無銘 伝真景 

    上作 良業物 




  古刀
(貞治頃 約650年前)

財)日本美術刀剣保存協会 
  第二十回重要刀剣指定品








長さ63.8cm 反り1.0cm 目釘穴3中2埋
元幅2.9cm 先幅2.2cm 元重--cm


 大磨上無銘の刀で加州真景と伝えている。 真景は越中則重の門人といい、後に加州に移住し、現存するものには、短刀に在銘があり、貞治の年紀を見、同名二代あるものと思われる。
 この刀はその一作風を示し、所伝はほぼ首肯し得る。 (重要刀剣等図譜より抜粋)

 形状、鎬造り、庵棟、反り浅く、中切先延びごころとなる。 鍛え、板目に杢交じり、肌立ち、地沸つき地景入る。 刃文、互の目乱れに小のたれ交じり、ほつれて湯走りかかり、小足入り、砂流し頻りにかかり、金筋よく入り、匂深く、沸厚くつく。 帽子、乱れ込み、先小丸に返る。 彫物、表裏に棒樋を掻き流す。 茎、大磨上、先切り、鑢目切り。

 地肌に地景が目立ち、地沸厚くつき、刃文はのたれ調に互の目を交え、ほつれて沸づき、金筋・砂流し、湯走りが頻りにかかるなどの作風で総じて相州伝色が顕著であるが、鍛えに北国物特有の肌合が看取され、また刃文の沸づきの様態には渋い味わいがあり、処々刃縁がほつれ、匂口が沈みごころを呈している等を勘案すると加州真景と鑑するのが妥当であり、極めは首肯されるものである。  大磨上ながら覇気横溢し、同工の特色を存分に示しており、且つ出来が大変優れている。 刃中の様々な働きが豊富な一口で、則重風をよく継承した秀作です。