ジャッジの仕事


ジャッジとは、何をしないといけないのでしょうか。
答え。点数を出す。以上。

・・・。

いや、それで終わりならこんなページは作らない。というか必要ない。そんなことを言いたいんじゃなーい。
ジャッジの一番の仕事は、ずばり、自分のポリシーに基づいて自分の思った順位をつけることです。そう、自分がよりうまいと思ったほうにより高い点数を出す、ただそれだけなのです。良いジャッジとは、周りの人がつけている順位、あるいは最終順位と結果的に同じ順位をつけているジャッジではなく、自分のポリシーを最後まで貫けるジャッジだと思います。そして、試合では、複数のジャッジの、それぞれの個性がぶつかって、言わば多数決的に順位が決まる、それでいいのです。何も価値観が偏っていることが必ずしも悪いジャッジではない、そういうことです。
ゆえに、試合では大人数でジャッジをするのです。多くの価値観があるからこそ、偏らないように少しでも多くの人数でジャッジをするのです。
しかし。
よく、選手から、あのジャッジの点数はどう、とか、ジャッジを批判するような発言を聞きます。しかし、詳しく分析することもなく、ただ印象だけでそういう発言をすることは控えてもらいたい。
実際に、理解できない点数をつけるジャッジがいないというわけではないでしょう。そう、ジャッジは完璧な人間ではないのですから。また、ジャッジも試合で実際に点数を出しながら、経験をつみ、いいジャッジに成長してゆくのですから。成長するということは、言い換えれば、現時点ではまだ完璧ではないということですから。完璧でない以上、ポリシーに従っていない点数をつけることがあるのも、仕方がないことでしょう。
そう、すべての選手に完全に一貫して点数をつけることもかなり困難です。だからこそ、大人数でジャッジをするわけでもあるのです。多数決なら、若干評価を誤っても、最終順位にはほとんど響かないですから。
もし、あのジャッジは、点数が暴れている、そう思うなら、次に考えることは、どういうポリシーで点数をつけているかを分析することです。その上で、本当に暴れていると思うなら、そういう発言をするのも仕方がないかもしれません。本当にそうであるならば、試合後にそのジャッジも反省しているはずです。そう、その試合のジャッジングを次のジャッジングに活かすために。それを、何の分析もなしに、ただ印象だけで点数を批判しているならば、それは失礼極まりないと言うことを覚えておいてください。

結論。
ジャッジはみんなが思っているほど暴れた点数を出していない。それは、後から分析すれば一目瞭然だ。
しかし、ジャッジもミスはする。ゆえに、多人数で順位を決定するのだ。しかしそのミスは順位にほとんど影響しない。
もし、そのミスで順位が変わるほどの僅差なら、どうせジャッジ構成が変われば順位は変わるのである。その僅差を制する力を持っていなかったことを反省すべきだ。
それでも出てくる点数に文句があるのなら、引退してから自分がジャッジになってそれを改善していってくれ。

P.S. ・・・と書くとメールのようだが・・・。ジャッジ一人のミスで順位は簡単には変わらない。それで変わるならば、もともと逆転していても問題はないわけだ。だから、引退してからジャッジになるのに、何の遠慮もいらない。とりあえずやってみたらいい。どんな名ジャッジも、始めは素人ジャッジなのだから。大事なのは、まずトライしてみることだ。


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