アクセルのランディングについて他


Q. ジャッジの意見として教えてください。
シングル・アクセルの着氷に失敗してオーバーターンやフリーレッグをついてしまいそうな時、急遽着氷した時点でシングル・ループをつけてコンビネーションにしました。成功ですがループのランディングあまり流れませんでした。この場合、単独で止めておいた方が良かったのでしょうか?


A. 通常のフリーにおいてはどちらも同じ、というよりは程度によるでしょう。同じループコンビネーションでも、ジャッジから見たとき、普通のループコンビネーションで後ろのランディングが流れないと取れるもの、もともとループコンビネーションで1つ目で少しバランスを崩したが2つ目を強引に成功させたと取れるもの、単独のジャンプであろうものに、耐え切れずに飛び跳ねて結果ループになったもの、で違います。
1つ目は成功と取るでしょうし、2つ目は成功と取るが質が低いという扱いになるでしょうし、3つ目は、失敗に近いですね。
同様に、単独で止めた場合でも、そこで流れを止めつつもチェックの姿勢を1秒なり維持できたもの、チェックはしたが止めきれずにすぐに次の足を出してしまったもの、オーバーターンしてしまったもの、など、いろいろあります。まあ、耐えそこねてこけるよりは、飛んでチェックしたほうが確かにましですね。
何にしても、成功と失敗という区別は完全な境界はなく、そのラインはジャッジごとにも異なるため、厳密にどちらが良いかは言えません。ただ、一般的には飛ばなかったほうがいいです。
理由は、経験のあるジャッジほど、失敗して飛んだということがばれるということ(僕でも90%は分かる)、ばれた場合は、ステッピングアウトに近い動作であり、ステッピングアウトはジャンプとしては失敗として扱われるため、ループの形になっても失敗よりのイメージがつく、などです。
あと、次の質問で3級フリーの話が出てきますが、バッジテストなら絶対に飛ばないほうがいいです。要素としてアクセルが指定されている以上、余計なことはやらないほうがいいです。ショートプログラムではないですが、ショートなら、余計な要素として大減点が課せられる可能性があります。基本的には、決められたことはきちっとやる、それが一番です。例えば3級なら、コンビネーションジャンプもフリーの要素に入っていますが、そのアクセルはコンビネーションをやったとして扱われ、アクセルは飛んでいないという取り方もできますよね。

なお、これはジャッジとしての意見ではありますが、すべてのジャッジがそう思っているわけではないということに注意してください。一般的にはやらなかった方がいいと書きましたが、私がジャッジなら、それは絶対に点数に影響しません。つまり、どちらでも同じということです。そんなちょっとしたことは順位に影響しません。ジャッジは、最終的にはその人の総合的な能力を図っているのであり、些細なものにとらわれては点数がつけれません。アクセルでいうならば、ループをつけたにせよつけなかったにせよ、アクセルがぎりぎりできる選手、と見られる意味で全く同じです。バッジテストでも同じです。3級のフリーの力を持っているなら、通しますし、そうでなければ、落とします。その1つで絶対に決まりません。バッジテストの手引きにも、3級フリーの欄に、1から2のエレメンツの失敗があっても、全体のプログラムのレベルを見て判定する、とかかれています。

長くなりましたが、結論としては、基本的にどっちも同じであるが、厳しいジャッジはそのループをマイナスに取るので、どちらかというとやめたほうがいい、ということです。



Q. あと、3級フリーのスパイラルシークエンスはサーペンタインでなければならないのですか?サーキュラー希望なのですが。2分間のうちのスパイラルの時間が負担に思います。さらに、僕は体が固くてイーグルも苦手なのです。長時間無様な姿をさらすのがツライです。


スパイラル・ステップ・シークエンスは、サーキュラーでもいいです。ただし、リンクの幅をいっぱいに使っていること、3つのスパイラルポジションを含んでいることが条件です。ちなみに、厳密にはイーグルやイナ・バウアはスパイラルの1つにはカウントされません。ルールブックには、イーグルなどはコネクティングステップとして記載されています。だから、イーグルが得意な人も、それで逃げれるわけではないということです。さらにちなみにですが、今年のルール改正で、スパイラルポジションは両方の足を含むことが義務付けられました。
以前は私も3級フリーのスパイラルは苦痛でした(^_^;)。ま、テストだけだから我慢しましょう。



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