選手は、1人の指導者で育つものではない。どんな指導者も、完璧ではない。だから、時間と共に選手の技術に偏りが出てくる。悪い癖も、指導者に似てくる。だから、違う視点から見た意見が重要になる。
理屈はそれだけだ。指導内容が偏って選手の能力が偏らないよう、時々見てはおかしいところを指摘してくれる、よき相談相手をキープしておくことが重要なのだ。別に、その人が直接指導してくれなくてもよい。複数の指導者を持つ必要性は強くはない。情報をもらうのも、選手本人ではなく、指導者自身でいい。指導者の道を軌道修正してくれる相談相手であればそれでいいのだ。そして、指導者自身が理解できなかったら、素直にその人の力を借りよう。直属の先輩に聞くのもいいし、他大学の先輩にも遠慮する必要はない。分からない、あるいは手におえないと感じたら、すぐに誰かの力を借りればいいのだ。
なにも、教える能力が高いことだけが良き指導者とは限らない。自分の力不足を素直に他から補う努力のできる指導者もまた、良き指導者なのだ。