上達への障害を取り除こう
上達にはコツがある。ただがむしゃらにやればうまくなるわけではない。そう、指導を受けずにうまくなる人間はいないのだから。
上達するためには、その障害を取り除くことが非常に重要な手段である。確かに、ある技術を成し遂げるためのワンポイントの
アドバイスは重要だが、多くの技術に共通するベースを確立することは、明らかに上達への近道である。
実際のところ、まず克服すべき弱点はその人その人で異なるものであるので、ここで最大のアドバイスを送ることは不可能である。
見たほうが早い!と言ってしまえばそれまでになってしまうので、ここでは多くの人に共通する項目を挙げたい。
まずは、これ。腰が止まらないってやつ。意味がわからない人は少し下の注釈1へ。これはほとんどみんなが持っている、すごく大きな弱点。そう、簡単に腰は止まらない。よく、腰が止まってないから腰を止めろと教える人がいるけど、これは大きな誤り。腰を止める技術がない人に無理やり腰を止めさせても余計にうまくいかない。重要なのは、腰を止めなければいけないという情報を教えることではなく、腰を止める技術を教えること。そして、選手から見れば、腰を止める技術を学ぶこと、体で覚えることが重要。ジャンプの前に腰が完全に止まってそのまま踏み切れれば、ジャンプの上達は一気に早くなる。そして、それを通じて腰を止めるということを知れば、スピンやステップにも通じる。
では、どうやってその技術を養うのか。これは、ターンの練習、それも腰を止めることを強く意識した練習でしか養えない。自然につく程度の技術のつき方では、4年間では間に合わない。
まずは、コンパルにターンを入れる。半円でスリーターンをして、もう半円帰ってきたらそのターンは半分合格。そして、それと並行して行う練習が、同じことをスピードを出して、コンパルの円ぐらいで、そしてホッケーサークル程度の円でできること。これができればかなり大きい。この円を書き終わったところでジャンプが飛べれば最高。6種類全部ね。これができたらマニアと呼んであげよう(いらない?)
さてここで、円は無理ーっ、とか言ってあきらめないように。いきなりは誰もできない。そして、完全にはできなくても、近いことができるだけでも十分意味がある。例えば、円が無理なら、まずは半円でいい。それも無理なら、1/4でもいい。肝心なのは、そこから少しずつ伸ばしてゆくこと。
(注釈1)腰が止まる、止まらない。
例えば、スリージャンプの前に、踏み切る足で3秒滑ってから踏み切れますか?踏み切れない人は、こういうケースじゃないでしょうか?まず、そこまで待てない。右足が前に出てきて、そのまま待つとスリーターンしてしまう。この状態が腰が止まっていないという状態。これを無理やり待とうとすると、今度は踏み切るタイミングがつかめない。3秒待ってもすぐに飛ぶのと変わらず飛べる人、それは腰が止まっている人。あるいは、腰を止めれる人。他のジャンプも同じ。腰が止まっていればしばらく待っても普通に踏み切れる。逆に止まっていなければ、タイミングが合わず飛べない。
次は、腰が外れるというやつ。あるいは、腰が引けてる。おしりが出てる。軸が折れてる。いろんな言い方があるけどね。
スケートにおいて、もっとも重要なのは腰。すべての運動の中心は腰。その腰が軸の中心から離れれば離れるほど、力が伝わらないし、回転軸が太くなる。上達は格段に遅くなる。そして、見栄えもしない。この癖は、スケートをやってく上で致命傷になりうる。でも、うまくなった人間がすべて始めから腰が安定してたわけではない。でも、うまくなった人間はみな腰が安定している。そう、腰の安定性も練習で養ってゆけるものである。
ではその克服方法。まずは、腰が引けててはうまくいかない技術の存在を知ることが大事。もっとも顕著なのは、同じ方向への連続ターン。それも、ハイテンポで。別にスリーターンの連続でなくてもいい。モホークとアウト抜けの繰り返しでもいい。そんな名前すらなくてもいい。滑りながら、両足使っていいから連続で回ってみろということ。で、これをするとみんな膝が伸びてくる。膝を曲げようとすると、また腰が出てくる。これはすぐには直らない。では、どうするか。連続ターンと、普通のクロスを半円ずつとか、1/4円ずつとか、交互にやればいい。そして、その中でちょうど中間的な、膝もそこそこ曲がって、腰もそれほど引けてこない、自分にあった位置を見つければいい。そんなすぐにできるものじゃない。だからこそ、普段から少しずつでもやっておくことが重要なのである。
次はその逆。腰が外れないようにするあまりか、膝が曲がらない。これは、ひたすら円クロスをやる。それも、少しでも小さい円で。スピードを落として小さくするのは意味なし。スピードを落とさずに、少しでも小さい円にしてゆく。そうすると徐々に膝が曲がるようになる。それをやって、腰が引けてくる人は1つ前の項を参照。なお、それをやる以前にそこまでスピードが出ない人は、どの道滑りこみ不足。これはもっと大きな弱点。そんな人も、結局は多く円クロスをすることが重要。
さて、とりあえず3つ書きました。腰が止まっていて、腰が安定していて、膝も曲がっている。そんな人は絶対うまくなりますね。
このページは、気がついたら(気が向いたら?)項目を増やしていくことにしましょう。