スケーティングの力、あるいはエッジに乗る力を養うにあたり、2つの目標がある。多分。(よわっ)
1つは、深く、力強いエッジ。
もう1つは、早く、正確なエッジ。
これらを、同時に行うことは難しい。相反すると言ってもいいだろう。
しかし、行き着くゴールは1つである。本当にいい滑りとは、これらを同時に行えることであると考える。
だが、ゴールへの過程はさまざまである。強いエッジを先行すべきか、早いエッジを先行すべきか。
両方を頑張ればいい。そう言ってしまえば簡単だ。しかし、スケーティングの練習量は一定と考えたとき、
片方を増やせばもう片方は減ってしまう。練習時間の配分は難しいものである。
これは非常に難しく、また重要な選択肢である。さらには、その個人個人によっても、その比率は
変わってくるはずだ。(経験談)
それが何に響くのか、例を挙げてみよう。
一番身近なところ、ジャンプ。
一般的に、深くエッジに乗るタイプは、ジャンプの高さが出る。
ジャンプでなかなか高さが出ない、と言っている人の大半は、エッジに深く乗る練習が足りない、
と言っても過言ではないだろう。(ただし、深ければ何でもいいわけでもなく、深いエッジに乗っていても
なかなか高さが出ない人がいることも事実であるのだが。)
逆に、早く、正確なエッジに乗るタイプは、高さは出にくいが、軸が安定しやすい。
次の例はプログラム。
一般的に、深くエッジに乗るタイプは、力強く、迫力がある。パワースケーターですな。低音の聞いた曲、
あるいはスローパートを得意とするタイプ。
早く、正確なエッジに乗るタイプは、テンポよく、小刻みにいろいろ動く。一見うまく見えやすい。
が、そればっかりだとやはり迫力に欠ける。
どっちの力もあまりない、と思う人はそれぞれ練習しよう。どちらかが得意な人は、得意な方を伸ばし、
苦手なものを少しでも克服してゆけばよい。
そう、最後にはどっちも必要だと言うことだ。
スケーティングもステップも、深いエッジにしっかり乗って練習することも、多少浅くてもとにかく
テンポを上げてゆくこともできるはず。そう、例えば円クロスでも、スリーターンステップでも、
目的を変えた練習が2つはあるのだ。
これを意識して練習してゆけば、自分のスケートが見えてくることでしょう。