神はいるのか!?第三話

 3日目の目覚めがきた。
 Aは当たりを見回す。
 軽い目眩がした。何の進展もしていないのだ。
 昨日あれほどまでに激しく行動したのは何だったのだ・・・。
 Aは軽く絶望する。
 辺り一面雑誌の山。山。山。山。
 いや、むしろ昨日よりも山の高さは増している。約300冊の雑誌が消えたのに、だ。
 そう、奇跡のカオスは今まで絶妙のバランスでこの小宇宙に存在していたのだ 。その神のバランスが消えた今、この部屋はその魔力も消え失せ、本来の在るべき質量を取り戻してしまったのだ。
「逆戻りかよ・・・」
 Aはそう舌打ちして、今日もその果てしなき挑戦を始めるのだった。
 ひたすら、ただひたすら運ぶ。
 何を。
 ものを。
 気づけば嘆く時間ももはや無いのだ。感情など持つ暇など、無い。
 その合間に仕事もする。当然身など入りはしない。
 単純作業をひたすら続け3日目は過ぎていった。
 そして、4日目の目覚めが来た時、Aは一つの異変に気づいた。
 寒い。確かに寝る前にエアコンを付けて寝たのに全くきいていない。   なぜだ!?Aは狼狽しながらエアコンの風を調べる。
 冷風が吹いていた。
 暖房のスイッチは確かについているのにだ。
『呪いなのか』
 誰の?とはとりあえず置いといて、とっさにAはそう考えた。そして、すぐに 、
『いや、科学的根拠は無い』
と考えを改め、原因をさぐった。
 2分で答は出た。
 4年手付かずの部屋ということはまた、エアコンのフィルターも手付かずという事なのだ。
 部屋の象徴である暗黒の色をフィルターを真っ白に洗い落としながらAは、ちょっと人としてど〜かな〜。等と考えた。
                           つづく


第1話  第2話  第3話  第4話  第5話  第6話  第7話


送った小説に戻る  書いた小説に戻る  TOPに戻る