ポジション奏法
非常に説明も理解も苦しむ部分です。ここではまず大まかに説明をしておくに止めようと思います。
さらなる細かい説明などは、ポジション奏法って?2の方で話そうと思います。
まずはもう一回、C Major Keyの音配列を見直してみましょう。
[表1] C Major key
穴番号 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
吸音 | D | G | B | D | F | A | B | D | F | A |
吸音ベンド音 | Db | F# F | Bb A Ab | Db | E | Ab | -- | -- | -- | -- |
吹音ベンド音 | -- | -- | -- | -- | -- | -- | B | Eb | Gb | Bb B
|
吹音 | C | E | G | C | E | G | C | E | G | C |
10Holesって一体何?”で軽く触れましたが、ドレミファソラシドで構成されるMajor Diatonic(長音階)で作られたメロディ、または曲を演奏する時に、4穴吹音からCDEFGABC…と音を追っていくことによって、聞こえてくる音がドレミファソラシドになり、それを使って演奏する、という話をしました。
その考えで上の表にドレミファ…を振ると、こうなります。
[表2] C Major key
穴番号 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
吸音 | D | G | B | D(レ) | F(ファ) | A(ラ) | B(シ) | D | F | A |
吸音ベンド音 | -- | F | A | -- | -- | -- | -- | -- | -- | -- |
吹音ベンド音 | -- | -- | -- | -- | -- | -- | -- | -- | -- | B
|
吹音 | C | E | G | C(ド) | E(ミ) | G(ソ) | C(ド) | E | G | C |
便宜上4-7穴しか割り振ってませんが、すべてに対して同様です。C=ド、D=レって感じですね。このパターンで演奏することを、俗にファーストポジション(1st Position)と呼びます。何故第一のポジションと呼ぶかの謎はこの際置いといて、第1があるなら第2もあるのでは
なかろうかという疑問が先立ちますね。Yes、あります。それがこれから述べるセカンドポジション(2nd Position)です。
1st PositionのPlay上の限界
例えば、今から演奏する曲がBluesだったとして、その音階がドレミファソラシドでは無く、ドレ「ミb」ミファ「ソb」ソラ「シb」シドで作られたメロディだったら、あなたはどうするでしょうか。
「 」内の音は通称ブルーノートと呼ばれ、Bluesでは頻繁に出てくる音でもあります。さぁ、この音が階奏でられるかどうか表に割り振ってみましょう。
[表3] C Major key
穴番号 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
吸音 | D | G | B(シ) | D(レ) | F(ファ) | A(ラ) | B(シ) | D | F | A |
吸音ベンド音 | -- | F | Bb(シb) A | -- | -- | -- | -- | -- | -- | -- |
吹音ベンド音 | -- | -- | -- | -- | -- | -- | -- | Eb(ミb) | Gb(ソb) | Bb(シb) B |
吹音 | C | E | G | C(ド) | E(ミ) | G(ソ) | C(ド) | E | G | C |
4-7穴を見てください。「 」で表した音は全滅です。ベンドではこれらの音が出せません。1-3、8-10穴では出せますが、この音域でのPlayというのは正直大変です。
しかし、これらの問題を解消する手段があります。ドの位置を変えるのです。下の表を見てください。
[表4] C Major key
穴番号 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
吸音 | D | G | B(ミ) | D(ソ) | F(シb) | A | B | D | F | A |
吸音ベンド音 | -- | F | A(レ) | -- | -- | -- | -- | -- | -- | -- |
吹音ベンド音 | -- | -- | -- | -- | -- | -- | -- | -- | -- | B
|
吹音 | C | E | G(ド) | C(ファ) | E(ラ) | G(ド) | C | E | G | C |
極めてシンプルに音階が収まっています。3穴吹音(もしくは2穴吸音)のG音を"ド"と考えて、そのまま順番に音を追っていくと ドレミファソラシbド という風に聞こえます。
さらに、ミb、ソbも追加してみましょう。
[表5] C Major key
穴番号 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
吸音 | D | G | B(ミ) | D(ソ) | F(シb) | A | B | D | F | A |
吸音ベンド音 | -- | F | Bb(ミb) A(レ) | Db(ソb) | -- | -- | -- | -- | -- | -- |
吹音ベンド音 | -- | -- | -- | -- | -- | -- | -- | -- | -- | B
|
吹音 | C | E | G(ド) | C(ファ) | E(ラ) | G(ド) | C | E | G | C |
実にシンプルに収まってますね。この発想こそ、ポジション奏法の核をなすものです。今回"ド"をG音に移動させた訳ですが、この移動させたドのことを”移動ド”と呼んだりもします。
そして、[表4]のような考え方がセカンドポジション(2nd Position)と呼ばれるものです。
まとめ
ある曲を演奏する際に、その曲がどんな音階(スケール)で演奏されてるのかを知り、"ド"をどこに移動させればその曲を演奏するに適しているか、またはどの音階で演奏するかを選択する、これがポジション奏法の考え方です。
理屈上、ドの位置は12パターン考えることができるのですが、そのすべてを駆使することはまず無いでしょう。その中で一番使用頻度が高いと思われる2つのPositionを今回紹介したわけですが、さらに3rd、4th、5th…というのも当然存在します。
それでは今回紹介した2つのPositionのおさらいとまとめを。
1st Position
C Major key
穴番号 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
吸音 | D | G | B | D(レ) | F(ファ) | A(ラ) | B(シ) | D | F | A |
吸音ベンド音 | -- | F | A | -- | -- | -- | -- | -- | -- | -- |
吹音ベンド音 | -- | -- | -- | -- | -- | -- | -- | -- | -- | B
|
吹音 | C | E | G | C(ド) | E(ミ) | G(ソ) | C(ド) | E | G | C |
基本音階はドレミファソラシドで、4穴吹音=ドという考え方。C Mejor Keyを使うならC=ドとなって、故にそれが奏でる曲の調子(Key)はC調(C Key)となる。つまりC調の曲に対してC Major Keyの10Holesを使用すると自動的にこのPositionになる訳だ。
2nd position
C Major key
穴番号 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
吸音 | D | G | B(ミ) | D(ソ) | F(シb) | A | B | D | F | A |
吸音ベンド音 | -- | F | A(レ) | -- | -- | -- | -- | -- | -- | -- |
吹音ベンド音 | -- | -- | -- | -- | -- | -- | -- | -- | -- | B
|
吹音 | C | E | G(ド) | C(ファ) | E(ラ) | G(ド) | C | E | G | C |
3穴吹音、または2穴吸音=ドと言う考え方で、基本音階はドレミファソラシbド。通称ミクソリディアンと呼ばれる音階で、Bluesなどに用いられる。ブルーノートをベンドで出せることから、大部分のBluesの演奏スタイルはこのPositionによることが多い。
C Major Keyを使った場合、G=ドという考えになり、故に曲の調子(Key)はG調(G Key)となる。
逆に言えば、G調の曲に対して、C Major Keyの10Holesを使用した時点で、自動的にこのPositionになる。
参考までに、C調の曲を2nd Positionで演奏したい場合は、F Major keyを使用することになる。(3穴吹音にC音が入ってる訳だ)
最後に、演奏する曲と、1st,2ndで使用する10holesのKey一覧を載せておきます。
曲のKey | C | Db | D | Eb | E | F | F# | G | Ab | A | Bb | B |
1st posi | C | Db | D | Eb | E | F | F# | G | Ab | A | Bb | B |
2nd posi | F | F# | G | Ab | A | Bb | B | C | Db | D | Eb | E |