備州長船祐定作
  天文廿年八月日







  古刀 (室町時代、1551年)
財)日本美術刀剣保存協会 
  保存刀剣鑑定書付
  打刀拵・保存刀装具鑑定書付
  鐔・保存刀装具鑑定書(江戸肥後)付






長さ70.2cm 反り2.2cm 目釘穴1個
元幅3.05cm 先幅1.9cm 元重0.75cm
 

 祐定は室町時代末期の長船刀工群の中でも最も繁栄した一族で、「古今鍛冶銘早見出」に拠れば、銘に俗名を冠した祐定だけでも二十一人挙げており、俗名を冠しない刀工はその数倍いたと思われます。 中でも与三左衛門尉、彦兵衛尉、そして源兵衛尉を冠する刀工はとりわけ技量が高いとされます。

 本作は俗名が無いながらも良工による注文品と思しき優品。

 形状、鎬造、庵棟、腰反り高く、先反りつき、中切先となる。 鍛え、板目肌に杢目、大肌ごころ交じり、地沸つき、地景入り、棟寄りに淡く乱れ映り立ち、区付近より水影あらわれ、かね冴える。 刃文、区上を焼落し、その上は直刃に小互の目交じり、足・葉入り、沸よくつき、ほつれ、金筋、砂流し細かにかかり、匂口明るく冴える。 帽子、掃き掛けごころに小丸。 茎、生ぶ、栗尻、鑢目勝手下り、目釘穴一、表裏目釘穴下棟寄りに大振りの銘・年紀がある。

 この刀は常寸の長さに、身幅が広く、腰反り高く、先反りのついた優美な姿で、肌立ちごころの板目に映りが立ち、刃文は広直刃に足・葉が入り、沸づくなど、末備前の直刃の特色が顕著です。 平安時代の作のように敢えて区上で焼落している点が大変珍しく、反りの深い太刀風の姿であることを考慮すると、特別な注文により古作を写したものかと思われます。
 俗名を冠していないが入念な注文作であることが理解され、古来より「末備前の注文品には優品が多い」との評を裏付けている。 地刃共に健全であり、肉置きも豊かであることが好ましい。 江戸後期に制作された朱石目塗鞘肥後打刀拵が付属。