多回転ジャンプ 入門編


多回転ジャンプ入門編、訳のわからん見出しと思わず読んでくれ。
ジャンプの回転を増やしてゆくにあたり、まずは心得を挙げてみよう。
・ダブルはシングルの延長、トリプルはダブルの延長である。
・回ろうとするな、ただきれいな軸を作ろう。

では、順に説明してゆこう。

ダブルはシングルの延長である。そしてトリプルはダブルの延長である。この意見は賛否両論だ。僕は賛成側だ。まずはその辺を整理しよう。
確かに、シングルとダブルは別世界のジャンプである。ダブルとトリプルもまた別世界のジャンプである。体験していないからなんとも言えないが、トリプルとクアドラプルもまた別世界のジャンプだろう。しかし、トリプルを飛ぶ原理でダブルを飛ぶことはできる。ダブルを飛ぶ原理でシングルも飛べる。シングルの延長にダブルはない、という意見はあくまでもシングルを飛ぶためにやってきたことと同じ事をやっていても駄目だという話である。
僕の主張は、シングルを、ダブルを飛べるシングルに変えてゆくことでダブルが見えてくる、というものだ。シングルがまともにできないのに無理矢理回転を増やしてそこから悪いところを修正してゆくのでは、怪我するのが落ちである。確かにダブルサルコウを練習するレベルまで来ている選手がひたすらシングルサルコウを修正してゆくのはしんどい。だんだん嫌になってくるだろう。しかし、修正せずにダブルを練習することはもっとしんどい。やめたほうがいい。
回転を増やす前に、まずそのジャンプを大きく、ゆったり飛ぶ練習をしよう。あとは、それを締めるだけだ。

次に、実際に回転を増やしてゆく練習の方法、考え方だ。練習にあたり、より多く回ろうとすると、どうしても振り回したり、タイミングを早くしたり、力ずくになってしまう。多く回ろうという意識は、往々にして悪い癖をつける結果になってしまう。
ここで、考え方を変えなくてはいけない。より多く回るためには、きっちり踏み切って、ただ細い軸を作ればいいのだ。どこまで回ろうという意識は捨て、ただきれいな軸を作る、これは決して簡単なことではない。しかし、それを意識して練習をすることで、着々とジャンプは上達してゆくものだ。もう少し回転が必要と思うなら、もう少しきれいな軸を作ろうとすればいい。回転はそう簡単に増えるものではない。反復練習の中、徐々に増えてゆくものだ。ただひたすら、細い軸を作ることを心がけ、日々繰り返し練習を続けるのだ。その延長で練習すれば、その回転に到達した時点で十分質の高いジャンプを飛んでいることだろう。

ジャンプの練習の柱は、踏み切りの練習と、軸を作る練習だ。上の2つの心得は、この2つにそれぞれ対応する。
気をつけよう、振り回しの延長に質のいいジャンプは存在しない・・・。


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