コンパル入門編 増強版


コンパル入門編は、純粋にコンパルの練習と考えて書いたが・・・やっぱり、単にコンパルに終始せず、基本的なエッジの乗り方を学ぶための練習として、ちょっと増強することにしました。

コンパル入門編には、フォアクロスとバッククロスが先にできている必要がある、と書きましたが、それはあくまでもコンパルをそれなりの形に持って行くため、です。実際には、クロスでエッジに乗る練習としても、ここで挙げる練習は役に立つでしょう。

タイトルに少し反するかもしれませんが、内容的にはクロス・コンパル入門への入口、というとこですね。

まず、目的をはっきりさせましょう。ここでの目的は、正しいエッジに乗ることです。更に詳しく言うと、正しいエッジの傾きで、正しい腰の向きで、完全に腰が止まった状態に持って行くことになります。難しく聞こえますが、これまで1年生やスケート教室で教えた経験では、ちゃんとやればちゃんとできることが分かっています。癖がつけばつくほど、難しくなっていくという事ですね。

では、練習方法などを順に説明してゆくことにしましょう。

まず、フォアアウトから。

コンパル程度の円で滑ります。スピードは、コンパル程度でいいです。体もまっすぐ起こし、膝はほとんど曲げなくてもいいです。ほとんど、コンパルですね。このとき、フォアアウトの方の足は氷から離さないようにします。加速は、反対の足のみで行います。蹴りは極力小さくし、蹴ることによってバランスが変わらないようにします。基本的には蹴った足はスケーティングレッグにくっつけ、そのまま滑っていきますが、エッジに乗るのが難しい場合は、一度両足で滑ってから片足を上げてやってみましょう。このとき、手はまっすぐ下に下ろし、体の横にくっつけておきましょう。肩は、円に対して垂直です。顔も、まっすぐ前を見ましょう。腰も、円に対して垂直です。つまり、おなかがまっすぐ正面を向いている状態ですね。
重要なのは、片足で滑っている間中、肩、腰の向きが変わらないことです。肩、腰の向きが変わるということは、腰が止まっていないということですから、それを無理して片足で滑っても変な癖がつくだけですので注意しましょう。
まずは、片足で滑る距離は短くていい(50cmで十分)ですから、リラックスしたまま、きれいに円をかくことを意識してやってみましょう。そして、そのリラックスをした状態のまま、距離を伸ばしていきましょう。すると、自然な乗りが身につきます。それを体感すると、エッジの乗り方がなんとなく分かってくるので、大きなプラスになるかもしれません。
これができると、クロスもコンパルも簡単です。クロスは、カーブに乗って片足でそれなりに滑れれば、そこからクロスさせるだけです。ポイントは、片足上げて、そこで一旦安定してからクロスすることです。コンパルは、自然に半円をかけるようになったら、蹴り出しの練習をするだけです。安定して滑ることを覚え、あとは蹴り出してから早くそこに落ち着ける練習をすればいいわけです。

実は、フォアイン、バックアウト、バックインすべて考え方は同じです。バックは特に後ろが気になって腰の向きがねじれやすいので、そこは指導する人間が周りを見て、注意してやりましょう。ある程度滑り方がわかった時点で、腰をまっすぐ向けたまま、後ろも確認できるはずです。

この項目は、エッジに乗るということ、腰が止まるということがどういうことかを知るための第一歩です。ここを逃すと、腰が止まるということを知るのは何年延びるかも分かりません。学生スケーターなら、そのまま知らずに卒業、ということが多々あります。なんとなくでいいですから、腰が止まる感覚をつかみましょう。それは、これからのスケートにおいて雲泥の差となって出てくることになるでしょう。


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