神はいるのか!?第四話
Aはエアコンのフィルターを洗い終えると、早速次の作業にとりかかる。 床を出す事である。 3日前までは頭の片隅にも無かった発想で、とにかく、パソコンを置くスペースを確保しなければならない。 この数日の行動によってぎりぎりの場所とりはできるはずである。 Aはいまや標高20センチにまで縮まった山を、一度部屋の片隅に可能な限り投げた。 一度縮まったはずの山がみるみる標高を取り戻していく。その山が1M立方程になった時、約4年ぶりに畳がその姿を現した。 眠る場所はこれで完璧に消え失せてしまったが、とりあえず最低限の目処はこれでたった。Aは一安心しながら、早速金物屋に向かう。 そしてすかさず、180×45×180のスチール棚を注文した。そう、よく図書館などにおいてある、あの金属でできているやつである。 8000円は痛いが、置ける物量の事を考えると、むしろ安い買い物といえるだろう。 そして、事件は起こった。 重い。 重すぎる。 何キロあるかはわからないが、とてつも無く重い。少なくとも自転車で持って帰るのは不可能だ。 仕方がない・・・。Aは会社に電話して車を貸してもらう事にした。 その日はもう遅かったので取り敢えずその作業は明日にするとして、一度家に帰る。 そして、念の為、家で空けたスペースの幅を測ると、140×50という予想外の数字が検出され、Aはひどく狼狽する。 ただ、幸いな事にまだ搬入はしていないので、物を取りに行った時に取りかえればすむ。 Aは棚の重さに感謝した。 次の日、昼休みAは車を貸してもらい、120×45×180の荷物を家に持って帰る。ちなみに2000円安くなる。Aは免許を持っていないから、車の運転までしてもらう。はっきりいって、はた迷惑である。 キングオブ迷惑巻き散らし男である。ちなみに会社に持っていってる雑誌のことはまだ秘密だ。 そしてAは仕事を取り敢えず終わらしたあと、早速棚の作成にとりかかった。 その作業は自分が考えたものより遥かに厳しい道のりだとはAはまだ知る由もない。 つづく |