失敗はどれだけ順位に反映すべきか・・・。
4体陸を見て思った。今年の全日本女子は大荒れだった。結果、村主さんは3位。全部テレビに出てなかったし、何よりも生で見てないのではっきりとは言えないが、テレビで見た限りは順位は妥当であったと思う。
4体陸の女子SPでは、村主さん、恩田さん、椎名さんの順に並んだが、その出来に大きな差があったとは思わない。しかし、点数の差は大きかった。そして、今回もその順位は妥当であると思った。
ぶつぶつ・・・。
両方とも試合を生で見ていないので大きなことは言えないが、考えさせられるものがそこにはあった。椎名さんはまだいろんな意味でジュニア。世界レベルのシニアに入ると武器がなくなる。だから簡単には順位が出ない。点数も出ない。そう、まだ今の力では世界に通用しない。最も、ジュニアの時点であれだけの力を持っていれば、これからまだまだ伸びてくるだろう。これから世界で通用する技術を順に身に付けてゆけばいいのだから。
逆に、村主さんには武器がある。スピード、ジャンプの質、昨日であればスピンの回転速度。十分、世界でそれなりに上に行ける力を持っている。だから、ミスが入ってもあるところまでしか順位は下がらない。世界大会ではこの2人の順位がひっくり返ることはほとんど考えられない。
確かに、全日本の村主さんは何かおかしかった。スピードやジャンプの切れといった武器も失っていた。スピンも昨日のSPのようにプラスになるような回転速度ではなかったように思う。そう、だから全日本の順位は妥当なのだ。
しかし。もし僕があの全日本でジャッジに入っていたなら、村主さんに1位をつけるだろう。揺るぎ無い力の差がある、そう決め付けてしまっているからだ。そういう先入観は時としてジャッジングに混乱をきたす。僕は力のある選手にその力を見落として低い点を付けることはほとんどないと思っている。だが、逆に力がある選手に対しては失敗が入ってもあまり点数を下げないことがある。
つまり、どこまで失敗をしたらどの程度の力の差までをひっくり返すのか、確固たるものを持っていないのである。もちろん、失敗の度合いとは、数だけではなく、その失敗の程度など、数値には置き換わらないものであり、また力の差というのも数値には置き換わらないものである。よって、失敗の程度と力の差とを比べるときにそのラインを人に示すこともできなければ教えてもらうこともできない。
できることは、経験をつみ、確固たる自分の基準を持つことだ。その意味ではまだまだジャッジの中では入門レベルの駆出しのぺーぺーである。来年度はいよいよジャッジとしてもB級に上がり、活動範囲を大幅に広げることができる。経験をつむチャンスはいくらでも作れる。
話は少しそれてきたが、ようは失敗をどこまで順位に反映をするのか、難しいのである。だから、頼むからみんなミスはやめよう!点数つけにくいから。
・・・。
いや、そんな結論のわけがない。結論でボケるのはよくない。
できの違いと力の違い、これをどこまで正確に評価できるのか、これは僕の永遠の課題でしょう。