こんな基本もある

ジャンプの基本


ジャンプを分析すると、次の3つの運動の組み合わせと考えられる。

1.体の軸がまっすぐに移動する(微妙なカーブを描いて)
2.上に跳ぶ
3.軸が回転する

当たり前だよね?じゃ、練習のターゲットは、4つに絞れる。

1.軸がまっすぐに移動するようにする(折れない、倒れないようにする)
2.上がる練習
3.回る練習
4.それ以外の動作をしない練習

1は気付くのも直すのも難しい。周りから見て、地道に直すのが一番。下を見ないのも大事。自分でやるなら、ジャンプの前にステップを取り入れる。特に、1回転以上回るステップ。飛ぶ前にくるくる回るには、軸ができていないとだめ。逆に回っているうちに軸がまっすぐになる。後はそのまま飛ぶだけ。
2は簡単。無回転のジャンプでいい。注意するのは、それをやるときに1が守れていること。そして、回転をするときに、それと同じイメージで飛べるようにイメージを焼きつけること。
3は飛ばして4。とにかく力を抜く。
そして問題の3。これが難しい。ジャンプごとにもちょっと違う。でも、これがちゃんとできないと、回転力を無理やり得ようとして、他の3つがあっと言う間に原型を失ってしまう。
では、回り方の説明。エッジジャンプは理屈は簡単。説明しよう。
飛ぶ前、カーブに乗ってるよね。乗ってない?不許可。すぐ直そう。
話を戻して、カーブに乗ってたら、もしそのままずーっと待ってたら、そのうち1回転するよね。で、ここで考えよう。ほっといたら1回転するということは、ちょっとだけかもしれないけど、回転力があるということだよね。そう、エッジジャンプの回転力はこれだけ。あとの回転力の調整は、腕でやる。遠くに腕を伸ばしておけば回転力が強くなるし、近くにすれば(下の方に置いとけば)回転力は弱くなる。大事なのは、完全に腰が止まっていること。腰が止まってなければ、振り回しやすくなるし、すっぽ抜けやすくなるし、高さも出ない。腰が止まるということは、そのままどこまででもそのカーブをかけるということ。だから、普段飛ぶ3倍ぐらいの距離を滑って飛ぶ練習をすればいい。で、これをやるとみんな飛びにくいって言ってやめるんだよね。だめだめ。飛びにくいってことは、腰が止まっていない証拠。腰が止まれば、飛びにくくはない。そして、どんなタイミングでも飛べるようになる。当然、最終的にそんな遅いテンポで飛ぶ必要なんてない。そういう練習もいるよ、っていうだけ。
次は、トウジャンプ。これが難しい。文章で説明するのが。文章では全部説明できないので、入門編ぐらいのつもりで説明しよう。まず、トウジャンプ3つとも、順周りを前提にすると、エッジが左側、トウは右側にいく。トウループもそうなんだよ。で、トウを引っ掛けてからエッジがずっと滑っていくと、トウを中心とした回転が生まれる。まず、これが大事。トウを引っ掛けてから滑っていかないといけない。トウをたたきつけてその瞬間飛んでいてはだめ。で、問題はここから。この力だけではいけない。エッジジャンプは上に書いたことをやれば、上体も始めから回転力を持つ。トウジャンプは、この原理だけでは上体が回転を持たない。ではどうするか。みんな、腕を振り回して回ろうとする。それはだめ。どうするか。僕の言い方をすると、腕を流す。さあ、腕を流す、の意味を説明しよう。
トウジャンプを構えたとき、左肩は右肩に比べ、やや前に出ているはず。これが飛ぶ瞬間には、45度から90度回る。そう、この肩のわずかな回転に腕をあわす、それが腕を流す、という動作。流す、と振り回す、の違いは紙一重。腕が肩より先に回っていくのが振り回す、肩がリードして腕がついてくる、もしくはタイミングをぴったり合わせて同時に動かす、それが流す。この違いが実は大きい。
さあ、回転の原理は説明しました。それ以外の回転力に頼らなければ、1から4まで全部守れる術も少しずつ見えてくるでしょう。決して、同時にできる必要はありません。今回は、これを守る。次はこれを守る。その繰り返しをしてるうちに体が徐々に覚えてきて、最終的には何も考えなくても全部守れるようになる。これが練習なのです。


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