城慶子正明精鍛之
  明治二己巳年冬十一月


   上作





 新々刀(1869年)

財)日本美術刀剣保存協会 
  特別保存刀剣鑑定書付






長さ27.3cm 反り--cm 目釘穴1個
元幅2.8cm  先幅2.0cm 重ね0.7p

 水心子一門の俊英細川正義に学んだ城慶子正明は師の覚えもめでたく、師正義そしてその嫡子正守の跡を継いで美作藩津山松平家の藩工として召し抱えられる栄誉を賜ります。 江戸深川森下町に住み、明治の初め頃まで鍛刀したと伝えます。 作風は主に備前伝であり、師匠同様に新々刀期きっての備前伝の名手です。 

 姿、平造り、重ね厚く、身幅尋常。 鍛え、小板目よくつみ、地沸微塵に厚くつき、地景細かに入る。 刃文、丁子に互の目交じり、匂深く小沸つき、足長くよく入り、匂口明るく冴える。 帽子、乱れ込み小丸に返る。 茎、生ぶ、先刃上りの浅い栗尻、鑢目筋違、目釘孔一。

 城慶子正明は師匠である細川正義の作風をよく受け継ぎ、師に勝るとも劣らない技量の持ち主です。 他の刀工と違い、生涯備前伝に終始しました。 備前伝の名手が多い水心子系の刀工の中でもその技量は際立っています。 本作も匂出来の丁子乱れに互の目を交えた華やかな備前伝で、まさに正明の真骨頂を示した傑作。 茎の鑢目が独特な深い突っ掛け鑢で、師細川正義同様、その力強い仕立ても見どころの一つです。 
 同時期に制作された大変に豪奢な総銀地刻鞘合口拵が附属しています。