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ものづくし

(2/10 2003 〜2/19 2003)

もの (material) にまつわる憶い出いろいろ
そんなこんなでだめだめさんな日常!

非接触感染(2/10 2003)

 TSUTAYAが半額だったので『ロードオブザリング』と『COWBOY BEBOP/天国の扉』を借りた。

 『ロードオブザリング』は借りてみたらアニメでしたとか、借りてみたら『ウィロー』でしたとかそういうオチはなく、例のアレ。
 ひゃあ。確かにすごい。
 なにがすごいと言って映像がすべて記憶の中で育んだイメージそのまんま。
 ホビット庄が、アラゴルンが、川べりで差し招く巨大な石像が。もぉ痒いところに手が届きまくってしまう感じ。
 エルリックではこうは行かなかったかも(笑)。
 『二つの塔』は是非劇場で観たいなぁ。

 『天国の扉』は……おぉ、尺の長いビバップだ。パトレイバーで言うと『特車隊、北へ』な感じ(わからん)。
 本編のクオリティを崩すことなく、連中にも再会できたわけだし、お前はこれ以外の何を観たかったのだと訊かれると答えに窮しちゃうのだけど、本編終盤、登場人物がひとりずつ退場して行く中での寂寥感と高まっていくテンションの張り詰み方と比較しちゃうとどうもね。ま、カーテンコールなんだろうね。家でぬるぬると観る分には大満足の作品だとは思う。

 しばらくぶりにTSUTAYAに行ってみるとレンタルDVDコーナーが随分と拡充されていてびっくり。
 『WXlll』やら『太陽を盗んだ男』やら『タイタス』やら(『千年女優』はまだなのかな)。
 しばらくは楽しめそうな予感でほくほく。

t.A.T.u.

 んで。
 ロシアスキーの先達である速水螺旋人さんのサイトで最近むやみに盛り上がっているのがt.A.T.u.というロシアンポップのデュオ。
 お、曲は知ってる知ってる。music oneでよく掛かってる!
 なるほろ。こういう娘さんなのね。
 ミもフタもなく言うとアレだけど、確かにアレですな。うーむ。

 これは転ぶなぁ(笑)。

マイ・ファニー・ヴァレンタイン(2/14 2003)

 ロシアの話ちょっと続く。
 私たちはロシアのことを隣国だと思ってるけど、それはもしかしたらキルギスが中国を隣国だと思ってるようなものなのかも知れないとも思う(キルギスの人ごめんなさい)。ロシアという国家にとって、その重心はあくまで欧州大陸側にあるのかなと。いわゆる鉄のカーテンが崩れて、中欧という地域が再発見されてからは尚更ね。
 いまや世界中どこに行ってもテレビをつければMTVとミリオネアとP&GのCMはもれなく付いてくるようなこの世界で、二度の大戦で一度は臨死に至った欧州という地域体が何を手にし、何を為そうとしているのかはちょっと気を留めておいてもいいような気がする。
 それにしてもこの国の政治家は国際政治のプレイヤーとして振舞おうという気がないのか。みっともないなぁ。

 で。唐突にビッグサプライズがひとつ。
 『ユメノ銀河DVD発売で、それに関連して池袋で「小嶺麗奈映画祭」が開催されるそうな。
 『ユメノ銀河』が劇場に掛けられることなんて、ヘタしたら今世紀中はもう無いかもしれない(をい)ので未見の好事家の方々はぜひとも足を運ぶべしかと。静謐で胸がそわそわして観終えたあとはぼんやりと惚けてしまう、ホント素晴らしい映画です。
(t.A.T.u.の話の次の項で小嶺麗奈の話をするのもなんかアレだな。まぁいいや)

 あとは『王様のレストラン』のBOXかむかむなんだけどねぇ。

うつつ(2/16 2003)

冬空

 『王レス』の話ちょっと続……きません。

 正月太りか体重計の「70」の文字が随分と親しいものになってきたので、ちとシェイプアップを試みている。荒川河川敷の向かい風に負けないようにとか、もうちょい力任せの仕事の進め方をしたくなってきたとかいうのもあるんだけど。
 教本としているのがICOさんとこの98年減量プログラム。基本的な考え方は筋量を増やすことで基礎代謝を上げ、脂肪を燃焼させようというもの。取り敢えず生きてるのが精一杯の基礎体力をひと並程度には引き上げようかなということでこのプログラムを選択した。
 スタートしてかれこれひと月ほどになるのだけど、減量面ではそれなりに効果はでているのかなという感じ(うちには体重計ないので数値としてはよくわからん)。それ以上に面白いのが、筋肉と神経との繋がりが出来てきたこと。ストレッチや筋トレを行っているときにどこの筋肉が機能しているかが、ある時突然明瞭にイメージできるようになった。それはちょうど自転車に乗れるようになったり、天狗になったりするような感じ。肉体を機能させることの快楽が、このトシになってようやく理解できたのかしらん。
 筋トレ後にA.ルーミスの人物画教本を見たりするとするする頭の中に入っていったりするのも嬉しい余祿。もしかしたら意識下ではこれが本題だったりしたのかな。それを表現できるかどうかは別の問題なんだけどね。

 散歩ついでに書店によって『闇のイージス(10)』と『勇午(20)』を購入。
 いやもうイージスはとことんB級で面白い。「今宵、炎の河を渡れ」みたいなとっ散らかった展開は個人的には大好き。ま、イージスとジーザス、どっちが面白いかと訊かれれば答は明らかにジーザスなんだけどそれはそれ。勇午は最近ちっとアレだなぁ。

網よりこぼれ落ちたるモノ(2/18 2003)

知っとるよ。
ワシのような生活しとると、その類の噂はいやでも耳に入る。
(松本大洋『鉄コン筋クリート』)

 その、なんだ。レナもユーリャもがんばれ。

 細川涼一『漂泊の日本中世』によると、白拍子などの廻国の女性芸能者には「平家物語」の祇王・祇女のよう、姉妹を名乗るふたり連れの例が多かったという。その理由のひとつとして、女系による芸能の伝承が(今日でも京都の茶屋(芸妓)でそうであるように)偽制的な母子・姉妹関係によってなされることがあるという指摘は、彼女ら「道のもの」の廻国・遍歴が東北から九州までの広い範囲に至っていたという記述と併せてなかなか刺激的。
 この本では白拍子の他にも小野小町から高丘親王まで、遍歴や廻国・漂泊の中にその生涯を費やした人々、あるいは集団について新たな視点を提供してくれている。
 その中で私がもっとも心惹かれたのは比丘尼たちの遍歴だった。当時の仏教観では血のケガレ=赤不浄を持つ女性は救われることはなく、そしてその事を「熊野歓心十界図」などの絵解きによって女性たちに伝えてまわったのが熊野比丘尼を初めとする漂泊の(そして無名の)女性宗教家たちだったというのは、やがては彼女ら自身が卑賎視され零落していったことと併せて、なんだかあまりにも縹緲と切ない。

永遠の漂泊者とは、その最後の憩いをただ死に求めるものの謂である。
(亀井勝一朗)

 だけど本当に歴史の網からこぼれ落ちたるモノたちの物語は、私たちはついに知ることができないのだろうね。
 かたや天竺人ヒジリと名乗り、京都烏丸に居在して将軍足利義満の庇護を受け、土倉もしくは酒屋を営んで富豪となった異国の男。その息子に「むする」という幼名を与えた記録からおそらくはムスリム、そしておそらくはペルシャ・アラビア人だと想像される(この子は長じて楠葉西忍と名乗り、父とともに勘合貿易のコーディネーターとして活躍したという)男の存在にも驚き、また心惹かれた。ひゃあ。『BEAST OF EAST』を地でいくような世界やねぇ。あまり理想視するのもどうかと思うのだけど、やはり鎌倉政権後期から江戸幕府成立までというのはダイナミックで汎アジア的で、面白い時代だと思う。

旅に出た、夢を見た。(2/19 2003)

 雨水だと言ったところで、やはり南都のお水取りが終わらないことには春は来ないのだ。今日も寒かったねぇ。ふるふる。
 尾羽打ち枯らして帰宅すると郵便箱に見知らぬメール便が。いやまぁ郵便物ってのはすべからく見知らぬものなんだけど。はじめamazonで注文してたビョークのDVDかしらんとも思ったんだけどそれにしてはやけに小さい。

clock

 こんなん出ました。
 おお、webCGのネット懸賞に応募していた、クライスラーのトラベルクロックだ。ちょっと感動。ありがとうwebCG編集部、ありがとうクライスラー。PTクルーザーは結構好きです(笑)。ちょうど以前持っていたトラベルクロックを中国のホテルに忘れてきてしまったところだったのでとても有り難い。

 しかしこういう旅行用品を弄ってると旅に出たい欲求がふつふつと湧いてくるねぇ。早く春にならんかなぁ。伊豆あたりぐるりとクルマでツーリングしたいな。

 一緒にJAFメイトも来ていたのでぱらぱら眺める。JAFメイトってけっこう内容が充実していて好きだったりする。年会費の1/3くらいの価値はあるんじゃないかと。
 うーむ、車庫入れ隊は号を追うごとにえらいことになってるなぁ。



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