ジャンプコンビネーションに関して、結構誤解が多いので、ここではっきりさせておこう。
まず、技術的に言うと、基本的には単独のものよりも難度は高いことになる。
そう、すべての間違いの始まりはここにある。難度が高いから、どんどんコンビネーションを入れて、点数を稼ごうという考え方だ。そして、トウループのコンビネーションよりもループのコンビネーションの方が難度が高いから、できる限りループを持っていったりする。
この考え方は、難度の高いジャンプを入れれば点数が上がる、という考え方に似ている。それは、同じレベルのものであれば、評価が高い、というだけで、難度の高いものを入れてそのレベルが低ければ、その難度と相殺されて、無意味になる。最悪の場合、単独でやったほうが評価が高い場合すらある。
特に男子の場合、技術は伴っていなくても、力ずくでもループぐらい後ろにくっつけれる。果たして、それが意味をなすか、だ。答えは、無駄、である。考え方を一から改めよう。
第1に、ウェルバランスと言う観点から、ジャンプコンビネーションが含まれていない場合は、減点である。また、4つ以上のコンビネーションが入っている場合も減点である。だから、1つは入れなくてはいけない。苦手でも、質が悪くても、1つは入れよう。
第2に、単独のものより、評価が上がるコンビネーションとは何かを知ることだ。一般的には、第1ジャンプと第2ジャンプの間でしっかり滑っていること、特に第2ジャンプの踏み切りがエッジに乗って自然に上がっていること、2つのジャンプに流れ、つながり、リズムがあること、第2ジャンプもランディングが流れること、第1ジャンプと第2ジャンプの間が距離があること、等がある。実際、これがある程度できるなら、コンビネーションを前面に押し出してもいいだろう。そうでなければ、自分の欠点をさらすだけになりかねない。
第3に、単独のジャンプの質を知ること。もし、第1ジャンプが非常に質の高いものならば、第2ジャンプをむしろつけない方がいいこともある。第2ジャンプの質も、それに近いレベルなら問題ないが、そうでない場合は、第1ジャンプでいいイメージを与えても第2ジャンプで相殺してしまうことにもなりうる。どうしても、という場合は単独とコンビネーションの両方を入れるのもいいだろう。
第4に、ループジャンプの価値である。ループとトウループを比べると、技術的にはループの方が難しいが、トウループの方が第1ジャンプの後でエッジが伸びるので、見栄えはするのだ。だから、必ずしもループの方が評価は上がるとは限らない。とにかく、質の高いほうを使うほうがいいだろう。
結論としては、エッジにのって飛んでいないのなら、ループはほとんど評価されない。そして、またぎのトウループも全く評価されない。実際に、ループにしてもトウループにしても、単独より評価が上がるジャンプを学生の試合ではほとんど見ない。できないなら、無理に多くコンビネーションを入れないほうがいい。
そして、逆にみんなができないだけに、ここは人と差をつけるポイントにもなりうる。これ重要。ただ飛べるようになるだけでなく、評価が上がるコンビネーションを飛ぶ練習を普段からやるようにしよう。