、板目に杢目交り、処々流れごころとなり、地沸つき、白け映りたつ。 刃文、互の目・互の目丁子・尖り刃交じり、足入り、匂勝ちに小沸つく。 帽子、乱れ込み、先掃きかける。 茎、生ぶ茎(異論有)、区送り、先剣形、 鑢目鷹の羽、目釘穴三。

 世に名高い「関の孫六」の傑作。 古来より斬れ味の代名詞として子供にまで知られた名ですが、現存する孫六の作は極めて少なく、重要刀剣指定品もわずかに19振りしかありません。 その数は藩政時代に迫害にあった村正の重要指定品と同数であることからも、いかに現存数が少ないかが分かります。 片手打ち全盛の時代にあって他工同様二尺から二尺二寸前後の作が多く、二尺五寸を超す長寸の作は重要刀剣指定品中たった三振りのみ、本作は二番目に長い作になります。
 拵は贅を凝らした幕末の半太刀拵で、金具は水戸の名工萩谷勝平の手によるもの。(縁金具に銘有り) 本作は仙台伊達家から出たと伝え聞き、目貫の竹雀紋がそれを裏付けています。