プレゼンテーションを上げよう


試合で順位を上げるには、まずは基礎力の向上が必要です。しかし、基礎だけでは順位は伸びきりません。きっちり順位を上げるには、最低限のプレゼンテーションが必要です。また、同レベルの争いでより優位に立つには、高いプレゼンテーションが必要です。
プレゼンテーションについて、ジャッジマニュアルには以下のものを考慮すると書かれています。
1.プログラム全体の調和ある構成および選んだ音楽との適合
2.スピードの変化
3.表面の利用
4.音楽に合った楽な動作と確実性
5.身のこなし
6.独創性
7.音楽の曲想の表現
僕は、プレゼンテーションは大きく2つに分類できると考えます。1つは日頃の練習によって培われるもの、1つはプログラム作りやその練習によって培われるものです。前者は、時間はかかるが、どんなプログラムを滑っても影響する、ずっと役に立つもの、後者は、プログラムを作るたびに変わる、即効性はあるが、次のプログラム以降に必ず役に立つとは限らないものです。
プレゼンを上げることを意識的に取り組んでいる人は、一般に後者の方を重視します。これは、フィギュアスケートをやっていく上で、大事なことです。しかし、ここに力を入れているのに、前者の練習をしていないためにプラスとマイナスが中和して結局プレゼンが上がらない人が大勢います。前者は、試合前に考え出してももう間に合わないだけに、気がついたら手遅れ、とならないよう注意しましょう。せっかくの凝ったプログラムも台無しですからね。
まずは、日頃の練習で修正してゆく項目から考えましょう。該当するのは、上の4と5です。4は後者にも当てはまりますが。具体的にやる練習は、ステップを中心とした、氷上で自在に動く力をつける練習、深いエッジワークを養う練習、基本姿勢を正す練習(ステップとも関連してますが)、美しい動きの流れ(言うなればバレエ的な動き)を養う練習です。このうち、プレゼンと明らかに関わりが深そうな最後の1つは、比較的注意している人も多いでしょうが、先に挙げた3つがプレゼンを上げる練習だと認識している人は少ないと思います。当たり前のことですが、氷上で自在に動けなければ、表現したいものをそのとおりに表に出すことはできません。それを養う練習が前者の3つなのです。
具体的に何をするかは、ここに書くときりがないので別の機会に書きましょう。大事なのは、そういう練習が必要だ、という情報ですからね。
残りの項目はここで書くほどのものではないです。読んで字のごとくです。が、忘れがちなものを説明しときましょうか。
まず、バランスの良い構成を組むこと。バランスをもって直接点数に反映するわけではありませんが、特定のものの数が多い(例えばジャンプがやたら多い)と単調に見えますし、特定のものの数が少ないと何か物足りなさを感じます。それは、プレゼンに影響します。スピードの変化も、ないと単調に見えますし、曲にあったスピードの変化は、見るものに何かを訴えるのにもってこいです。あと氷全体をバランスよく使うことも大事です。これも、ちゃんとしていないと単調に見えます。美しいプログラムや、独創性のあるプログラムをやろうとする学生がよく忘れるのはこんなとこでしょう。
後半は少し話がそれましたが、一番言いたいのは、日頃からやっておく練習がある、ということです。


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