ひねりの筋肉・柔軟性


円クロスをやっているのを見て、明らかに腰の向きがおかしい学生をよく見る。そう、上体のポジションを優先し、結果的に滑りがおろそかになっているのだ。これでは、本末転倒。何の練習か分からない。プレゼンが0.1上がっても、ベーシックマークが0.2落ちたら、合計点では0.3落ちるのに。
上体のひねりとは、元来ターンへのつなぎなど、下半身をフォローするためのものだ。ただ上体をひねるだけでは、ポジションはきれいになっても、腰より下にはターンする力をかけるのだから、エッジがまっすぐ滑っていくわけがない。
では、どうすればいいか。
それは、現時点で自分が、どこまで腰に影響を及ぼさずに上体をひねれるのか、あるいはそのひねりを加えたときどのような筋力をどの程度使っているのか、体で理解すればいいのだ。
これについて、僕は、近年一つの方法を発見した。一子相伝の門外不出にしてしまってもいいんだが・・・オープンしてしまおう(そんなおおげさなものではない)。
椅子に座って(床の上でもほとんど同じだが)、円クロスをイメージして、体をひねり、上体のポーズを作ってみよう。さあ、どこまでひねれますか?どの筋肉に力がかかっていますか?どれくらいしんどいですか?
これが、答えです。つまり、完全に90度はひねれない。そして、使う筋肉は、肩甲骨当たりの筋肉が大半。そして、その姿勢を維持することは、非常にしんどい。そして、ここで明かそう。僕の円クロスにおいての上体のひねり具合、使う筋力、柔軟性、ポジション、何を取ってもぴったりこのひねり方に一致するのです。ほとんどの学生は、上体に引っ張られて腰が開く。椅子に座ってやっているなら、腰がつられて開けば、膝が左右対称になってないからすぐ分かりますよね。その、腰がつられて開いているまま、滑っているのです。それでは、まともに滑れるはずがない。いつ、バランスを崩してもおかしくない。そして、もう1つ言えるのは、このひねりを維持することが長時間は困難であるということ。あなたは、そのひねりをどれだけ維持できますか?1分持てば上出来だと思います。円クロスの間、ずっとポジションをキープすることは、ひねりの筋力の低下から、自然と上体につられて腰が開いていくことにつながるのです。それでは、練習にならない。上体は、短時間でいいから、キープするときはしっかりキープする。そして、休憩時間を作ってまたそれをキープする。この繰り返しです。ずっとキープするのは、むしろ逆効果なのです。
そして、実はこのひねりは円クロスだけに限ったものではありません。ターンのひねりも、全部同じです。ターンに限らず、スケーティング動作におけるすべてのひねりは、これがベースなのです。そう、なんといってもこれをきっちりやると、ひねりの際に軸が崩れません。ひねるときに、不要な筋肉まで使うと、ひねっただけで軸が曲がってしまうのです。僕は、このひねりの練習を筋トレ、柔軟、ターンや円クロスのイメージトレーニングを兼ねたトレーニングとして推奨しています。
ま、大して時間も取りませんし、別につかれるトレーニングではないので、だまされたと思ってやってみてください。


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