小松さん(以下K)さて、今週はひさびさの登場、コイケヤ・ソーコーさんです。2000年上半期のヒット曲を斬ってもらいます!こんばんは。
郷太さん(以下G)はい!コイケヤ・ソーコーです。
K よろしくお願いします。曲いきましょうかね?
G 曲いきましょう!!
K はい、じゃあ聴いてください。
♪サザン・オール・スターズ/TSUNAMI
K はい、サザン・オール・スターズでTSUNAMIなんですけどね。
G なるほどー。正直、部分的には聴くけど、全部聴くっていうのはなかなかないよね。
奥田さん(以下O)けっこう長いよね。歌詞とかも。
K うん。
G …なんでオマエら、コイケヤ・ソーコーやのに敬語つかわへんの。
K 敬語つかってますよ。
G (笑)そっか。スイマセン。
O …忘れてた。
K 使ってますよ!そんないいがかりやめてくださいよ!!
G まるでなんかいつも遊んでる友達みたいに。そんな。
K 使ってますよ、だから!!何度言わせるんですか!ほんとにもう!!
G (笑)そうですか。
K お酒飲んでますか?
G (笑)いや。飲んでへん。飲んでへん。でもね、やっぱりね、…うーん。どうなんでしょうね。サザン・オール・スターズって10年に1曲くらいバラードのスタンダードみたいの作るじゃないですか。ほんとの意味での、ね。教科書に載るレベルの。別にこういうタイプの曲、たくさんあると思うんですけれども。真夏の果実。いとしのエリー。TSUNAMIでしょう。サザン的にいうと。
K はい。
G もし、まぁ1年2年してね、「もし」ですよ、そんなことないですけど例えばサザンが解散したとして、やっぱりバラード3曲って言ったらそれになりますよね。80年代初頭と、80年代から90年代の頭らへんと、90年代の終わりから2000年代こうきてる、と。なんかね、誰かが言ってたんですけど、ポール・マッカトニーのフレング・パイってアルバムが出た時に、それまでのオフ・ザ・グラウンドとかマイ・ブレイヴ・フェイスが入っていた、フラワーズ・イン・ザ・ダートだとか、あんまり良くないアルバムが続いてたんですよ。でもフレミング・パイっていうのは、原点に戻ってビートルズっぽいことをやったんですよ。オールディーズっぽい曲。僕はそれ凄い好きだったんですけど、ただ評論家の人の誰かは「あ、ポールも1周してしまったな」と。ポールはこれをやったら絶対成功するってわかってたけど、今までは新しいことにチャレンジしてたわけや。ポール・マッカートニー的に、その時の。で、良くなかったわけ。それが。で、1番得意なとこに戻ってきたらやっぱり「いい」わけやん。リスナーとしてはすごくいいけど、アーティストのポール・マッカトニーとしてはちょっと残念っていうか、ポールも年とったな、って話をしてた人がいたのね。だからこれは桑田さんがどう思ってるかオレはわからないですけど。でもこういうのやったらウケるんやろ、っていうがたぶんあった上に、この曲のいいとこは、桑田さんも悩んだって話どっかで聞いたことあるけど、やっぱり3週間も4週間も歌詞ができずに、スタジオずっと押さえてたけどぜんっぜん来なくて。スタジオ1日押さえたら7,80万かかるわけじゃないですか。それを毎日まいにち桑田さん来ない、来ないって言って。だからたぶんわかってたと思うんですよ、「これやったら流行る」って。でも自分の中でどうしようかなって思ってた時に、最後に突き抜けれたっていうか、ニュー桑田圭介になれたから良かったのかなと。おれが別にそんなこと言うてもしゃーないけど。
K なるほどねー。ま、コイケヤ・ソーコーさんですからね。
G まぁでも、ただそこのせめぎあい?そのベタな「これやったらウケるでしょう」ってとこと、でもそれよりも先に行こうとする気持ちっていう、それがタイミング良かったのかなって思うけど。でも!これに対して腹立つのは、最初から売れると思ってたとか言うやつはウソやと思うね。こんなんさ、流れの中でさ、曲が育っていっただけの話じゃん。なのにそれをどうやこうや言うたって、そんなん後からの話じゃないですか。オレはそんな好きじゃないですよ。基本的に。
K なるほどね。サザン・オール・スターズの中で1番ヒットした曲だってことでね。それはすごいことですね。えーと、もう始まっちゃってますけどいきましょう。
♪桜坂/福山雅治
K はい、福山雅治さんで桜坂ですけれどもね。
G はい。ま、さっきTSUNAMIあんま良くないとオレが言ったっていうのは、僕の主観っていうか、サザンの歌で他にも好きな歌たくさんあるから、そういう意味で、ですよ。めちゃいいとは思うんですけど、すばらしいと思うんですけど、そんなにこればっかり言うんやったら、なんかこうマラソンとかで優勝したときだけ握手しにくる親戚みたいなかんじがするんだよね。
K なるほどー。
G 常にがんばっとったやないか、と。10年20年、そいで最後に1番ねヒットする歌を作るなんてすばらしいのに、なんかね、その時だけたまたまみんなワーって言ってるかんじが、それがオレからしたら例えば曲作るって言っても10曲作るのと50曲作るのと100曲作るのと違うわけじゃないですか。どんどん厳しくなっていく、それを常にやっててこれが出たっていうのは素晴らしいと思うし。
K 20年やってて、20年目に1番ヒットしてるって凄いことですよね。
G 凄いよね、だからそれはそうなんですけど、なんかムードが腹立つのよ、この曲にまつわる周りの。ま、桜坂もそうなんですけど。すごいいい歌だと思うし、これマイケル・ジャクソンのユー・アー・ノット・アローンとかに近い、Aメロとサビはほとんどいっしょ。で、ひとつのパターンのメロディを何回も言うことによって歌詞で聞かしてるって曲でしょう。
K なるほど。
G これとかも例えば歌ってても、ずっといっしょやなみたいな、かんじやけど、テーマとなるメロディはすごい耳に残るから、いっぱいコロコロ変わる歌よりも「あ、この曲はこれや」って言うのがはっきりあるから。ユー・アー・ノット・アローンとかもそうなんですよ。ぼく好きなんですけど。
K マイケル・ジャクソンのね。
G ♪アナーザ・デーイ・ハズ・ゴーーン(Aメロ)とさ、♪ユー・アー・ノーット・アローーン(サビ)といっしょなワケよ。これもほとんどサビと同じ。でもね、サビとAメロがいっしょって曲はだいたい好きなんですよ。それが「いい」ってことですからね。ただなんかね、オレ的にですけどね、桑田さんも福山さんも凄いいい声されてると思うんですよ、福山さんなんかすごい人あたりも良く、ね。かなりそういう意味ではファンなんですけど、なんか微妙なきな臭い匂いというか、ね。
K コイケヤ・ソーコー的には。
G コイケヤ・ソーコー的には!その曲そのものの素晴らしさをもっと見ようや!と。もうちょっと見つめようや。
K 周りのことばっかりでガヤガヤ言うのはやめよう、と。
G そうガヤガヤ言うのはやめよう、と。特に福山さんの方に関してはあんまりそんな何もないんですけど、別にモンクとか。サザンに関しては、常にがんばってた人に対して…野茂が、伊良部が、優勝したらワーって言ってる、常にやっとったがな!みないな。そういうかんじが凄いするんですよね。
K なるほど。
G ま、それだけでね。ちょっとなんかこう、どっちかって言うと斬るというより怒ってますけどね。
K なるほどね。その周りに怒ってる、と。コイケヤ・ソーコーさんは。
G なんか、気持ちはわかってくれる?
K あー、わかりますね。
(一瞬沈黙)
G あーわかるわかる?(笑)ま、そいういうことでね、素晴らしい曲だと思いますね。2つともね、やっぱり。
K なるほどね。はい、ということで来週もコイケヤ・ソーコーの上半期ヒット曲を斬る!女性編です。お楽しみに。
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